2025.11.02
学生駅伝ナンバー1を決める第57回全日本大学駅伝が行われ、駒大が5時間6分53秒で2年ぶり17度目の優勝を果たした。
前回は史上初の5連覇を狙ったものの2位に終わっていた駒大。強力世代が最終学年を迎えるなか、今年の出雲駅伝でまさかの5位となった。3大駅伝でトップ3位から陥落したのは、21年の出雲以来だった。
「このままじゃ絶対に行けない」。主将の山川拓馬(4年)が強い思いをチームメイトにぶつけた。藤田敦史監督も「全日本は取りに行かないといけない」と活を入れ、「気持ちを入れ替えられました。チーム力が上がった」と山川は言う。
一つのポイントになったのは佐藤圭汰(4年)の復活。恥骨の故障で7月の日本選手権も見送りとなるなど苦しみ、夏に練習を復帰し、本格的な練習は「10月になってから」(佐藤)。それでも7区に配置できたのは大きい。「僕らはもちろんですけど、2、3年生は大学トップクラスの圭汰が7区にいるだけで安心感があったと思います」と言うのは、同期の伊藤蒼唯だ。
その伊藤が優勝への大きな足がかりを作る。「前回、5、6区でやられたので、今年はストロングポイントにしたかった。前半流れに乗せないと前に出られない」と指揮官。ゲームチェンジャーとして5区に置いたのが伊藤だった。
小山翔也(3年)がトップと1秒差でタスキをつなぎ、しっかり流れを作る。安定感抜群の谷中晴(2年)も区間3位。安原海晴(3年)はやや苦い経験となったが、「8割くらい役割は果たせた」と伊藤。トップ集団から30秒以上あった中で走り出すと、中継所では2位・國學院大に52秒差をつけ圧巻の区間新だった。伊藤は「先頭に立ってとにかく村上に楽をさせたかった。今までの駅伝よりうまく走れました」と伊藤の表情から充実感が漂う。
7区の佐藤も前半突っ込み、後半はさすがにきつくなったものの区間3位。「個人の走りは良くなくて、12,13kmで脚に(疲労が)来てしまった。最低限の仕事」と悔しがる。前回区間賞を取った8区に入った山川も「56分台を狙っていたので、まだまだ足りていない」と唇を噛むが、歓喜のフィニッシュに飛び込んだ。
盤石のタスキリレーだったように思えるが、チームに油断はない。「結果だけ見れば完勝ですが、前半は前に行かれていましたし、やっぱり國學院大は力がある」と藤田監督。箱根駅伝への優勝に向けて、ピースがそろい始めた。山川は「2区なら1時間5分台、5区なら1時間10分を切りたい。“4度目の正直”です」と力を込め、伊藤も「6区なら区間賞。他の区間も勝負できる。1月3日に笑って終われるようにしたい」と見据える。
「一丸となってやってきた」(山川)ことで奪還した全日本。次は3年ぶりの箱根Vへ。ここから約2ヵ月でさらにチーム力を高めて向かっていく。
全日本大学駅伝17度目優勝を果たした駒大のメンバーをチェック!
1区 小山翔也(3) 区間4位 2区 谷中晴(2) 区間3位 3区 帰山侑大(4) 区間3位 4区 安原海晴(3) 区間5位 5区 伊藤蒼唯(4) 区間賞 6区 村上響(3) 区間2位 7区 佐藤圭汰(4) 区間3位 8区 山川拓馬(4)区間3位RECOMMENDED おすすめの記事
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