2022.12.21
箱根駅伝Stories
新春の風物詩・箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。12月19日から区間エントリーが発表される29日まで、全校の特集記事を掲載していく。
1年生ながら名門・中大になくてはならない存在となった吉居駿恭。前回大会で1区区間新の打ち立てた兄・大和(3年)に劣らないポテンシャルを秘めた逸材だ。11月にU20日本歴代4位の10000mで28分06秒27をマークしたルーキーは、初の箱根駅伝に向けてどんな思いを抱いているのだろうか。
高校時代に10000mで28分11秒96をマーク
第100回大会の箱根駅伝で総合優勝を狙っている中大。〝名門復活〟のキーマンの1人がルーキーの吉居駿恭(1年)だ。
チームの絶対的エース・吉居大和(3年)を兄に持つ。両親が実業団選手だった影響もあり、幼い頃から走るのが好きだった。「もともと走るのが得意で、大会に出たいと思ったのでクラブチームに入りました」と小学5年時にTTランナーズに入会。愛知・田原東部中3年時には全中1500mで優勝し、3000mでも2位に入った。
高校は兄と同じ宮城・仙台育英に進学。1年時の全国高校駅伝はアンカーを務めて優勝テープを切っている。3年時は5000mで13分56秒16、10000mは高校歴代3位の28分11秒96をマーク。全国高校駅伝は1区を区間3位と好走した。
高校時代に印象に残っているレースを尋ねると、以下の答えが返ってきた。
「2つあります。1つは、高校時代は1年時の4月に出場した『チャレンジミートゥinくまがや』です。3000mで自己新(8分18秒87)を出すことができ、自信をつけることができました。もう1つは3年時の日体大長距離競技会10000mで28分11秒を出したレースも印象に残っています。正直、実力以上のタイムだったと思いますが、一段階レベルを上げることができました。自分が戦いたいと思っているステージのスタートラインに立てたかなと感じたんです」
高校時代の自己採点は、「70点くらい」という吉居。「もっといけるはずだった」という思いを抱いて中大に進学した。
次のページ 兄と走った3年ぶりのレース
高校時代に10000mで28分11秒96をマーク
第100回大会の箱根駅伝で総合優勝を狙っている中大。〝名門復活〟のキーマンの1人がルーキーの吉居駿恭(1年)だ。 チームの絶対的エース・吉居大和(3年)を兄に持つ。両親が実業団選手だった影響もあり、幼い頃から走るのが好きだった。「もともと走るのが得意で、大会に出たいと思ったのでクラブチームに入りました」と小学5年時にTTランナーズに入会。愛知・田原東部中3年時には全中1500mで優勝し、3000mでも2位に入った。 高校は兄と同じ宮城・仙台育英に進学。1年時の全国高校駅伝はアンカーを務めて優勝テープを切っている。3年時は5000mで13分56秒16、10000mは高校歴代3位の28分11秒96をマーク。全国高校駅伝は1区を区間3位と好走した。 高校時代に印象に残っているレースを尋ねると、以下の答えが返ってきた。 「2つあります。1つは、高校時代は1年時の4月に出場した『チャレンジミートゥinくまがや』です。3000mで自己新(8分18秒87)を出すことができ、自信をつけることができました。もう1つは3年時の日体大長距離競技会10000mで28分11秒を出したレースも印象に残っています。正直、実力以上のタイムだったと思いますが、一段階レベルを上げることができました。自分が戦いたいと思っているステージのスタートラインに立てたかなと感じたんです」 高校時代の自己採点は、「70点くらい」という吉居。「もっといけるはずだった」という思いを抱いて中大に進学した。 次のページ 兄と走った3年ぶりのレース兄と走った3年ぶりのレース
ルーキーイヤーは春から好調だった。5月のゴールデンゲームズinのべおか5000mで13分43秒22の自己ベスト。9月の日本インカレ5000mで4位に食い込むと、10月1日のAthletics Challenge Cup5000mでは13分40秒26とさらにベストを更新した。 それでも吉居は満足していない。「5000mは13分30秒前後という目標を立てていたので、トラックシーズンはあまり良くなかったかなと思います」と振り返る。そのなかでAthletics Challenge Cupは兄・大和と高校1年の4月以来、同じレースを走れたのが「うれしかった」と言う。
「兄と同じチームであることは、プラスの面しかない」
「調子の波があまりない」と自己分析する吉居。その点は藤原正和駅伝監督も「兄のような爆発力はないですけど、長い距離の練習は兄・大和の1年時よりできますし、安定感がある」と評価している。 トップ3を狙う箱根駅伝は往路の候補に挙がっており、「もともと1区を走りたいと思っていたんですけど、出雲と全日本を経て、5区以外の往路ならどこでも走りたい、という気持ちになりました。何区を任されても、今回こそは自分の走りをしたいです」と意気込んでいる。 兄の背中を追いかけて、高校、大学でもチームメイトになった。箱根駅伝では全国高校駅伝や出雲と全日本で実現しなかった〝兄弟タスキリレー〟が見られるかもしれない。 「兄と同じチームであることは、プラスの面しかないと思っています。頻繁に話をするわけではありませんが、仲はいいですし、バチバチの関係ではないですね。切磋琢磨して、一緒に世界を目指していきたいです」 吉居は今夏のオレゴン世界選手権を観て、より“世界”を強くするようになったと。 「トラックレースはラスト400mを51~52秒で走らないと戦えません。自分の持つスピードから考えると、本当にまだまだ。大学卒業後は、マラソンをやりたい思いが強いので、そのためにはスピードが必要です。大学では5000m13分15秒切り、10000m27分20秒切りを目指して取り組み、将来はマラソンで勝てるような選手になりたいです」 前回の箱根駅伝1区で爆走した兄とは少し異なるカラーを放つ吉居駿恭。吉居兄弟の活躍で学生長距離界の勢力図が大きく塗り替わりそうだ。 [caption id="attachment_89275" align="alignnone" width="800"]
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