HOME 国内

2023.11.04

15年北京世界選手権リレー代表の谷口耕太郎が現役引退 アキレス腱断裂が響く ユニバ金などリレーで存在感
15年北京世界選手権リレー代表の谷口耕太郎が現役引退 アキレス腱断裂が響く ユニバ金などリレーで存在感

15年北京世界選手権4×100mR(左から谷口、長田、藤光、大瀨戸)

男子短距離の谷口耕太郎(凸版印刷)が現役を引退したことを自身のSNSで表明した。

谷口は1994年生まれ。11月3日で29歳になった。中2で野球から陸上に転向。中3時には全中200mで8位、ジュニア五輪6位と全国クラスで活躍した。神奈川・弥栄高3年時の新潟インターハイでは、同学年の大瀨戸一馬(小倉東高)、橋元晃志(川薩清修館高)、1学年下の桐生祥秀(洛南高)らとしのぎを削り、200mで21秒10の自己ベストを出して3位に入った。

2013年、中大に進学してすぐに関東インカレ4×100mリレーで優勝に貢献。個人はもちろん、リレーで大きな存在感を放っていく。7月に200mで当時U20日本歴代7位タイの20秒63をマーク。翌年には20秒45(当時・学生歴代10位)の好記録を叩き出す。日本インカレ4×100mリレーで初の全国タイトルを手にした。

広告の下にコンテンツが続きます

3年時には世界リレー4×100mリレーで日本代表入り。大瀨戸、桐生、藤光謙司とバトンをつないで3位。北京世界選手権の出場権獲得に貢献いた。日本は世界大会において2008年北京五輪以来の表彰台だった。6月のアジア選手権では200mで代表入りして4位。7月のユニバーシアード4×100mリレーではアンカーを務め、大瀨戸、長田拓也、諏方達郎、谷口のオーダーで12年ぶりの金メダルを獲得した。

北京世界選手権でもリレー代表入りしている。同年の日本陸連アスレティックス・アワードでは優秀選手賞を受賞した。4年時は日本選手権200mで7位。4×100mリレーでは日本インカレを3度走り一度も負けないなど、『リレーの中大』の中心としてチームを牽引した。

17年に凸版印刷に入社。アジア選手権2大会連続代表入りして6位。2020年9月の練習中に左アキレス腱を断裂し、懸命にリハビリに励んで21年にレースに復帰したが本来の走りを取り戻すことはできなかった。今年5月の東日本実業団対抗100mが現役ラストランとなった。

広告の下にコンテンツが続きます

自身のSNSで「勝てない人生」と題して思いを吐露。本人が「中学2年から陸上競技を始めて世界大会にも出場してきた。でも、一度も1位を取ったことがない」と綴ったように個人のタイトルとは不思議と縁がなかったが、それでもリレーでは絶大な信頼を得る走りは出色だった。復帰までの過程での葛藤を明かしつつ、「勝つことよりも、その道に挑戦し続けることの方が重要」だと思ったという。現在は社業に専念しており、誕生日だった11月3日に引退を表明した。

谷口は「勝てなかったが、良い陸上人生だった。支えてくださったすべての方への感謝と、競技を離れてもがきながらも頑張ってこられた経験を胸に、今日からまた頑張っていこうと思う」と感謝の言葉を綴っている。自己ベストは100m10秒37、200m20秒45。

100mの高校記録が18年ぶりに塗り替えられるなど、個性豊かなスプリンターがそろった1994年度生まれにあって、谷口もまた確かな存在感を放った忘れがたきスプリンターだった。

男子短距離の谷口耕太郎(凸版印刷)が現役を引退したことを自身のSNSで表明した。 谷口は1994年生まれ。11月3日で29歳になった。中2で野球から陸上に転向。中3時には全中200mで8位、ジュニア五輪6位と全国クラスで活躍した。神奈川・弥栄高3年時の新潟インターハイでは、同学年の大瀨戸一馬(小倉東高)、橋元晃志(川薩清修館高)、1学年下の桐生祥秀(洛南高)らとしのぎを削り、200mで21秒10の自己ベストを出して3位に入った。 2013年、中大に進学してすぐに関東インカレ4×100mリレーで優勝に貢献。個人はもちろん、リレーで大きな存在感を放っていく。7月に200mで当時U20日本歴代7位タイの20秒63をマーク。翌年には20秒45(当時・学生歴代10位)の好記録を叩き出す。日本インカレ4×100mリレーで初の全国タイトルを手にした。 3年時には世界リレー4×100mリレーで日本代表入り。大瀨戸、桐生、藤光謙司とバトンをつないで3位。北京世界選手権の出場権獲得に貢献いた。日本は世界大会において2008年北京五輪以来の表彰台だった。6月のアジア選手権では200mで代表入りして4位。7月のユニバーシアード4×100mリレーではアンカーを務め、大瀨戸、長田拓也、諏方達郎、谷口のオーダーで12年ぶりの金メダルを獲得した。 北京世界選手権でもリレー代表入りしている。同年の日本陸連アスレティックス・アワードでは優秀選手賞を受賞した。4年時は日本選手権200mで7位。4×100mリレーでは日本インカレを3度走り一度も負けないなど、『リレーの中大』の中心としてチームを牽引した。 17年に凸版印刷に入社。アジア選手権2大会連続代表入りして6位。2020年9月の練習中に左アキレス腱を断裂し、懸命にリハビリに励んで21年にレースに復帰したが本来の走りを取り戻すことはできなかった。今年5月の東日本実業団対抗100mが現役ラストランとなった。 自身のSNSで「勝てない人生」と題して思いを吐露。本人が「中学2年から陸上競技を始めて世界大会にも出場してきた。でも、一度も1位を取ったことがない」と綴ったように個人のタイトルとは不思議と縁がなかったが、それでもリレーでは絶大な信頼を得る走りは出色だった。復帰までの過程での葛藤を明かしつつ、「勝つことよりも、その道に挑戦し続けることの方が重要」だと思ったという。現在は社業に専念しており、誕生日だった11月3日に引退を表明した。 谷口は「勝てなかったが、良い陸上人生だった。支えてくださったすべての方への感謝と、競技を離れてもがきながらも頑張ってこられた経験を胸に、今日からまた頑張っていこうと思う」と感謝の言葉を綴っている。自己ベストは100m10秒37、200m20秒45。 100mの高校記録が18年ぶりに塗り替えられるなど、個性豊かなスプリンターがそろった1994年度生まれにあって、谷口もまた確かな存在感を放った忘れがたきスプリンターだった。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.09.16

8位入賞の三浦龍司「世界一が目標」金メダルのビーミッシュと対談/東京世界陸上

東京世界陸上の男子3000m障害で2大会連続入賞となる8位に入った三浦龍司(SUBARU)がレース翌日の16日、契約するOnのイベントに登壇し、同じくOn契約選手で同レースで金メダルを手にしたジョージ・ビーミッシュ(ニュ […]

NEWS 男子走幅跳世界記録保持者マイク・パウエル氏に資格停止処分

2025.09.16

男子走幅跳世界記録保持者マイク・パウエル氏に資格停止処分

9月12日、アスリート・インテグリティー・ユニット(AIU、世界陸連の独立不正監査機関)は、男子走幅跳世界記録保持者のM.パウエル氏(米国)が暫定的な資格停止処分を受けることを発表した。 AIUは処分の理由を安全確保上の […]

NEWS 100mに清水空跳&菅野翔唯 100mHに石原南菜らが登録! U18・16大会の1次エントリーが発表!

2025.09.16

100mに清水空跳&菅野翔唯 100mHに石原南菜らが登録! U18・16大会の1次エントリーが発表!

9月16日、日本陸連は10月17日から19日まで行われるU18・U16大会の1次エントリーリストを発表した。 U18大会は高校1、2年生を中心として選手がエントリーし、男子100mには広島インターハイで10秒00を高校記 […]

NEWS 男子110mH&走高跳でメダル獲得のチャンス! 中島佑気ジョセフは34年ぶりの日本勢決勝進出なるか/東京世界陸上DAY4イブニングみどころ

2025.09.16

男子110mH&走高跳でメダル獲得のチャンス! 中島佑気ジョセフは34年ぶりの日本勢決勝進出なるか/東京世界陸上DAY4イブニングみどころ

◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)4日目 東京世界陸上4日目、2種目で日本勢メダル獲得の期待が高まる。 男子100mハードルでは村竹ラシッド(JAL)、野本周成(愛媛競技力本部)が準決勝に駒を進めた。予選で […]

NEWS DAY3は延べ8万6000人超が国立へ イブニングセッション3日連続5万超で大きな熱気/東京世界陸上

2025.09.16

DAY3は延べ8万6000人超が国立へ イブニングセッション3日連続5万超で大きな熱気/東京世界陸上

◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)3日目 東京2025世界陸上財団は9月15日、東京世界陸上3日目(DAY3)のモーニングセッションとイブニングセッションの入場者数(15日21日時点の速報値)を発表した。 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年10月号 (9月9日発売)

2025年10月号 (9月9日発売)

【別冊付録】東京2025世界陸上観戦ガイド
村竹ラシッド/桐生祥秀/中島佑気ジョセフ/中島ひとみ/瀬古優斗
【Coming EKIDEN Season 25-26】
学生長距離最新戦力分析/青学大/駒大/國學院大/中大/

page top