2022.09.25
◇第70回全日本実業団対抗選手権(9月23~25日/岐阜・長良川)3日目
全日本実業団対抗選手権3日目に行われた男子400mハードル決勝を最後に、松下祐樹(ミズノ)が現役を引退した。ラストレースは51秒05の6位だった。
フィニッシュ直後、優勝した岸本鷹幸(富士通)と抱き合って言葉を掛け合う。「あこがれでもありお父さんのような存在」と松下。同じ神奈川出身で110mハードルリオ五輪代表の矢澤航さんらも駆けつけた。スタンドからは大きは拍手。笑顔でトラックに別れを告げた。
「さみしい気持ちはあります」。91年度生まれの『プラチナ世代』の一人。小田原高時代は混成競技に取り組み、インターハイ八種競技優勝。順大でも十種競技で日本インカレ優勝など活躍していた。4年目から高校時代にも出場したことのある400mハードルに取り組み始め、社会人1年目の2014年から本格的に転向した。
以後、15年北京世界選手権、16年リオ五輪に出場。北京では準決勝に進出した。元々は「チームミズノアスレティック」所属ながら、自らの結果で16年にミズノトラッククラブに昇格。自己記録は49秒10だった。
「世界と勝負するためにやってきた。本気で世界を見据えるのがだんだん難しくなってきた」と松下。1年間前に2022年度で引退を決め、「すべてを陸上に懸けてきた」。それでも結果が出せず「力不足。これが僕の限界でした。悔いはないです」と語る。
思い出に残るレースは「全部」だが、なかでも「2015年の日本選手権と、その後の(北京世界選手権の参加標準記録を突破した)実業団学生対抗。これで世界に本気で目指そうと思えた」と言う。世界と戦うためには「常に世界を意識すること」。練習から常に世界を見据えて全力で取り組んできた、松下なりの答えだった。
今後は会社に残る予定。具体的な業務は未定だが、「陸上が大好きなので、この雰囲気をまた味わえるようになれれば」。第二の人生も、その人柄と努力でひたむきさで誰からも応援されるのだろう。
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
2024.05.06
ダイヤモンドリーグ・ドーハに三浦龍司、田中希実、ディーン元気がエントリー!
-
2024.05.06
-
2024.05.06
-
2024.05.06
-
2024.05.06
-
2024.05.03
2024.04.12
40年以上の人気シューズ”ペガサス”シリーズの最新作!「ナイキ ペガサス 41」が登場!
-
2024.04.26
-
2024.04.07
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2024.05.07
【竹澤健介の視点】葛西潤と五島莉乃に感じた「意志」と冷静さ 太田智樹の安定感、前田和摩の潜在能力に驚き/日本選手権10000m
静岡・小笠山総合運動公園エコパスタジアムを舞台に開催された第108回日本選手権10000m。男子は葛西潤(旭化成)が27分17秒46、女子は五島莉乃(資生堂)が30分53秒31と、ともに日本歴代6位の好タイムで初優勝を飾 […]
2024.05.06
【高平慎士の視点】男子4×100m、4×400m「収穫ある4位」五輪シードレーン獲得、後手に回ってメダル争いの価値/世界リレー
バハマ・ナッソーで開催された2024世界リレー(5月4日、5日/日本時間5日、6日)で男子の4×100mと4×400mがパリ五輪出場権を獲得した。初日の予選で、4×100mは38秒10で1着通過して五輪切符を決めると、決 […]
2024.05.06
ダイヤモンドリーグ・ドーハに三浦龍司、田中希実、ディーン元気がエントリー!
5月10日に行われるダイヤモンドリーグ(DL)ドーハ大会のエントリーリストが発表された。 男子3000m障害に日本記録保持者の三浦龍司(SUBARU)が登録。世界記録保持者のラメチャ・ギルマ(エチオピア)、ブダペスト世界 […]
2024.05.06
男子は銭海峰が1時間19分05秒でトップ 女子はベテラン・劉虹が快勝/WA競歩ツアー
5月5日、世界陸連(WA)競歩ツアー・ゴールドのコルゼニフスキ・ワルシャワ競歩カップがポーランドで開催され、男子20km競歩では銭海峰(中国)が1時間19分05秒で、女子20km競歩はリオ五輪金メダリストの劉虹(中国)が […]
2024.05.06
米国が4種目を制覇! 男子4×400mはボツワナが2分59秒11で初優勝/世界リレー
5月4日、5日の両日、バハマ・ナッソーで世界リレーが開催され、米国が5種目中4種目で優勝を飾る圧倒的な強さを見せた。 男子4×100mではアンカーに世界選手権100m王者のN.ライルズを起用。1走から3走も全員が100m […]
Latest Issue 最新号
2024年5月号 (4月12日発売)
パリ五輪イヤー開幕!