
◇日本選手権10000m(5月6日/国立競技場)
日本選手権女子10000mが5月7日に開催され、廣中璃梨佳(日本郵政グループ)が31分30秒34で2連覇を果たした。参加標準記録を突破していたことで、7月に米国オレゴンで開催される世界選手権の代表に内定した。
レース前に世界選手権の参加標準記録(31分25秒00)を突破していたのは廣中のほか、不破聖衣来(拓大)、五島莉乃(資生堂)、安藤友香(ワコール)、小林成美(名城大4年)の4名。このうち安藤はアジア大会のマラソン代表に内定(※後に大会延期が決定)していたためエントリーを見送り、不破は右アキレス腱周囲炎のため棄権した。
レースはスタートと同時に、五島が先頭に立ち引っ張る形となる。しばらくは大きな集団が形成されたが、2000m手前あたりで集団は五島、矢田みくに(デンソー)、廣中、萩谷楓(エディオン)、佐藤早也伽(積水化学)とオープン参加のカマウ・タビタ(三井住友海上)の6人となった。
1000m3分07秒、2000m6分14秒(3分7秒)、3000m9分24秒(3分10秒)、4000m12分36秒(3分12秒)とペースが徐々に落ちてきたところで、タビタが飛び出して独走。第2集団は五島、廣中、萩谷、矢田の4人となり前を追った。
7000m手前で廣中と萩谷の2人が集団から抜け出し、優勝争いはこの2人に絞られた。残り6周となった7600m地点で廣中はそれまでかぶっていた帽子を脱ぎ捨てるとペースアップ。会場からは大きな拍手が沸き起こった。廣中と萩谷はそれぞれが前に出て、争いながらラスト2000mを走っていたが、ラスト1周の鐘を聞くと廣中がペースアップ。萩谷を引き離し、前を行くタビタも抜く勢いでスパートをかけ、笑顔でフィニッシュに飛び込んだ。
「前半は余裕を持って後半につなげていきたい」というレースプランを描いてスタートし、ほぼその想定通りになった。だが1ヵ月前は貧血による体調不良で、この場に立てるかどうかという状態だったという。「体調が悪い中でもやっていけることを1日1日やっていきながら、ここに向けてしっかりと合わせていきたいという気持ちでやってきました」。4月29日の織田記念では5000mを走る予定だったが、棄権した。「悔しさは本当にあったんですけど、それでも世界を優先したいと監督と話して『それだったら一緒に戦おう』と言ってもらえたので、ここにしっかりと合わせていきたいという気持ちに変わりました」と話す。
ディフェンディング・チャンピオンという立場ではあったが、自らの状態が万全ではなかったこともあり、そのことに対する「プレッシャーはあまりなかった」という。2連覇を考えず、確実に世界陸上を決める3位以内と考えて走り、結果がついてきたことに「本当に良かったなと思います」と笑顔を見せる。
廣中は昨年の東京五輪で5000mと10000mを走り、5000mでは日本記録で9位、10000mでは7位に入賞した。世界トップレベルの決勝の舞台を経験したことが大きなきっかけとなり、「またあの舞台に戻りたい」「あの選手と一緒に走りたい」という気持ちになれた。世界陸上を経験し、パリオリンピックにつなげていきたいと展望を語る。
支えてくれている人たち、観客の存在が大きな力になったという廣中。6月の日本選手権5000mでも世界陸上の代表を狙っていく。「世界も見据えながらそこが通過点となれるように、しっかりと勝負していきたいです」。廣中の目は高みを見据えている。
◇3位・五島も世界選手権代表に内定
世界選手権の参加標準記録を突破していた五島莉乃(資生堂)も3位に入って代表に内定。序盤から五島らしくフロントランを貫き、最後も粘りきった。「自分らしさを生かして積極的に前に出るレースができました」とうれし涙をうかべていた。
文/藤井みさ
◇日本選手権10000m(5月6日/国立競技場)
日本選手権女子10000mが5月7日に開催され、廣中璃梨佳(日本郵政グループ)が31分30秒34で2連覇を果たした。参加標準記録を突破していたことで、7月に米国オレゴンで開催される世界選手権の代表に内定した。
レース前に世界選手権の参加標準記録(31分25秒00)を突破していたのは廣中のほか、不破聖衣来(拓大)、五島莉乃(資生堂)、安藤友香(ワコール)、小林成美(名城大4年)の4名。このうち安藤はアジア大会のマラソン代表に内定(※後に大会延期が決定)していたためエントリーを見送り、不破は右アキレス腱周囲炎のため棄権した。
レースはスタートと同時に、五島が先頭に立ち引っ張る形となる。しばらくは大きな集団が形成されたが、2000m手前あたりで集団は五島、矢田みくに(デンソー)、廣中、萩谷楓(エディオン)、佐藤早也伽(積水化学)とオープン参加のカマウ・タビタ(三井住友海上)の6人となった。
1000m3分07秒、2000m6分14秒(3分7秒)、3000m9分24秒(3分10秒)、4000m12分36秒(3分12秒)とペースが徐々に落ちてきたところで、タビタが飛び出して独走。第2集団は五島、廣中、萩谷、矢田の4人となり前を追った。
7000m手前で廣中と萩谷の2人が集団から抜け出し、優勝争いはこの2人に絞られた。残り6周となった7600m地点で廣中はそれまでかぶっていた帽子を脱ぎ捨てるとペースアップ。会場からは大きな拍手が沸き起こった。廣中と萩谷はそれぞれが前に出て、争いながらラスト2000mを走っていたが、ラスト1周の鐘を聞くと廣中がペースアップ。萩谷を引き離し、前を行くタビタも抜く勢いでスパートをかけ、笑顔でフィニッシュに飛び込んだ。
「前半は余裕を持って後半につなげていきたい」というレースプランを描いてスタートし、ほぼその想定通りになった。だが1ヵ月前は貧血による体調不良で、この場に立てるかどうかという状態だったという。「体調が悪い中でもやっていけることを1日1日やっていきながら、ここに向けてしっかりと合わせていきたいという気持ちでやってきました」。4月29日の織田記念では5000mを走る予定だったが、棄権した。「悔しさは本当にあったんですけど、それでも世界を優先したいと監督と話して『それだったら一緒に戦おう』と言ってもらえたので、ここにしっかりと合わせていきたいという気持ちに変わりました」と話す。
ディフェンディング・チャンピオンという立場ではあったが、自らの状態が万全ではなかったこともあり、そのことに対する「プレッシャーはあまりなかった」という。2連覇を考えず、確実に世界陸上を決める3位以内と考えて走り、結果がついてきたことに「本当に良かったなと思います」と笑顔を見せる。
廣中は昨年の東京五輪で5000mと10000mを走り、5000mでは日本記録で9位、10000mでは7位に入賞した。世界トップレベルの決勝の舞台を経験したことが大きなきっかけとなり、「またあの舞台に戻りたい」「あの選手と一緒に走りたい」という気持ちになれた。世界陸上を経験し、パリオリンピックにつなげていきたいと展望を語る。
支えてくれている人たち、観客の存在が大きな力になったという廣中。6月の日本選手権5000mでも世界陸上の代表を狙っていく。「世界も見据えながらそこが通過点となれるように、しっかりと勝負していきたいです」。廣中の目は高みを見据えている。
◇3位・五島も世界選手権代表に内定
世界選手権の参加標準記録を突破していた五島莉乃(資生堂)も3位に入って代表に内定。序盤から五島らしくフロントランを貫き、最後も粘りきった。「自分らしさを生かして積極的に前に出るレースができました」とうれし涙をうかべていた。
文/藤井みさ RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2026.05.25
女子短距離・松本真奈がU20アジア選手権の出場辞退 大会は28日から開幕
-
2026.05.25
-
2026.05.24
-
2026.05.21
-
2026.05.21
-
2026.05.18
2026.05.13
ユニクロ女子陸上競技部が新ユニフォームを発表! 東日本実業団選手権から着用予定
-
2026.04.29
Latest articles 最新の記事
2026.05.25
女子短距離・松本真奈がU20アジア選手権の出場辞退 大会は28日から開幕
日本陸連は5月25日、U20アジア選手権(5月28日~31日/中国・香港)の女子100m、200mに出場予定だった松本真奈(日体大)が、ケガのため出場を辞退することを発表した。 松本は昨年のインターハイ100m優勝者。今 […]
2026.05.25
激戦の愛知110mH・小木曽蒼真が13秒95でV 静岡・松下碩斗はスプリント3冠 中京大中京がマイルで3分40秒60/IH都府県大会
滋賀インターハイ(7月30日~8月5日)に向けた都府県大会が5月上旬から各地で行われ、高校生たちが熱い戦いを繰り広げている。 東海地区では5月24日までに愛知、静岡の両県大会が終了し、各種目で好記録が相次いだ。 広告の下 […]
2026.05.25
エサが2時間4分55秒の大会新V キプチョゲ氏のワールドツアーもスタート/ケープタウンマラソン
南アフリカで5月24日、第19回ケープタウンマラソンが開催され、男子ではM.エサ(エチオピア)が2時間4分55秒のコースレコードで優勝した。アフリカで出された記録としても過去最高だった。 エサは25歳。23年東京で2位に […]
2026.05.25
ゴンザレスがツアー2連勝 男子は19歳石升吉が接戦制す/WA競歩ツアー
世界陸連(WA)競歩ツアー・ゴールドの第39回ラ・コルーニャ国際グランプリが5月23日にスペインで行われ、女子ハーフマラソン競歩では東京世界選手権20km競歩銀メダルのA.ゴンザレス(メキシコ)が1時間32分24秒で優勝 […]
2026.05.25
七種競技・仮屋愛優が自己新でV2! 「ベストが出せて良かった」 マイルは男子・東洋大、女子・早大が制す/関東IC
◇第105回関東インカレ(5月21~24日/栃木・カンセキスタジアムとちぎ)4日目 第105回関東インカレの4日目が行われた。 広告の下にコンテンツが続きます 女子七種競技は5359点の自己新記録をマークした仮屋愛優(日 […]
Latest Issue
最新号
2026年6月号 (5月14日発売)
落合晃&丸山優真が日本新
26春 学生長距離勢力図