HOME 中学

2022.08.21

6mジャンパーの成澤柚日が走幅跳で史上4人目の連覇達成!次の目標は「常に自己ベストを跳ぶこと」/福島全中
6mジャンパーの成澤柚日が走幅跳で史上4人目の連覇達成!次の目標は「常に自己ベストを跳ぶこと」/福島全中


◇福島全中(8月18日~21日/福島・県営あづま競技場)3日目

1年前の茨城全中で2年生ながら女子走幅跳を制した成澤柚日(薮塚本町3群馬)が、今大会でさらにパワーアップした跳躍を披露し、5m91(+1.9)で大会史上4人目の2連覇を果たした。喜びを爆発させることも涙にむせぶこともなく、「優勝できたことはうれしいですが、自己ベストを出したかったです」と、いつも通りに物静かな口調で思いを吐露した。

広告の下にコンテンツが続きます

「最初の方はあまり身体が動きませんでした」と言いながら、1回目に5m61(+0.7)をマークし、トップに立った。2回目に寺本栞那(小浜二3福井)に差を詰められたが、3回目に5m78(+1.7)を跳んでリードを拡大。5回目に寺本に5cm差に迫られると、すぐさま5m91(+1.9)のビッグジャンプで勝負を決めた。後半にかけて「助走のスピードに乗れるように意識した」ことが勝因の1つになった。

昨年6月に昨季の中学最高となる5m91をマークして以降、次の目標を6mに置いてきた。しかし、その後は5m80台は跳べても、大台には届かない。いつしか自己記録もちょっとした壁になっていた。そこで冬季には坂ダッシュでスピードを強化。顧問の福田洋子先生は「走りに力強さが出てきました」と成澤の成長を見ていた。

今季に入り、取り組みの成果が少しずつ現れていく。6月の通信大会で5m74を跳んだ成澤は、7月の総体でセカンドベストとなる5m89。そして、8月10日の関東大会では、1.9mの追い風も味方にして中学歴代10位タイとなる6m00をマークし、ついに大台突破を果たした。優勝記録が5m85(+2.9)だった前回の全中後、成澤は「6mを跳びたかった。次の試合では絶対に6m」と話していたが、約1年2ヵ月ぶりの自己ベストだった。

今回の優勝後も次の目標を聞かれて、「常に自己ベストを跳ぶこと。できれば6m20ぐらいを跳びたいです」と答えたあたりも成澤らしい。おそらく今後も競技を続ける限り、「今より少しでも遠くに跳びたい」という一心で練習に取り組んでいくのだろう。その思いが成澤を着実に強くしていくはずだ。

広告の下にコンテンツが続きます

文/小野哲史

◇3日目の優勝者
【男子】
400m  佐藤克樹(六日町3新潟) 48秒78
四種競技 千葉 遼(南方3宮城)  2920点
【女子】
走幅跳  成澤柚日(藪塚本町3群馬)5m91(+1.9)
四種競技 井上凪紗(北神戸3兵庫) 2965点

また、男子110mハードル予選で岩本咲真(八屋3福岡)が13秒60(+1.1)の日本中学記録を樹立した。

◇福島全中(8月18日~21日/福島・県営あづま競技場)3日目 1年前の茨城全中で2年生ながら女子走幅跳を制した成澤柚日(薮塚本町3群馬)が、今大会でさらにパワーアップした跳躍を披露し、5m91(+1.9)で大会史上4人目の2連覇を果たした。喜びを爆発させることも涙にむせぶこともなく、「優勝できたことはうれしいですが、自己ベストを出したかったです」と、いつも通りに物静かな口調で思いを吐露した。 「最初の方はあまり身体が動きませんでした」と言いながら、1回目に5m61(+0.7)をマークし、トップに立った。2回目に寺本栞那(小浜二3福井)に差を詰められたが、3回目に5m78(+1.7)を跳んでリードを拡大。5回目に寺本に5cm差に迫られると、すぐさま5m91(+1.9)のビッグジャンプで勝負を決めた。後半にかけて「助走のスピードに乗れるように意識した」ことが勝因の1つになった。 昨年6月に昨季の中学最高となる5m91をマークして以降、次の目標を6mに置いてきた。しかし、その後は5m80台は跳べても、大台には届かない。いつしか自己記録もちょっとした壁になっていた。そこで冬季には坂ダッシュでスピードを強化。顧問の福田洋子先生は「走りに力強さが出てきました」と成澤の成長を見ていた。 今季に入り、取り組みの成果が少しずつ現れていく。6月の通信大会で5m74を跳んだ成澤は、7月の総体でセカンドベストとなる5m89。そして、8月10日の関東大会では、1.9mの追い風も味方にして中学歴代10位タイとなる6m00をマークし、ついに大台突破を果たした。優勝記録が5m85(+2.9)だった前回の全中後、成澤は「6mを跳びたかった。次の試合では絶対に6m」と話していたが、約1年2ヵ月ぶりの自己ベストだった。 今回の優勝後も次の目標を聞かれて、「常に自己ベストを跳ぶこと。できれば6m20ぐらいを跳びたいです」と答えたあたりも成澤らしい。おそらく今後も競技を続ける限り、「今より少しでも遠くに跳びたい」という一心で練習に取り組んでいくのだろう。その思いが成澤を着実に強くしていくはずだ。 文/小野哲史 ◇3日目の優勝者 【男子】 400m  佐藤克樹(六日町3新潟) 48秒78 四種競技 千葉 遼(南方3宮城)  2920点 【女子】 走幅跳  成澤柚日(藪塚本町3群馬)5m91(+1.9) 四種競技 井上凪紗(北神戸3兵庫) 2965点 また、男子110mハードル予選で岩本咲真(八屋3福岡)が13秒60(+1.1)の日本中学記録を樹立した。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.06.16

棒高跳・デュプランティスが6m28! 12度目の世界記録更新!「6m30もそう遠くはない」 女子100mはアルフレッドがV/DLストックホルム

6月15日、ダイヤモンドリーグ(DL)第7戦のバウハウス・ガランがスウェーデン・ストックホルムで開催され、男子棒高跳でA.デュプランティス(スウェーデン)が6m28の世界新で優勝した。従来の世界記録はデュプランティス自身 […]

NEWS 800m昨年全国8位の菊池晴太が1分50秒03の大会新V「収穫と悔しさがある」400mH長谷川桜介が51秒19、三段跳の菅野穂乃は大会新/IH東北

2025.06.16

800m昨年全国8位の菊池晴太が1分50秒03の大会新V「収穫と悔しさがある」400mH長谷川桜介が51秒19、三段跳の菅野穂乃は大会新/IH東北

◇インターハイ東北地区大会(6月13~16日/青森・カクヒログループアスレチックスタジアム)3日目 広島インターハイを懸けた東北地区大会の3日目が行われ、男子800mは菊池晴太(盛岡第四3岩手)が1分50秒03の大会新で […]

NEWS 200mはバログン・ハル23秒77の高2歴代5位で400mとの2冠 東島権治21秒06 やり投は松本65m05、走高跳は清水2連覇/IH南関東

2025.06.16

200mはバログン・ハル23秒77の高2歴代5位で400mとの2冠 東島権治21秒06 やり投は松本65m05、走高跳は清水2連覇/IH南関東

◇インターハイ南関東地区大会(6月13~16日/カンセキスタジアムとちぎ、栃木県総合運動公園多目的広場投てき場) 広島インターハイ出場を懸けた南関東地区大会の3日目が行われ、女子200mでバログン・ハル(市川2千葉)が従 […]

NEWS 東大阪大敬愛が女子総合V2 広島IHへ、久保凛「笑顔で締めくくりたい」 男子は洛南が10連覇 /IH近畿

2025.06.16

東大阪大敬愛が女子総合V2 広島IHへ、久保凛「笑顔で締めくくりたい」 男子は洛南が10連覇 /IH近畿

◇インターハイ近畿地区大会(6月12~15日/京都市・たけびしスタジアム京都)最終日 広島インターハイを懸けた近畿地区大会の最終日が行われ、前日までと同様、各種目でし烈な戦いが繰り広げられた。 広告の下にコンテンツが続き […]

NEWS 走幅跳IH2位の成澤柚日が自己新6m11で3連覇!柴田弥聖が2年連続ロングスプリント2冠/IH北関東

2025.06.16

走幅跳IH2位の成澤柚日が自己新6m11で3連覇!柴田弥聖が2年連続ロングスプリント2冠/IH北関東

◇インターハイ北関東地区大会(6月13~16日/栃木県宇都宮市・県総合運動公園カンセキスタジアム) 広島インターハイを懸けた北関東地区大会の2日目が行われ、女子走幅跳で成澤柚日(共愛学園3群馬)が自己新の6m11(+1. […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年7月号 (6月13日発売)

2025年7月号 (6月13日発売)

詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会

page top