HOME 国内、世界陸上、日本代表
小山直城はマラソン23位 「レース内容は成長できた」 来年のアジア大会へ意欲/東京世界陸上
小山直城はマラソン23位 「レース内容は成長できた」 来年のアジア大会へ意欲/東京世界陸上

東京世界陸上男子マラソンで23位だった小山直城

◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)3日目

東京世界陸上3日目のモーニングセッションが行われ、男子マラソンの小山直城(Honda)は2時間13分42秒の23位でフィニッシュした。

コースは、優勝した2年前のパリ五輪マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)とほぼ同じ。海外合宿を含めて調整も順調に行き、「8位入賞が目標。あきらめずに最後までしっかり走りたいです」と、意気込んで臨んだ初めての世界陸上だった。

広告の下にコンテンツが続きます

高温多湿の中でレースが始まっても、小山は「自分は暑さに弱いほうなので、氷を積極的に活用して、なるべく深部体温を上げないように意識しました」と冷静に暑熱対策を遂行。先頭が30分48秒で通過した10km、1時間01分54秒で通過した20kmでは、集団の中ほどでレースを進めた。

しかし、脱水症状からか「手がしびれてくるような感じがあって、25kmぐらいからつらくなった」と話し、29.4kmあたりで集団から徐々に後れを取る。30kmで8秒差、35kmで1分24秒差、40kmで2分58秒差と、先頭集団の背中は終盤に向けてどんどん遠ざかっていった。

最初の5kmでスペシャルドリンクを取れなかったこと、給水エリアで集団が縦長になり、そのたびにペースを上げなければいけなかったことなども、レース後半が苦しくなる要因になっていたかもしれない。

広告の下にコンテンツが続きます

集団からこぼれて以降は「本当に長かった」が、小山が踏ん張れたのは、「沿道で最後まで応援してくれる方々がいた」からだ。「自分が競技している中で1番の声援をいただいて、本当に幸せなレースでした」と感謝を述べた。

結果的には脚の違和感が出て23位に終わったパリ五輪と同じ23位。「もっと終盤まで先頭集団に絡みたかった」と本音をもらしながらも、「レース内容は少しは成長できた」という手応えもつかんだ。

そもそも多くのライバルがひしめく近年の日本男子マラソン界で、パリ五輪、東京世界陸上と世界大会に2大会連続で日本代表となったこと自体に大きな価値がある。今後に向けては、「Hondaでマラソンをしている選手と一緒に次のMGCをともに戦っていきたいので、一緒に練習をがんばっていきたい」と語る。

「来年のアジア大会でまた日本代表の座を狙っていきたいと思っています。年明けのマラソンで記録や順位でしっかり勝ちに行きたいです」と、マラソンを戦い終えた疲労感も見せずに闘志をのぞかせた。

文/小野哲史

◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)3日目 東京世界陸上3日目のモーニングセッションが行われ、男子マラソンの小山直城(Honda)は2時間13分42秒の23位でフィニッシュした。 コースは、優勝した2年前のパリ五輪マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)とほぼ同じ。海外合宿を含めて調整も順調に行き、「8位入賞が目標。あきらめずに最後までしっかり走りたいです」と、意気込んで臨んだ初めての世界陸上だった。 高温多湿の中でレースが始まっても、小山は「自分は暑さに弱いほうなので、氷を積極的に活用して、なるべく深部体温を上げないように意識しました」と冷静に暑熱対策を遂行。先頭が30分48秒で通過した10km、1時間01分54秒で通過した20kmでは、集団の中ほどでレースを進めた。 しかし、脱水症状からか「手がしびれてくるような感じがあって、25kmぐらいからつらくなった」と話し、29.4kmあたりで集団から徐々に後れを取る。30kmで8秒差、35kmで1分24秒差、40kmで2分58秒差と、先頭集団の背中は終盤に向けてどんどん遠ざかっていった。 最初の5kmでスペシャルドリンクを取れなかったこと、給水エリアで集団が縦長になり、そのたびにペースを上げなければいけなかったことなども、レース後半が苦しくなる要因になっていたかもしれない。 集団からこぼれて以降は「本当に長かった」が、小山が踏ん張れたのは、「沿道で最後まで応援してくれる方々がいた」からだ。「自分が競技している中で1番の声援をいただいて、本当に幸せなレースでした」と感謝を述べた。 結果的には脚の違和感が出て23位に終わったパリ五輪と同じ23位。「もっと終盤まで先頭集団に絡みたかった」と本音をもらしながらも、「レース内容は少しは成長できた」という手応えもつかんだ。 そもそも多くのライバルがひしめく近年の日本男子マラソン界で、パリ五輪、東京世界陸上と世界大会に2大会連続で日本代表となったこと自体に大きな価値がある。今後に向けては、「Hondaでマラソンをしている選手と一緒に次のMGCをともに戦っていきたいので、一緒に練習をがんばっていきたい」と語る。 「来年のアジア大会でまた日本代表の座を狙っていきたいと思っています。年明けのマラソンで記録や順位でしっかり勝ちに行きたいです」と、マラソンを戦い終えた疲労感も見せずに闘志をのぞかせた。 文/小野哲史

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.09.15

3000m障害で日本新・齋藤みう「今の力の最大限は出せた」 ハイペースも「余裕あった」/東京世界陸上

◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)3日目 東京世界陸上3日目のモーニングセッションが行われ、女子3000m障害予選に齋藤みう(パナソニック)が出場し、決勝進出が決まる5着以内には入れなかったものの、アジア歴 […]

NEWS 110mH予選は村竹ラシッド5組7レーンで王者ホロウェイと激突!泉谷駿介は1組、野本周成は3組に登場/東京世界陸上

2025.09.15

110mH予選は村竹ラシッド5組7レーンで王者ホロウェイと激突!泉谷駿介は1組、野本周成は3組に登場/東京世界陸上

◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)3日目 東京世界陸上3日目イブニングセッションで行われる男子110mハードル予選のスタートリストが発表された。 日本人初の12秒台ハードラーとなった村竹ラシッド(JAL)は […]

NEWS 【高平慎士の視点】好調セヴィルの快勝に、点で合わせる難しさ感じた男子100m 日本勢は「大阪の苦戦」と重なる/東京世界陸上

2025.09.15

【高平慎士の視点】好調セヴィルの快勝に、点で合わせる難しさ感じた男子100m 日本勢は「大阪の苦戦」と重なる/東京世界陸上

9月14日に行われた東京世界陸上2日目の男子100m決勝。オブリク・セヴィル(ジャマイカ)が世界歴代10位タイの9秒77(+0.3)で初の金メダルに輝き、ケショーン・トンプソンとジャマイカ勢初のワンツーを占めた。連覇を狙 […]

NEWS メダルへ!110mH最強トリオ出陣 村竹「メダルを狙える」3人の走りを金井大旺さんが解説/東京世界陸上

2025.09.15

メダルへ!110mH最強トリオ出陣 村竹「メダルを狙える」3人の走りを金井大旺さんが解説/東京世界陸上

◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)3日目 東京世界陸上の3日目のイブニングセッションで男子110mハードル予選が行われ、日本からは村竹ラシッド(JAL)、泉谷駿介(住友電工)、野本周成(愛媛競技力本部)が出 […]

NEWS ハンマー投・福田翔大は72m71 日本勢6大会ぶりの大舞台「ワクワクしていた」/東京世界陸上

2025.09.15

ハンマー投・福田翔大は72m71 日本勢6大会ぶりの大舞台「ワクワクしていた」/東京世界陸上

◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)3日目 東京世界陸上3日目のモーニングセッションが行われ、東京世界陸上3日目のモーニングセッションが行われ、男子ハンマー投予選B組に出場した福田翔大(住友電工)は2投目に7 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年10月号 (9月9日発売)

2025年10月号 (9月9日発売)

【別冊付録】東京2025世界陸上観戦ガイド
村竹ラシッド/桐生祥秀/中島佑気ジョセフ/中島ひとみ/瀬古優斗
【Coming EKIDEN Season 25-26】
学生長距離最新戦力分析/青学大/駒大/國學院大/中大/

page top