2022.12.11
◇エディオンディスタンスチャレンジ(12月10日/たけびしスタジアム京都)
エディオン・ディスタンスチャレンジin京都2022が12月10日、たけびしスタジアム京都で行われた。
オレゴン世界選手権代表の田中希実(豊田自動織機)、廣中璃梨佳(日本郵政グループ)、萩谷楓(エディオン)が顔をそろえた注目の女子5000mA組。日本人トップは田中の5位(15分06秒42)で、6位(15分17秒30)に廣中が入ったが、来年8月のブタペスト世界選手権の参加標準記録(14分50秒00)突破はならなかった。萩谷は15分55秒04を要して組21位だった。
やや日差しは強いものの風もほとんどなく穏やかな絶好のコンディション。廣中の持つ日本記録(14分52秒84)の更新を含めて好記録の期待が高まったが、上位陣はいずれも思ったような結果が残せず悔しさをにじませた。
レースはマーガレット・アキドル(コモディイイダ)を先頭に入りの1000mを2分56秒のハイペースで通過。その後も当初の予定通り3000mも9分を切る8分57秒と速い流れで進むなか、田中と廣中が食らいつく縦長の展開となる。
「3000mまでは9分を切るペースで入れて良かったのですが、そこから後半どう粘るかがテーマでした。気持ちとは裏腹に身体が思ったように動いてくれませんでした」と言う廣中は3200m過ぎに脱落。田中も4000m手前から海外選手から離れ始め、「応援のお陰で何度もくじけそうになるところで粘れましたが、最後は身体がついてこなかった」と目標に届かず肩を落とした。
ともに今シーズンはモヤモヤのレースが続いた。レース後、2人でそんな話をしたという。「今季はいろいろ経験を積む中で、何が自分に合っているのか、調整法なども含めて取捨選択して来シーズンに備えたい」と廣中。今季最終レースで思ったような結果は残せなかったものの、浮き彫りとなった課題と向き合い、今季を次のステージへの通過点、ステップと捉え突き進む心構えでいる。
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山本有真は涙、男子は坂東と吉田がそれぞれトップ
日本人3番手の樺沢和佳奈(資生堂)が15分24秒79の自己新。10月の国体で廣中を抑えて優勝し、全日本学生女子駅伝でも3区で区間賞を獲得しチームの6連覇に貢献した山本有真(名城大)も出場。学生最後のトラックレースで学生記録(15分13秒09)の更新に挑むも、15分25秒92の8位で「プレッシャーに負けて思ったようなレースができなかった」と目を潤ませた。 序盤は先頭集団でレースを進めた山本が、2500m過ぎに遅れてしまう。それでも「満足のいく結果ではありませんでしたが、田中さんや廣中さんなど同世代の世界を相手に戦う選手の背中を追えたことはいい経験になりました」と、世界との距離感を心に刻んで今後の成長を誓った。年末には富士山女子駅伝が控える。 女子10000mはオレゴン世界選手権代表の五島莉乃(資生堂)が31分22秒38で貫禄のトップ。7000m過ぎにペースメーカーが外れて以降、自己ベスト(31分10秒02)の更新を目指してペースを上げたが届かず。11月の全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝)では優勝に貢献してMVPを獲得。上り調子だっただけに「練習もしっかり積め、昨年以上に力はついていると感じていたので残念」と唇を噛んだ。それでもシーズンベストで激動の1年を締めくくって成長の証を刻んだ。 富士通勢の争いとなった男子5000mは東京五輪代表の坂東悠汰が13分25秒16で浦野雄平を振り切りトップ。10000mは、この春から5000m世界選手権代表の遠藤日向の練習パートナーを務めている吉田圭太(住友電工)が28分13秒34の自己新で優勝。目標の27分台には僅かに届かったものの、ようやく不調から脱し「27分50秒ぐらいはいける感覚があった。やっとレース感覚も戻りつつあるので、今後も1レース1レースしっかり結果を残せるように頑張ります」と力強く抱負を話した。 文/花木 雫RECOMMENDED おすすめの記事
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