2022.08.05

◇徳島インターハイ(8月3日~7日/徳島・鳴門総合運動公園)
インターハイ2日目は男女計10種目の決勝が行われた。なかでも、ひと際存在感を放ったのが、駅伝でおなじみ、アクアブルーのユニフォームを着た神村学園(鹿児島)の選手たちだ。
女子1500mでは、歴代最強の留学生と呼び声高いカリバ・カロライン(2年)が優勝争いを、3年生の田島愛梨が日本人トップ争いをリードし、駆け引きせずに堂々と立ち向かった。
カロラインは前回覇者のジャネット・ニーヴァ(倉敷3岡山)に挑む立場だったが、スタートから一度も先頭を譲らず、4分08秒72で優勝。4分07秒06の大会記録には届かなかったものの、大会史上2番目のタイムで勝ち切った。
高校国内国際最高記録(8分43秒13)を持つ3000mとの2冠を目指しているカロラインにとって、弾みのつくレースとなった。3000mは4日目に予選、5日目に決勝が行われる。
カロラインに触発されるかたちで成長してきた田島。徳島でのテーマは「堂々と戦い、自分の力を出し切る」ことだった。5月に高校歴代5位(現・6位)の4分15秒86をマークしたものの、「日本人トップ」や「優勝」は未経験。自分でつかみに行くしかないと積極的に前に出るレースプランを選択した。結果はラスト勝負で水本佳菜(薫英女学院3大阪)に敗れ、4分17秒49で日本人2番手の4位。それでも、顧問の有川哲蔵先生は「気持ちのいいレースでしたね」と高く評価した。
さらに、19時にスタートした女子5000m競歩は、吉留美桜(3年)が22分56秒51で制覇。「カロラインと愛梨の走りに勇気をもらいました。先生の笑顔を見たくて、『がんばったね』と言ってもらいたくてここまでやってきましたので、今日は『チーム神村』としていい結果を残せてよかったです」と目を赤くした。
神村学園勢の優勝は、3000m競歩から5000m競歩に変更された2011年に大中原麻依が優勝して以来、11年ぶり。吉留は秋から日本一を目指して駅伝メンバーをサポートしていくという。
同じ日に2種目で優勝者が生まれ、「こんな経験は一生に一度ぐらいでしょう」と有川先生。そして、「記録を持っていても、実際に勝つのは難しいこと。駅伝でそれを経験してきた私たちは、とにかくここで勝つことにこだわってきました」と語った。
年末の全国高校駅伝では、25回目の出場となった2018年に初制覇した神村学園。都大路で勝つ難しさを経験している。速いだけでなく、強いチームとは何か。トラックレースの中で、その答えを見つけようとしている。
◇2日目の優勝者
【男子】
100m 関口裕太(東京学館新潟3新潟)10秒38(-0.6)
1500m 大野聖登(秋田工3秋田)3分44秒93
棒高跳 渡邉瑛斗(大塚3大阪)5m10
走幅跳 吉田正道(姫路商3兵庫)7m40(-0.4)
やり投 清野康介(山形市商3山形)64m93
八種競技 高橋 諒(桐朋2東京)5992点(追い風参考)
【女子】
100m 藏重みう(中京大中京3愛知)11秒85(-0.5)
1500m カリバ・カロライン(神村学園3鹿児島)4分08秒72
5000m競歩 吉留美桜(神村学園3鹿児島)22分56秒51
砲丸投 奥山琴未(岡山商大附3岡山)14m57
文/田端慶子
◇徳島インターハイ(8月3日~7日/徳島・鳴門総合運動公園)
インターハイ2日目は男女計10種目の決勝が行われた。なかでも、ひと際存在感を放ったのが、駅伝でおなじみ、アクアブルーのユニフォームを着た神村学園(鹿児島)の選手たちだ。
女子1500mでは、歴代最強の留学生と呼び声高いカリバ・カロライン(2年)が優勝争いを、3年生の田島愛梨が日本人トップ争いをリードし、駆け引きせずに堂々と立ち向かった。
カロラインは前回覇者のジャネット・ニーヴァ(倉敷3岡山)に挑む立場だったが、スタートから一度も先頭を譲らず、4分08秒72で優勝。4分07秒06の大会記録には届かなかったものの、大会史上2番目のタイムで勝ち切った。
高校国内国際最高記録(8分43秒13)を持つ3000mとの2冠を目指しているカロラインにとって、弾みのつくレースとなった。3000mは4日目に予選、5日目に決勝が行われる。
カロラインに触発されるかたちで成長してきた田島。徳島でのテーマは「堂々と戦い、自分の力を出し切る」ことだった。5月に高校歴代5位(現・6位)の4分15秒86をマークしたものの、「日本人トップ」や「優勝」は未経験。自分でつかみに行くしかないと積極的に前に出るレースプランを選択した。結果はラスト勝負で水本佳菜(薫英女学院3大阪)に敗れ、4分17秒49で日本人2番手の4位。それでも、顧問の有川哲蔵先生は「気持ちのいいレースでしたね」と高く評価した。
さらに、19時にスタートした女子5000m競歩は、吉留美桜(3年)が22分56秒51で制覇。「カロラインと愛梨の走りに勇気をもらいました。先生の笑顔を見たくて、『がんばったね』と言ってもらいたくてここまでやってきましたので、今日は『チーム神村』としていい結果を残せてよかったです」と目を赤くした。
神村学園勢の優勝は、3000m競歩から5000m競歩に変更された2011年に大中原麻依が優勝して以来、11年ぶり。吉留は秋から日本一を目指して駅伝メンバーをサポートしていくという。
同じ日に2種目で優勝者が生まれ、「こんな経験は一生に一度ぐらいでしょう」と有川先生。そして、「記録を持っていても、実際に勝つのは難しいこと。駅伝でそれを経験してきた私たちは、とにかくここで勝つことにこだわってきました」と語った。
年末の全国高校駅伝では、25回目の出場となった2018年に初制覇した神村学園。都大路で勝つ難しさを経験している。速いだけでなく、強いチームとは何か。トラックレースの中で、その答えを見つけようとしている。
◇2日目の優勝者
【男子】
100m 関口裕太(東京学館新潟3新潟)10秒38(-0.6)
1500m 大野聖登(秋田工3秋田)3分44秒93
棒高跳 渡邉瑛斗(大塚3大阪)5m10
走幅跳 吉田正道(姫路商3兵庫)7m40(-0.4)
やり投 清野康介(山形市商3山形)64m93
八種競技 高橋 諒(桐朋2東京)5992点(追い風参考)
【女子】
100m 藏重みう(中京大中京3愛知)11秒85(-0.5)
1500m カリバ・カロライン(神村学園3鹿児島)4分08秒72
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