HOME バックナンバー
オレゴン世界陸上Medalist Interview① 山西利和 終わりなき王道を突き進む
オレゴン世界陸上Medalist Interview① 山西利和 終わりなき王道を突き進む

22年オレゴン世界選手権の男子20km競歩金メダルを獲得した山西利和(愛知製鋼)

王者がその強さを見せた。男子20㎞競歩で前回ドーハ大会に続いて連覇を達成した山西利和(愛知製鋼)。この種目の連覇は03・05・07年と3連覇を達成したジェファーソン・ペレス(エクアドル)以来、3人目のことだった。オレゴンに向けて「自分でレースを支配する」という絶対的な強さを追い求めてきた山西。その理想とする歩きにどれほど近づけたのか。そして、この先にどんな道を歩んでいくのか。メダルを手にした翌日に現地で話を聞いた。

広告の下にコンテンツが続きます

やりたいことをやって勝ち切れた

――オレゴンまでの調整についてはうまくいったのでしょうか。

山西 実は3月の世界競歩チーム選手権(オマーン・マスカット=1時間22分52秒で優勝)の疲労が、思ったより長引きました。イメージしていた調整の流れからは少し後れを取ったと思います。その間、冬にやっていた取り組みを中抜きしながらと言いますか、一段
ずつスキップする感じです。90%くらいでしたが、それで十分だとも言えます。冬の取り組みというのは時間的にも環境的にも100%やるのは厳しい。本番までには(理想の)7、8割くらいは見えていました。

――レースを振り返ると、まずは大きく飛び出し、その後は集団になって歩くかたちになりました。

山西 前半からそれほど遅すぎるペースにしないことを考えていました。気温や湿度の感じから、「思ったより動ける。このペースで行けるな」というのがあります。後半10㎞以降に集団を絞って小さくしている。それをイメージしていました。

――銅メダルだった昨年の東京五輪では他国の選手からマークされ、それを気にしたことも反省材料の一つとされていました。今回は?

山西 まずスタートラインが違います。今回はマークされることを前提とした上で戦略を組んできました。「マークされるかも」という心理状態とは違いがあります。その前提でいると、レース中に「マークされている」という心境になりにくいのです。

――「レースを支配する」強さを求めていたと思います。オレゴンではどれほど達成できましたか。

山西 今回のレースが完成形ではないですし、欲を言えば……というのはもちろんあります。それでもやりたいことをやれて、勝ち切れたのは収穫でした。

―― 池田向希選手(旭化成)との一騎打ちでした。どんな相手でしょう。

山西 粘れるし、ラストもキレ味がある。いるとなかなか大変な選手ですよ。ただ、あまり特定の誰かを意識する戦略はありません。どういう展開になっても、最後の1人になるまで生き残り続けなければならない。欲を言えばもう少し早く抜け出したかったのです
が、その領域に私はまだたどり着けていなかったか、という印象です。

絶対王者になるために要求に応える

――ドーハの金メダルとの違いはどう捉えますか。

山西 ドーハの時は有力選手の一人、つまり「one of them」でした。今回は「彼を中心に進むだろう」と思われる一人になった。そうなると周囲から要求される水準も上がります。それに応えないと勝てなくなるわけです。今回勝てたことで、その要求水準に追いついてきたと思います。

この続きは2022年8月12日発売の『月刊陸上競技9月号』をご覧ください。

 

※インターネットショップ「BASE」のサイトに移動します
郵便振替で購入する
定期購読はこちらから

王者がその強さを見せた。男子20㎞競歩で前回ドーハ大会に続いて連覇を達成した山西利和(愛知製鋼)。この種目の連覇は03・05・07年と3連覇を達成したジェファーソン・ペレス(エクアドル)以来、3人目のことだった。オレゴンに向けて「自分でレースを支配する」という絶対的な強さを追い求めてきた山西。その理想とする歩きにどれほど近づけたのか。そして、この先にどんな道を歩んでいくのか。メダルを手にした翌日に現地で話を聞いた。

やりたいことをやって勝ち切れた

――オレゴンまでの調整についてはうまくいったのでしょうか。 山西 実は3月の世界競歩チーム選手権(オマーン・マスカット=1時間22分52秒で優勝)の疲労が、思ったより長引きました。イメージしていた調整の流れからは少し後れを取ったと思います。その間、冬にやっていた取り組みを中抜きしながらと言いますか、一段 ずつスキップする感じです。90%くらいでしたが、それで十分だとも言えます。冬の取り組みというのは時間的にも環境的にも100%やるのは厳しい。本番までには(理想の)7、8割くらいは見えていました。 ――レースを振り返ると、まずは大きく飛び出し、その後は集団になって歩くかたちになりました。 山西 前半からそれほど遅すぎるペースにしないことを考えていました。気温や湿度の感じから、「思ったより動ける。このペースで行けるな」というのがあります。後半10㎞以降に集団を絞って小さくしている。それをイメージしていました。 ――銅メダルだった昨年の東京五輪では他国の選手からマークされ、それを気にしたことも反省材料の一つとされていました。今回は? 山西 まずスタートラインが違います。今回はマークされることを前提とした上で戦略を組んできました。「マークされるかも」という心理状態とは違いがあります。その前提でいると、レース中に「マークされている」という心境になりにくいのです。 ――「レースを支配する」強さを求めていたと思います。オレゴンではどれほど達成できましたか。 山西 今回のレースが完成形ではないですし、欲を言えば……というのはもちろんあります。それでもやりたいことをやれて、勝ち切れたのは収穫でした。 ―― 池田向希選手(旭化成)との一騎打ちでした。どんな相手でしょう。 山西 粘れるし、ラストもキレ味がある。いるとなかなか大変な選手ですよ。ただ、あまり特定の誰かを意識する戦略はありません。どういう展開になっても、最後の1人になるまで生き残り続けなければならない。欲を言えばもう少し早く抜け出したかったのです が、その領域に私はまだたどり着けていなかったか、という印象です。

絶対王者になるために要求に応える

――ドーハの金メダルとの違いはどう捉えますか。 山西 ドーハの時は有力選手の一人、つまり「one of them」でした。今回は「彼を中心に進むだろう」と思われる一人になった。そうなると周囲から要求される水準も上がります。それに応えないと勝てなくなるわけです。今回勝てたことで、その要求水準に追いついてきたと思います。 この続きは2022年8月12日発売の『月刊陸上競技9月号』をご覧ください。  
※インターネットショップ「BASE」のサイトに移動します
郵便振替で購入する 定期購読はこちらから

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

         

Latest articles 最新の記事

2026.03.03

明治学大が長距離ブロック監督に中村匠吾内定を発表 東京五輪マラソン代表の33歳

明治学大は3月3日、2021年東京五輪男子マラソン代表の中村匠吾(富士通)が4月1日付で陸上競技部長距離ブロック監督への就任が内定したと発表した。 中村は三重県出身の33歳。上野工高(現・伊賀白鳳高)や駒大で活躍し、卒業 […]

NEWS 日本選手権マラソン競歩に住所大翔、梅野倖子らエントリー、全日本競歩能美大会ハーフに勝木隼人や川野将虎

2026.03.03

日本選手権マラソン競歩に住所大翔、梅野倖子らエントリー、全日本競歩能美大会ハーフに勝木隼人や川野将虎

日本陸連は3月3日、石川・能美市で3月15日に開催される第110回日本選手権マラソン競歩と第50回全日本競歩能美大会(ハーフマラソン競歩)のエントリー選手を発表した。 大会は名古屋アジア大会の代表選考会であるとともに、ア […]

NEWS JR東日本・片西景が東京マラソンで現役引退 「たくさんの支えと声援が原動力でした」 駒大時代にユニバ金

2026.03.03

JR東日本・片西景が東京マラソンで現役引退 「たくさんの支えと声援が原動力でした」 駒大時代にユニバ金

男子長距離の片西景(JR東日本)が3月2日、自身のインスタグラムで1日の東京マラソンをもって現役を引退すると発表した。 片西は東京都出身の28歳。昭和第一学園高では3年時の全国高校選抜大会の10000mに出場し、全国都道 […]

NEWS ユニクロ 中大・浜野光が入社 昨年の学生個人選手権5000m2位「存在感を示せるよう全力で頑張ります」

2026.03.03

ユニクロ 中大・浜野光が入社 昨年の学生個人選手権5000m2位「存在感を示せるよう全力で頑張ります」

ユニクロ女子陸上競技部は3月2日、ホームページを更新し、浜野光(中大)が3月1日付で入社したと発表した。 浜野の愛知県出身。高校は埼玉・本庄一高出身。2年時の2020年には全国高校大会に800mと1500mで、3年時には […]

NEWS クラフティア3名退部 24年別大マラソン6位の吉岡智輝 女子の森田真帆と遠藤凜々羽も

2026.03.02

クラフティア3名退部 24年別大マラソン6位の吉岡智輝 女子の森田真帆と遠藤凜々羽も

クラフティア陸上競技部は3月2日、男子長距離の吉岡智輝と、女子長距離の森田真帆、遠藤凜々羽の3選手が2月末に退部したと発表した。 吉岡は佐賀・白石高から順大に進学。大学時代は箱根駅伝に出走経験はなかったが、4年時の21年 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年3月号 (2月14日発売)

2026年3月号 (2月14日発売)

別府大分毎日マラソン
大阪国際女子マラソン
矢田みくにインタビュー
追跡箱根駅伝

page top