東京マラソンを2日後に控えた3月4日に招待選手の会見が行われた。
大きな注目を集めるが世界記録保持者でオリンピック連覇のエリウド・キプチョゲ(ケニア)。来日の飛行機の遅れの影響でバブル方式のなかオンラインで会見に臨んだ。
「日本が大好き。何度も声をかけていてだいてやっと出場できます」とキプチョゲ。来日後は「少し寒かったですが、しっかりトレーニングができています。コンディションは良好です」と笑顔を浮かべる。
目標タイムを書くボードには「STRONG」と記入。その真意を聞かれ「ストロングはストロング。いいレースを日本のみなさんに見せられればうれしい」と、世界最強の強さを見せるつもりだ。
迎え撃つ日本勢も豪華布陣。2時間4分56秒の日本記録を持つ鈴木健吾(富士通)は、「昨年のびわ湖と同じ流れでやってきました。コンディションはぼちぼち」。キプチョゲらの参戦に「チャレンジャーとしてワクワクしています」と楽しみな様子だ。
これまでもタイムより勝負にこだわってきた鈴木。「特別、変えたことはない。勝負を意識すればタイムもついてくる。積極的に外国人選手にチャレンジしたい」と意気込んだ。勝負した上で「オレゴン世界選手権代表を目指しているので、貪欲に挑みたい」と強い決意を示している。
昨年のびわ湖で2時間6分26秒をマークしている土方英和(Honda)は、「びわ湖に向けた練習をベースに質や量を増やした」と言い、ジョグを「これまで120分だったのを180分に伸ばすなどしてきた」と言う。
目標はHondaの先輩・設楽悠太が持つ2時間6分11秒を上回ること。「より多くの選手に勝てるようにしたい」と語った。
会見では、鈴木、土方からキプチョゲへ質問する機会も。土方から「好きな日本食は?」と聞かれ、「ポークカレー。マイルドだから好き。札幌で食べたあんパンがおいしかったので今回も食べたい」と笑顔を浮かべた。また、鈴木は「長く現役を続ける秘訣」を聞かれ「競技に対する愛」と即答。「日本が大好き、若者に走りを見せたい。そういった思いが(自分を)走り続けさせる。走ることが私の人生。楽しいから走るのです」と、真髄の一端を明かした。
そのキプチョゲは東京マラソンのコースについて「昨年、本来であれば走れたので、今回東京の街を走れてうれしい。フラットでスピードが出ると思う」と語る。
世界記録保持者VS日本記録保持者。東京を舞台に、日本だけでなく世界が注目するレースとなりそうだ。
■主要招待選手のコメント
井上大仁(三菱重工)
「練習のボリュームを持たせながら良い動きを意識してきた。(海外勢でも)常に勝負する気持ちではいる。状況にもよるが、出るからには結果を求めたい。日本でも30kmから勝負という意識が根付いている。折り合いを判断しながら我慢するという課題に向き合っていきたい」
吉田祐也(GMOインターネットグループ)
「日本人1位を取って世界選手権代表を目標にしている。その中でも海外勢でも勝負に勝つというところを正確に考えていきたい。大迫(傑)さんと合宿させていただくことで、より世界を目指すための視野が広がった。失敗がないのと、後半落ちないのが持ち味。35km以降が勝負どころになる」



|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
Latest articles 最新の記事
2025.07.07
東京世界陸上の競技開始時間が一部変更 DAY8最終種目が女子5000m決勝から男子800m決勝へ
9月13日~21日に東京・国立競技場で開かれる東京世界選手権のDAY1、DAY2、DAY8、DAY9の競技開始時間の一部が変更になった。7月1日に変更が加えられており、大会公式のSNSで7月7日に発表された。 最も大きな […]
2025.07.07
大盛況女子100mHの“時代”作った寺田明日香 最後の日本選手権終え「この種目が育っていく瞬間を見られて良かった」
◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権が行われ、最終日の女子100mハードルで今季限りの引退を表明していた寺田明日香(ジャパンクリエイト)が13秒09( […]
2025.07.07
【竹澤健介の視点】「日本一」を決める選手権として見応えある勝負 井川龍人の1500m選手に劣らぬスパート光る/日本選手権
7月6日に行われた第109回日本選手権最終日の男子5000m決勝。井川龍人(旭化成)が13分37秒59で初優勝を飾った。2008年北京五輪5000m、10000m代表の竹澤健介さん(摂南大ヘッドコーチ)に、レースを振り返 […]
2025.07.07
【高平慎士の視点】鵜澤飛羽の出足に見えた「記録と戦いに行く」意思表示 ラスト20mの修正が19秒台&ファイナルへのカギ/日本選手権
7月6日に行われた第109回日本選手権最終日の男子200m決勝。鵜澤飛羽(JAL)が日本歴代4位の自己ベストに並ぶ20秒12(±0)で3連覇を飾った。2008年北京五輪男子4×100mリレー銀メダリストの高平慎士さん(富 […]
2025.07.07
日本陸連オフィシャルトップパートナーにアシックスジャパン 25年度協賛企業が決定
日本陸連は7月7日、25年度の協賛企業を発表した。今年度は「オフィシャルトップパートナー」のアシックスジャパンをはじめ、12社より協賛を受ける。 アシックスジャパンは日本代表のオフィシャルウェアを契約。「オフィシャルメジ […]
Latest Issue
最新号

2025年7月号 (6月13日発売)
詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会