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2021.11.06

【展望】駒大の連覇か、東京国際大の2冠か、青学大も虎視眈々/第53回全日本大学駅伝
【展望】駒大の連覇か、東京国際大の2冠か、青学大も虎視眈々/第53回全日本大学駅伝

第53回全日本大学駅伝は11月7日(日)、愛知・熱田神宮西門前をスタート、三重・伊勢神宮内宮宇治橋前をフィニッシュの8区間106.8kmのコースで開催される。

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出場校は前回8位までに入ったシード校の駒大、東海大、明大、青学大、早大、東洋大、帝京大、順大、そこに各地区予選を勝ち抜いた17校とオープン参加の日本学連選抜と東海学連選抜を加えた27チームとなる。

駅伝日本一の座を懸けた、学生たちによる熱き戦い。すでに発表されている各チームのエントリー選手の情報をもとに、優勝争い&シード権争いの展望と見どころを紹介する。

区間エントリーが発表! 駒大は鈴木芽吹が外れる

まず、11月5日に各チームの区間エントリーが発表され、すでに公表されていた16人のエントリーメンバーから補員を含めた13人に絞られた。

この結果、前回王者の駒大は10000m27分41秒68を持つ鈴木芽吹(2年)、5000m日本インカレ2位の篠原倖太郎(1年)、前回Vメンバーの山野力(3年)が外れた。特に鈴木の離脱は連覇を目指すうえで大きな打撃になる。

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早大は5000m13分31秒52を持つ主将の千明龍之佑(4年)、明大も10月23日の箱根駅伝予選会を走った主力の櫛田佳希(3年)がリストから外れ、日体大は絶対的エースの藤本珠輝(3年)をエントリーしなかった。

これらをふまえ、最終エントリー13人のうち5000mと10000mの自己ベスト上位8人の平均タイムを算出した。そして両種目のランキングを得点化したものが以下の表だ。(カッコ内は順位)

駒大
13.42.19(1)28.27.30(1)
東海大
13.52.21(7)28.55.75(11)
明大
13.45.55(2)28.37.45(4)
青学大
13.49.60(6)28.40.57(5)
早大
13.48.64(4)28.30.06(2)
東洋大
13.52.48(8)29.00.21(12)
帝京大
13.58.10(12)29.05.78(14)
順大
13.47.67(3)28.34.48(3)
東京国際大
13.49.46(5)28.55.70(10)
國學院大
13.54.15(9)28.41.07(6)
法大
14.11.22(14)29.05.25(13)
拓大
14.13.84(15)28.55.39(9)
中大
13.54.95(10)28.46.71(7)
中央学大
13.55.74(11)28.49.27(8)
日体大
14.01.98(13)29.06.33(15)
立命大
14.16.18(16)29.48.91(16)

そして両種目のランキングを得点化して並び変えたのが以下の表だ。

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1)駒  大  2(1-1)42.09.49
2)早  大  6(4-2)42.18.70
3)順  大  6(3-3)42.22.15
4)明  大  6(2-4)42.23.00
5)青 学 大  11(6-5)42.30.17
6)國學院大  15(9-6)42.35.22
7)東京国際大 15(5-10)42.45.16
8)中  大  17(10-7)42.41.21
9)東 海 大  18(7-11)42.47.96
10)中央学大  19(11-8)42.45.01
11)東 洋 大  20(8-12)42.52.69
12)拓  大  24(15-9)43.09.23
13)帝 京 大  26(12-14)43.03.88
14)法  大  27(14-13)43.16.47
15)日 体 大  28(13-15)43.08.31
16)立 命 大  32(16-16)44.05.09
※カッコ内は5000mと10000mの順位
※カッコの右は平均タイムの合計
※同点の場合は平均タイムが上の大学を優先

これを見ると、駒大が両種目でトップに立ち、データ上で優位に立っているのがわかる。僅差で早大、順大、明大と続き、青学大が5番手につけている。

東京国際大は2人いる留学生のうち、記録のいいイェゴン・ヴィンセント(3年)が入る想定で計算しているが、これまで2年連続で出走しているルカ・ムセンビ(3年)が入るようだと、ややランキングに変動がありそうだ。

以上データに加え、近年の駅伝実績や取材にもとづいた最新情報を加味すると、優勝候補筆頭は駒大で間違いないだろう。

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その対抗として有力なのが、出雲駅伝で上位に入った東京国際大と青学大か。データ上で優れた数字を持つ早大、順大が3強を追う構図となりそうで、明大は2週間前の箱根駅伝予選会でハーフマラソンを走っていることを考え、評価を下げた。

■今大会の勢力図予想
A(優勝候補)
駒大、青学大、東京国際大
B(メダル候補)
早大、順大
C(シード有力)
東洋大、國學院大
D(シード候補)
東海大、明大、帝京大、
E(チャレンジ)
法大、拓大、中大、中央学大、日体大、立命大など

田澤を軸に連覇に挑む駒大
序盤でリード奪いたい早大&順大&青学大
終盤で大逆転狙う東京国際大

では、ここでメダル候補までに入れた上記5校の区間エントリーと戦力から戦い方を予想する。

駒大は日本選手権10000m2位のエース・田澤廉(3年)を7区に置いた。前回は8区だったが、大八木弘明監督は早めに勝負に出た模様だ。現段階では補員に入っている唐澤拓海や白鳥哲汰(ともに2年)らスピードのある選手が前半区間に入ることで、序盤から先頭争いが可能になる。鈴木が抜けたことで戦力は大きく削がれたが、アンカーの花尾恭輔(2年)も関東インカレ2部ハーフマラソン2位の実力者。7区で確実に先頭に立ち、逃げ切り勝ちを狙う。

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青学大は出雲1区区間賞のエース・近藤幸太郎(3年)を補員登録。当日変更で前半区間に入る見通しだが、昨年は2区で大きく出遅れただけに確実に序盤で先頭争いに加わっておきたいはずだ。注目は3区に入った岸本大紀(3年)。1年目は大活躍ながら、2年目の昨季はケガで一度も出番がなかった。ここで完全復活をすれば、5区の佐藤一世(2年)、6区の西久保遼(3年)といった実力者で中盤を優位に進められる。終盤の2区間は駒大や東京国際大と比べるとややパンチに欠けるため、6区終了時でトップに立てるかが優勝へのカギを握る。

出雲駅伝で学生駅伝初優勝を遂げた東京国際大は補員に入った留学生の起用が肝。7区に入った野澤巧理(4年)、8区の宗像聖(3年)ともに主力選手のため、どちらに入るか現時点では読めない。また、出雲3区で快走した丹所健(3年)は脚を痛めたとの情報があり、起用できなければ優勝争いから一歩脱落する可能性が高い。とはいえ、仮にフルオーダーで臨んだ場合は、出雲に続く2冠も十分考えられる。

早大は前回大会も千明抜きで3区から6区途中まで先頭をひた走った。今回もその再来を狙うオーダーで2区に井川龍人(3年)、3区に中谷雄飛(4年)が並んだ。青学大同様に終盤2区間の破壊力はないため、確実に中盤で先頭争いしておきたい。

順大は東京五輪3000m障害7位の三浦龍司(2年)が2区に入った。これまで学生駅伝では1区しか走っていないため、単独走でどれだけ走れるかに注目。チームは箱根駅伝の総合優勝に全力を注いでおり、出雲は10位と惨敗。それでも関東インカレや日本インカレでは多くの選手が入賞するなど、選手層なら駒大や青学大に引けを取らない。昨年の8位は大きく超えてきそうだ。

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前回大会は優勝候補に挙げられた駒大、青学大、東海大が軒並み序盤で出遅れながら、最終8区ではこの3校が先頭争いを繰り広げた。3年前から終盤2区間がロング区間(7区17.6km、8区19.7km)となったため、当然この2区間が最重要区間となる。その一方で、出雲で東京国際大が見せたように、駅伝では先頭に立ったチームが勢いでそのまま逃げ切るケースも多々ある。各大学の指揮官の区間戦略が吉と出るか凶と出るか、3名まで認められている当日の選手変更にも注目だ。

東洋大、國學院大も強力布陣

メダル候補には入れなかったものの、東洋大國學院大は出雲駅伝で3位、4位に入っており、力はある。

東洋大は出雲で欠場したエース格の宮下隼人(4年)と松山和希(2年)が7区、8区に入っており、本調子なら他校の脅威となる。出雲で5区区間賞と鮮烈な学生駅伝デビューを飾った石田洸介(1年)は4区に登録され、ここで上位につければトップ3も十分にあり得る。

國學院大は過去最高成績が6位。今大会はそれを超える「5位」がターゲットだが、展開次第では初のメダルも狙える布陣が整った。昨年も好走した島崎慎愛が1区、出雲2区区間賞の木付琳(4年)が2区と序盤から主力を並べ、流れに乗る作戦か。出雲6区で積極的な走りを見せたルーキーの平林清澄は7区に配置され、10000mでチーム内1位、2位の記録を持つ中西大翔(3年)と藤木宏太(4年)は補員登録。決して選手層は厚くないが、ハマった時の爆発力はライバル校の脅威となりそうだ。

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前回2位の東海大は前回4区区間賞のエース・石原翔太郎(2年)、10000mで28分21秒80の松尾昂来(2年)がエントリーから外れ、厳しい戦いが予想される。明大は前述のとおり、箱根予選会の疲労が懸念材料。3年連続でシード権を獲得中の帝京大は出雲8位から順位を上げられるか。

このほか、個人での活躍にも注目が集まり、箱根1区区間賞の法大・鎌田航生(4年)と箱根予選会日本人トップの中央学大・栗原啓吾(4年)がともに2区にエントリー。10000mの学生記録保持者である拓大のジョセフ・ラジニ(3年)は補員登録だが、当日変更でどの区間に入るか注目だ。

■シード校(前回上位8校)
駒澤大学    26大会連続28回目
東海大学     8大会連続34回目
明治大学    14大会連続15回目
青山学院大学   9大会連続11回目
早稲田大学   15大会連続27回目
東洋大学    14大会連続29回目
帝京大学     7大会連続14回目
順天堂大学    5大会連続26回目

■各地区代表校
<北海道>
札幌学院大学   4大会連続28回目
<東北>
東北大学     2大会連続15回目
<関東>
東京国際大学   3大会連続 3回目
國學院大學    7大会連続 9回目
法政大学     2大会ぶり13回目
拓殖大学     2大会ぶり10回目
中央大学     9大会ぶり28回目
中央学院大学   9大会連続15回目
日本体育大学   4大会連続43回目
<北信越>
信州大学     2大会連続15回目
<東海>
皇學館大学    5大会連続 5回目
岐阜協立大学   5大会ぶり 4回目
<関西>
立命館大学   20大会連続32回目
関西学院大学   2大会連続10回目
大阪経済大学   3大会ぶり23回目
<中国四国>
環太平洋大学  2大会ぶり 2回目
<九州>
第一工科大学  2大会ぶり25回目

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■秩父宮賜杯 第53回全日本大学駅伝対校選手権大会
11月7日 熱田神宮西門前~伊勢神宮内宮宇治橋前  8区間 106.8km
大会HP

第53回全日本大学駅伝は11月7日(日)、愛知・熱田神宮西門前をスタート、三重・伊勢神宮内宮宇治橋前をフィニッシュの8区間106.8kmのコースで開催される。 出場校は前回8位までに入ったシード校の駒大、東海大、明大、青学大、早大、東洋大、帝京大、順大、そこに各地区予選を勝ち抜いた17校とオープン参加の日本学連選抜と東海学連選抜を加えた27チームとなる。 駅伝日本一の座を懸けた、学生たちによる熱き戦い。すでに発表されている各チームのエントリー選手の情報をもとに、優勝争い&シード権争いの展望と見どころを紹介する。

区間エントリーが発表! 駒大は鈴木芽吹が外れる

まず、11月5日に各チームの区間エントリーが発表され、すでに公表されていた16人のエントリーメンバーから補員を含めた13人に絞られた。 この結果、前回王者の駒大は10000m27分41秒68を持つ鈴木芽吹(2年)、5000m日本インカレ2位の篠原倖太郎(1年)、前回Vメンバーの山野力(3年)が外れた。特に鈴木の離脱は連覇を目指すうえで大きな打撃になる。 早大は5000m13分31秒52を持つ主将の千明龍之佑(4年)、明大も10月23日の箱根駅伝予選会を走った主力の櫛田佳希(3年)がリストから外れ、日体大は絶対的エースの藤本珠輝(3年)をエントリーしなかった。 これらをふまえ、最終エントリー13人のうち5000mと10000mの自己ベスト上位8人の平均タイムを算出した。そして両種目のランキングを得点化したものが以下の表だ。(カッコ内は順位) 駒大 13.42.19(1)28.27.30(1) 東海大 13.52.21(7)28.55.75(11) 明大 13.45.55(2)28.37.45(4) 青学大 13.49.60(6)28.40.57(5) 早大 13.48.64(4)28.30.06(2) 東洋大 13.52.48(8)29.00.21(12) 帝京大 13.58.10(12)29.05.78(14) 順大 13.47.67(3)28.34.48(3) 東京国際大 13.49.46(5)28.55.70(10) 國學院大 13.54.15(9)28.41.07(6) 法大 14.11.22(14)29.05.25(13) 拓大 14.13.84(15)28.55.39(9) 中大 13.54.95(10)28.46.71(7) 中央学大 13.55.74(11)28.49.27(8) 日体大 14.01.98(13)29.06.33(15) 立命大 14.16.18(16)29.48.91(16) そして両種目のランキングを得点化して並び変えたのが以下の表だ。 1)駒  大  2(1-1)42.09.49 2)早  大  6(4-2)42.18.70 3)順  大  6(3-3)42.22.15 4)明  大  6(2-4)42.23.00 5)青 学 大  11(6-5)42.30.17 6)國學院大  15(9-6)42.35.22 7)東京国際大 15(5-10)42.45.16 8)中  大  17(10-7)42.41.21 9)東 海 大  18(7-11)42.47.96 10)中央学大  19(11-8)42.45.01 11)東 洋 大  20(8-12)42.52.69 12)拓  大  24(15-9)43.09.23 13)帝 京 大  26(12-14)43.03.88 14)法  大  27(14-13)43.16.47 15)日 体 大  28(13-15)43.08.31 16)立 命 大  32(16-16)44.05.09 ※カッコ内は5000mと10000mの順位 ※カッコの右は平均タイムの合計 ※同点の場合は平均タイムが上の大学を優先 これを見ると、駒大が両種目でトップに立ち、データ上で優位に立っているのがわかる。僅差で早大、順大、明大と続き、青学大が5番手につけている。 東京国際大は2人いる留学生のうち、記録のいいイェゴン・ヴィンセント(3年)が入る想定で計算しているが、これまで2年連続で出走しているルカ・ムセンビ(3年)が入るようだと、ややランキングに変動がありそうだ。 以上データに加え、近年の駅伝実績や取材にもとづいた最新情報を加味すると、優勝候補筆頭は駒大で間違いないだろう。 その対抗として有力なのが、出雲駅伝で上位に入った東京国際大と青学大か。データ上で優れた数字を持つ早大、順大が3強を追う構図となりそうで、明大は2週間前の箱根駅伝予選会でハーフマラソンを走っていることを考え、評価を下げた。
■今大会の勢力図予想 A(優勝候補) 駒大、青学大、東京国際大 B(メダル候補) 早大、順大 C(シード有力) 東洋大、國學院大 D(シード候補) 東海大、明大、帝京大、 E(チャレンジ) 法大、拓大、中大、中央学大、日体大、立命大など

田澤を軸に連覇に挑む駒大 序盤でリード奪いたい早大&順大&青学大 終盤で大逆転狙う東京国際大

では、ここでメダル候補までに入れた上記5校の区間エントリーと戦力から戦い方を予想する。 駒大は日本選手権10000m2位のエース・田澤廉(3年)を7区に置いた。前回は8区だったが、大八木弘明監督は早めに勝負に出た模様だ。現段階では補員に入っている唐澤拓海や白鳥哲汰(ともに2年)らスピードのある選手が前半区間に入ることで、序盤から先頭争いが可能になる。鈴木が抜けたことで戦力は大きく削がれたが、アンカーの花尾恭輔(2年)も関東インカレ2部ハーフマラソン2位の実力者。7区で確実に先頭に立ち、逃げ切り勝ちを狙う。 青学大は出雲1区区間賞のエース・近藤幸太郎(3年)を補員登録。当日変更で前半区間に入る見通しだが、昨年は2区で大きく出遅れただけに確実に序盤で先頭争いに加わっておきたいはずだ。注目は3区に入った岸本大紀(3年)。1年目は大活躍ながら、2年目の昨季はケガで一度も出番がなかった。ここで完全復活をすれば、5区の佐藤一世(2年)、6区の西久保遼(3年)といった実力者で中盤を優位に進められる。終盤の2区間は駒大や東京国際大と比べるとややパンチに欠けるため、6区終了時でトップに立てるかが優勝へのカギを握る。 出雲駅伝で学生駅伝初優勝を遂げた東京国際大は補員に入った留学生の起用が肝。7区に入った野澤巧理(4年)、8区の宗像聖(3年)ともに主力選手のため、どちらに入るか現時点では読めない。また、出雲3区で快走した丹所健(3年)は脚を痛めたとの情報があり、起用できなければ優勝争いから一歩脱落する可能性が高い。とはいえ、仮にフルオーダーで臨んだ場合は、出雲に続く2冠も十分考えられる。 早大は前回大会も千明抜きで3区から6区途中まで先頭をひた走った。今回もその再来を狙うオーダーで2区に井川龍人(3年)、3区に中谷雄飛(4年)が並んだ。青学大同様に終盤2区間の破壊力はないため、確実に中盤で先頭争いしておきたい。 順大は東京五輪3000m障害7位の三浦龍司(2年)が2区に入った。これまで学生駅伝では1区しか走っていないため、単独走でどれだけ走れるかに注目。チームは箱根駅伝の総合優勝に全力を注いでおり、出雲は10位と惨敗。それでも関東インカレや日本インカレでは多くの選手が入賞するなど、選手層なら駒大や青学大に引けを取らない。昨年の8位は大きく超えてきそうだ。 前回大会は優勝候補に挙げられた駒大、青学大、東海大が軒並み序盤で出遅れながら、最終8区ではこの3校が先頭争いを繰り広げた。3年前から終盤2区間がロング区間(7区17.6km、8区19.7km)となったため、当然この2区間が最重要区間となる。その一方で、出雲で東京国際大が見せたように、駅伝では先頭に立ったチームが勢いでそのまま逃げ切るケースも多々ある。各大学の指揮官の区間戦略が吉と出るか凶と出るか、3名まで認められている当日の選手変更にも注目だ。

東洋大、國學院大も強力布陣

メダル候補には入れなかったものの、東洋大國學院大は出雲駅伝で3位、4位に入っており、力はある。 東洋大は出雲で欠場したエース格の宮下隼人(4年)と松山和希(2年)が7区、8区に入っており、本調子なら他校の脅威となる。出雲で5区区間賞と鮮烈な学生駅伝デビューを飾った石田洸介(1年)は4区に登録され、ここで上位につければトップ3も十分にあり得る。 國學院大は過去最高成績が6位。今大会はそれを超える「5位」がターゲットだが、展開次第では初のメダルも狙える布陣が整った。昨年も好走した島崎慎愛が1区、出雲2区区間賞の木付琳(4年)が2区と序盤から主力を並べ、流れに乗る作戦か。出雲6区で積極的な走りを見せたルーキーの平林清澄は7区に配置され、10000mでチーム内1位、2位の記録を持つ中西大翔(3年)と藤木宏太(4年)は補員登録。決して選手層は厚くないが、ハマった時の爆発力はライバル校の脅威となりそうだ。 前回2位の東海大は前回4区区間賞のエース・石原翔太郎(2年)、10000mで28分21秒80の松尾昂来(2年)がエントリーから外れ、厳しい戦いが予想される。明大は前述のとおり、箱根予選会の疲労が懸念材料。3年連続でシード権を獲得中の帝京大は出雲8位から順位を上げられるか。 このほか、個人での活躍にも注目が集まり、箱根1区区間賞の法大・鎌田航生(4年)と箱根予選会日本人トップの中央学大・栗原啓吾(4年)がともに2区にエントリー。10000mの学生記録保持者である拓大のジョセフ・ラジニ(3年)は補員登録だが、当日変更でどの区間に入るか注目だ。 ■シード校(前回上位8校) 駒澤大学    26大会連続28回目 東海大学     8大会連続34回目 明治大学    14大会連続15回目 青山学院大学   9大会連続11回目 早稲田大学   15大会連続27回目 東洋大学    14大会連続29回目 帝京大学     7大会連続14回目 順天堂大学    5大会連続26回目 ■各地区代表校 <北海道> 札幌学院大学   4大会連続28回目 <東北> 東北大学     2大会連続15回目 <関東> 東京国際大学   3大会連続 3回目 國學院大學    7大会連続 9回目 法政大学     2大会ぶり13回目 拓殖大学     2大会ぶり10回目 中央大学     9大会ぶり28回目 中央学院大学   9大会連続15回目 日本体育大学   4大会連続43回目 <北信越> 信州大学     2大会連続15回目 <東海> 皇學館大学    5大会連続 5回目 岐阜協立大学   5大会ぶり 4回目 <関西> 立命館大学   20大会連続32回目 関西学院大学   2大会連続10回目 大阪経済大学   3大会ぶり23回目 <中国四国> 環太平洋大学  2大会ぶり 2回目 <九州> 第一工科大学  2大会ぶり25回目 ■秩父宮賜杯 第53回全日本大学駅伝対校選手権大会 11月7日 熱田神宮西門前~伊勢神宮内宮宇治橋前  8区間 106.8km 大会HP

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2024年5月号 (4月12日発売)

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パリ五輪イヤー開幕!

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