◇ホクレン・ディスタンスチャレンジ2022:20周年記念大会(6月22日・北海道深川市)
ホクレン・ディスタンスチャレンジ2022の「20周年記念大会」が北海道深川市で行われた。
男子1500mは日本記録(3分35秒42)を上回るオレゴン世界選手権の参加標準記録・3分35秒00がターゲットタイム。元800m日本記録保持者の横田真人(TWOLAPS TCコーチ)が700mまで、昨年の千歳大会で日本記録をアシストした安倍優紀 (東海大)が1100mまでペースメーカーを務めた。
レースは、入りの400mをほぼ設定通りの55秒9、800mを1分53秒96と、ターゲットタイムを射程圏内に入れ、縦長の隊列で進んだ。ラスト1周(1100m)は2分38秒と、日本記録達成時とほぼ同じタイムで通過した。
ラスト1周の鐘が鳴って、満を持して先頭に立ったのが、荒井七海(Honda)だった。
「日本選手権はあまり順位が良くなかった(6位)のですが、4月、5月、6月と良い波を持ってこられていました」
日本選手権の前にも標高1750mの湯の丸高原(長野県東御市)で高地トレーニングを行なっていたが、日本選手権の翌日から同地に移動し、このレースに向けて前々日まで調整してきた。
「良いトレーニングができていて、調子が良いことは間違いなかった。国内で3分35秒を出すのは難しいですが、自己ベストは絶対にいけるなと思っていました」と自信を持ってレースに臨んでいた。
荒井は、それまで2、3番手で勝機を伺っていたが、ラスト1周でトップに立つと、食い下がる森田佳祐(SUBARU)らを突き放した。
記録との勝負の行方は、参加標準記録にはわずかに届かず、3分36秒62でフィニッシュ。「ターゲットに及ばず、中距離のチームとしては情けない」とレースを振り返った。
それでも、昨年マークした当時の日本記録(3分37秒05)を上回る自己ベストに、手応えを口にした。
「世界選手権の標準記録をターゲットにしつつも、まず自己ベストは確実に行きたいと思っていたので、そこをクリアできたことは最低限よかったかなと思います」と自己ベストを出したことは素直に喜んだ。
昨年までの2年間はアメリカの強豪クラブ・バウワーマン・トラッククラブでトレーニングを積んできた。
「アメリカのコーチからは『3年かかる』と言われていて、3年目の今年、その成果が少しずつ出てきたなっていう実感があります」
オレゴン世界選手権への出場は叶わなかったものの、荒井にとっては、着実な成長を実感できたレースになった。
文・写真/和田悟志
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