HOME 高校

2022.08.06

山田暉斗が砲丸投で高校歴代2位の18m74!7年ぶり大会新で念願の高校タイトルを獲得/徳島IH
山田暉斗が砲丸投で高校歴代2位の18m74!7年ぶり大会新で念願の高校タイトルを獲得/徳島IH


◇徳島インターハイ(8月3日~7日/徳島・鳴門総合運動公園)

インターハイ3日目は男女計8種目の決勝が行われ、男子砲丸投では山田暉斗(法政二3神奈川)が高校歴代2位の18m74で初優勝。2015年に幸長慎一(生光学園3徳島/現・四国大AC)がマークした大会記録18m21(当時の高校記録)を53㎝更新した。

広告の下にコンテンツが続きます

6月のU20日本選手権でマークした自己記録18m01は、今季の高校ランキングトップ。山田は優勝候補に挙がっていたが、「試合前に考え過ぎるとダメなことが多いので、シンプルに、最後は全身で(砲丸を)押すというぐらいの意識でやりました」と、1回ずつの投げに集中した。

「練習で良い感覚がつかめていたので、飛びそうだという感じがあった」という。実際、決勝では多くの選手が15m台の争いを繰り広げる中、山田は1投目に17m19、2投目に17m70と17m台を連発。3回目にはさらに記録を伸ばして18m09で自己新をマークし、他を大きく引き離した。4投目に17m53をマークした後、5回目に超特大の18m74。記録の計測中から大きなガッツポーズを作るほど、確かな手応えがあった。

6回目は「気合が入り過ぎてダメだった」と言うものの、18m53のセカンドベスト。17m16で2位の東海林慎也(山形中央3)が競技終了後、山田にかけた「かなわんかった」という言葉に、他を寄せつけない強さが垣間見えた。

今大会、他の選手がグライド投法だったなか、山田だけが回転投法で挑んだ。高1のシーズン後から本格的に始め、難しい技術を習得できれば、好記録が期待できる。「2年生の頃は記録が出なくて」苦しい時期もあり、「回転に変えたことが良くなかったんじゃないか」という声も山田の耳に入ってきたという。

広告の下にコンテンツが続きます

それでも、「自分の投げを考えた時、回転投法の方が合っている」という信念はブレることがなかった。

「自分の目指す理想像があって、そこを目指していけば、今やることが見えてくる。理想を崩さないように、それを目標にがんばりました。めげずにその先を見据えていたので、うまくかみ合って良かったです」

中学時代には全中を制し、高校でもU18大会やU20日本選手権といった全国大会で優勝してきた山田。前回4位で悔しさを味わったインターハイのタイトルをついに手中に収め、「インターハイは高校生の集大成。勝てて良かったです」と充実の表情を浮かべた。

ビッグショットで欲しかった高校王者の称号を得たが、「回転投法の完成度はまだ50%」と山田。その完成形をぜひとも見てみたい。

広告の下にコンテンツが続きます

■男子砲丸投 高校歴代5傑
19.28 アツオビン・ジェイソン(大阪桐蔭3大阪) 2020.11. 3
18.74 山田 暉斗(法政二3神奈川) 2022. 8. 5
18.21 幸長 慎一(生光学園3徳島) 2015. 7.31
18.14 稻福  颯(市岐阜商3岐阜) 2018. 8. 6
18.02 井元 幸喜(都島工3大阪) 2003. 6.28

◇3日目の優勝者
【男子】
400mハードル 紺野稜真(九里学園3山形)50秒46
4×100mリレー 洛南(京都)39秒71=大会新
5000m競歩 長田隼人(松山工3愛媛)20分52秒49
砲丸投 山田暉斗(法政二3神奈川)18m74=大会新
【女子】
400mハードル 瀧野未来(京都橘2京都)58秒54
4×100mリレー 中京大中京(愛知)45秒42
走幅跳 松村琴都(瑞陵2愛知)5m93(-1.2)
円盤投 友利晟弓(那覇西3沖縄)46m46

文/小野哲史

◇徳島インターハイ(8月3日~7日/徳島・鳴門総合運動公園) インターハイ3日目は男女計8種目の決勝が行われ、男子砲丸投では山田暉斗(法政二3神奈川)が高校歴代2位の18m74で初優勝。2015年に幸長慎一(生光学園3徳島/現・四国大AC)がマークした大会記録18m21(当時の高校記録)を53㎝更新した。 6月のU20日本選手権でマークした自己記録18m01は、今季の高校ランキングトップ。山田は優勝候補に挙がっていたが、「試合前に考え過ぎるとダメなことが多いので、シンプルに、最後は全身で(砲丸を)押すというぐらいの意識でやりました」と、1回ずつの投げに集中した。 「練習で良い感覚がつかめていたので、飛びそうだという感じがあった」という。実際、決勝では多くの選手が15m台の争いを繰り広げる中、山田は1投目に17m19、2投目に17m70と17m台を連発。3回目にはさらに記録を伸ばして18m09で自己新をマークし、他を大きく引き離した。4投目に17m53をマークした後、5回目に超特大の18m74。記録の計測中から大きなガッツポーズを作るほど、確かな手応えがあった。 6回目は「気合が入り過ぎてダメだった」と言うものの、18m53のセカンドベスト。17m16で2位の東海林慎也(山形中央3)が競技終了後、山田にかけた「かなわんかった」という言葉に、他を寄せつけない強さが垣間見えた。 今大会、他の選手がグライド投法だったなか、山田だけが回転投法で挑んだ。高1のシーズン後から本格的に始め、難しい技術を習得できれば、好記録が期待できる。「2年生の頃は記録が出なくて」苦しい時期もあり、「回転に変えたことが良くなかったんじゃないか」という声も山田の耳に入ってきたという。 それでも、「自分の投げを考えた時、回転投法の方が合っている」という信念はブレることがなかった。 「自分の目指す理想像があって、そこを目指していけば、今やることが見えてくる。理想を崩さないように、それを目標にがんばりました。めげずにその先を見据えていたので、うまくかみ合って良かったです」 中学時代には全中を制し、高校でもU18大会やU20日本選手権といった全国大会で優勝してきた山田。前回4位で悔しさを味わったインターハイのタイトルをついに手中に収め、「インターハイは高校生の集大成。勝てて良かったです」と充実の表情を浮かべた。 ビッグショットで欲しかった高校王者の称号を得たが、「回転投法の完成度はまだ50%」と山田。その完成形をぜひとも見てみたい。 ■男子砲丸投 高校歴代5傑 19.28 アツオビン・ジェイソン(大阪桐蔭3大阪) 2020.11. 3 18.74 山田 暉斗(法政二3神奈川) 2022. 8. 5 18.21 幸長 慎一(生光学園3徳島) 2015. 7.31 18.14 稻福  颯(市岐阜商3岐阜) 2018. 8. 6 18.02 井元 幸喜(都島工3大阪) 2003. 6.28 ◇3日目の優勝者 【男子】 400mハードル 紺野稜真(九里学園3山形)50秒46 4×100mリレー 洛南(京都)39秒71=大会新 5000m競歩 長田隼人(松山工3愛媛)20分52秒49 砲丸投 山田暉斗(法政二3神奈川)18m74=大会新 【女子】 400mハードル 瀧野未来(京都橘2京都)58秒54 4×100mリレー 中京大中京(愛知)45秒42 走幅跳 松村琴都(瑞陵2愛知)5m93(-1.2) 円盤投 友利晟弓(那覇西3沖縄)46m46 文/小野哲史

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.05.19

葛西潤が英国で10000m27分34秒14 ポイント重ね五輪出場圏内に浮上 相澤晃は28分02秒84

5月18日、英国・ロンドンで「Night of the 10,000m PBs」が行われ、葛西潤と相澤晃(ともに旭化成)が出場し、葛西が27分34秒14で5位に入った。 葛西は1000mを2分41秒、2000m5分23秒 […]

NEWS 北口、サニブラウンら国立競技場で“世界”を体感!!セイコーゴールデンGP今日5/19開催

2024.05.19

北口、サニブラウンら国立競技場で“世界”を体感!!セイコーゴールデンGP今日5/19開催

◇セイコーゴールデングランプリ(5月19日/東京・国立競技場) 世界陸連(WA)コンチネンタルツアー・ゴールドのセイコーゴールデングランプリが今日5月19日に国立競技場で行われる。WAの試合の格付けでは日本選手権よりも高 […]

NEWS 山西利和が復活V 金メダリスト抑える殊勲 五輪代表池田向希は5位 柳井綾音が自己新の1時間29分44秒/WA競歩ツアー

2024.05.19

山西利和が復活V 金メダリスト抑える殊勲 五輪代表池田向希は5位 柳井綾音が自己新の1時間29分44秒/WA競歩ツアー

5月18日に世界陸連(WA)競歩ツアー・ゴールドの第37回ラ・コルーニャ国際グランプリ(スペイン)が行われ、男子20km競歩の山西利和(愛知製鋼)が1時間17分47秒で5年ぶり2回目の優勝を飾った。 同大会はゴールドラベ […]

NEWS 男子400m中島佑気ジョセフが45秒63のシーズンベスト ノーマン44秒53で快勝/ロサンゼルスGP

2024.05.19

男子400m中島佑気ジョセフが45秒63のシーズンベスト ノーマン44秒53で快勝/ロサンゼルスGP

5月18日、WAコンチネンタルツアー・ゴールド第3戦のロサンゼルスGPが米国カリフォルニア州で行われ、男子400mの中島佑気ジョセフ(富士通)が45秒63のシーズンベストで7位に入った。 この春に社会人となった中島は5月 […]

NEWS 5000m競歩で濱西諒が4年ぶり日本新!デーデー・ブルーノが100m10秒32で快勝!男女1500mで大会新ラッシュ/東日本実業団

2024.05.19

5000m競歩で濱西諒が4年ぶり日本新!デーデー・ブルーノが100m10秒32で快勝!男女1500mで大会新ラッシュ/東日本実業団

◇第66回東日本実業団選手権(5月18日~19日/埼玉・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場) 東日本実業団選手権の1日目が行われ、男子5000m競歩で濱西諒(サンベルクス)が18分16秒97の日本新記録をマークした。従来の記 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年6月号 (5月14日発売)

2024年6月号 (5月14日発売)

別冊付録学生駅伝ガイド

page top