
速い選手とそうでない選手は何が違うのだろうか。筋力、体格、ピッチの速さ、ストライドの長さなど考えられる要因はいくつもあるが、大きな違いを挙げるとすれば「フォーム」ではないだろうか。
もちろん、誰しもが同じフォームで走れるわけではないが、今より効率の良い動きができればさらにタイムを縮められる可能性は高いだろう。そこで、ランニングフォームの研究を長年続けている田邉潤先生(早大本庄高・埼玉)に、自ら開発・監修したニシ・スポーツの『ランニングマスターⅡ』を使ってフォームを改良するトレーニングを紹介していただいた。

田邊 潤
埼玉・早稲田大学本庄高等学院教諭
1957年12月14日生まれ
神奈川・鎌倉高校→早稲田大学→筑波大学大学院
現役時代は走高跳が専門で、自己ベストは2m11。早大時代に1978 年日本インカレ7位、79年関東インカレ3位などの成績を残す。現在は陸上競技部顧問として多くの選手を北関東大会、全国大会に導いている。
速い選手の共通点とは
速い選手の走る姿は美しい。ランニングフォームには「個性が出る」とよく言われるが、それでもトップアスリートのフォームが洗練されているのは誰が見ても明らかだろう。
つまり、速い選手のフォームには共通する“何か”がある。そこで役に立つのがニシ・スポーツが販売している『ランニングマスターⅡ』。速い選手のフォームを疑似体験し、そこに近づくためのアイテムだ。
考案者である田邉潤先生(早大本庄高・埼玉)は「残存効果」というキーワードとともにランニングマスターⅡの使い方を教えてくれた。
「ランニングマスターⅡは筋力を高めるというよりも、速く走る技術を短期間で向上させるものです。踵と腰をゴムで結び、良い動きを体感することで、装着後はスピードが出る走りが身につくようになっています」
速い選手のフォームは、地面を蹴った後に脚が流れることなく素早く膝がたたまれるという特徴がある(写真1、2参照)。これが脚の「引き付け」で、ランニングマスターⅡではゴムチューブが縮むことで通常よりも楽に引き付け動作ができる。
脚の引き付け動作が改善

また、次の1歩を踏み込む際にはゴムが伸びるため、脚を地面に力強く下ろす感覚を意識しやすい。腿上げ(ももあげ)などでそういった感覚を身につけてからランニングマスターⅡを外して走ると、装着時の感覚が「残存効果」として残り、より理想的な動きがしやすくなるのだ。
「初心者だけでなく、上級者でもランニングフォームを考える上で役に立つと思います。もちろん、陸上競技以外のスポーツをしている人にも効果的です」(田邊先生)
繰り返すことで定着する
ランニングマスターⅡでは効率の良い脚の動かし方を覚えることで、ピッチとストライド両方の改善が期待できる。具体的には引き付け動作の改善でピッチが速くなり、接地が力強くなることでストライドが伸びるという仕組みだ。また、肩ベルトがあることで理想的なフォームを意識しやすいというメリットもある。
「通常であればミニハードルなどで時間をかけて習得する動きを、その場ですぐに体感できるのがランニングマスターⅡの良い点です。特に、外した直後は感覚の違いがわかりやすいと思います。踵がしっかり上下方向に動くようになって、直線的な引き付けができるようになります。接地時間も短くなります」
では、ランニングマスターⅡは普段の練習にはどのように取り入れていくべきだろうか。
「練習の最初に、動きづくりとして導入するのが良いと思います。あまり日数を空けるのではなく、毎日繰り返すことで理想的なフォームが身についていきます」
陸上競技の原点であるランニング技術を磨くには、良い動きの感覚を身体に覚え込ませることが肝心。ランニングマスターⅡの「残存効果」を活用し、速い選手の動きを自分のものにしていこう。
ランニングマスターⅡを使ったトレーニング
①腿上げ

『ランニングマスターⅡ』を装着しての腿上げ。1歩で30cmを目安に少しずつ進む。足が地面に接地したらすぐに離すイメージで、踵を上下に動かすようにする
②その場での腿上げ

『ランニングマスターⅡ』に牽引ベルトをつけてその場で腿上げをする。やや前傾し、踵を上下にまっすぐ動かすことを意識。補助者は座って引っ張る
③スタート~中間疾走(腿上げ)

②と同様にベルトで引っ張ってもらいながらその場で腿上げをする。最初は前傾し、そこから身体を起こしていくことで短距離走のスタートから中間疾走までの動きをシミュレーションできる
④動きながらの腿上げ

牽引ベルトをつけて1歩30cmを目安に腿上げをしながらゆっくり進む(補助者は半歩ずつ)

『ランニングマスターⅡ』を使ったトレーニング前後のスプリントフォーム。脚が上下にロスなく動くようになり、ピッチとストライドが改善している
装着して腿上げをすることで
スピードを生み出す疾走フォームを習得
「ランニングマスターⅡ」

本体価格:¥7,700(税込)
品番:NT7712B
適応身長:145cm~185cm
商品構成:チェストベルト(ウエストサイズ50~95cm)、
チューブ×2本、アンクルストラップ×2個、牽引ベルト
サイズ:(チューブ)L55cm(牽引ベルト)L2.6m
重量:約660g
材質:(ベルト)ナイロン(チューブ)TPR
台湾製
※この記事は『月刊陸上競技』2021年12月号に掲載しています
<関連リンク>
ランニングマスターⅡ(公式オンラインショップ)
ニシスポーツ(公式サイト)
速い選手とそうでない選手は何が違うのだろうか。筋力、体格、ピッチの速さ、ストライドの長さなど考えられる要因はいくつもあるが、大きな違いを挙げるとすれば「フォーム」ではないだろうか。
もちろん、誰しもが同じフォームで走れるわけではないが、今より効率の良い動きができればさらにタイムを縮められる可能性は高いだろう。そこで、ランニングフォームの研究を長年続けている田邉潤先生(早大本庄高・埼玉)に、自ら開発・監修したニシ・スポーツの『ランニングマスターⅡ』を使ってフォームを改良するトレーニングを紹介していただいた。
田邊 潤
埼玉・早稲田大学本庄高等学院教諭
1957年12月14日生まれ
神奈川・鎌倉高校→早稲田大学→筑波大学大学院
現役時代は走高跳が専門で、自己ベストは2m11。早大時代に1978 年日本インカレ7位、79年関東インカレ3位などの成績を残す。現在は陸上競技部顧問として多くの選手を北関東大会、全国大会に導いている。
速い選手の共通点とは
速い選手の走る姿は美しい。ランニングフォームには「個性が出る」とよく言われるが、それでもトップアスリートのフォームが洗練されているのは誰が見ても明らかだろう。 つまり、速い選手のフォームには共通する“何か”がある。そこで役に立つのがニシ・スポーツが販売している『ランニングマスターⅡ』。速い選手のフォームを疑似体験し、そこに近づくためのアイテムだ。 考案者である田邉潤先生(早大本庄高・埼玉)は「残存効果」というキーワードとともにランニングマスターⅡの使い方を教えてくれた。 「ランニングマスターⅡは筋力を高めるというよりも、速く走る技術を短期間で向上させるものです。踵と腰をゴムで結び、良い動きを体感することで、装着後はスピードが出る走りが身につくようになっています」 速い選手のフォームは、地面を蹴った後に脚が流れることなく素早く膝がたたまれるという特徴がある(写真1、2参照)。これが脚の「引き付け」で、ランニングマスターⅡではゴムチューブが縮むことで通常よりも楽に引き付け動作ができる。脚の引き付け動作が改善
また、次の1歩を踏み込む際にはゴムが伸びるため、脚を地面に力強く下ろす感覚を意識しやすい。腿上げ(ももあげ)などでそういった感覚を身につけてからランニングマスターⅡを外して走ると、装着時の感覚が「残存効果」として残り、より理想的な動きがしやすくなるのだ。
「初心者だけでなく、上級者でもランニングフォームを考える上で役に立つと思います。もちろん、陸上競技以外のスポーツをしている人にも効果的です」(田邊先生)
繰り返すことで定着する
ランニングマスターⅡでは効率の良い脚の動かし方を覚えることで、ピッチとストライド両方の改善が期待できる。具体的には引き付け動作の改善でピッチが速くなり、接地が力強くなることでストライドが伸びるという仕組みだ。また、肩ベルトがあることで理想的なフォームを意識しやすいというメリットもある。 「通常であればミニハードルなどで時間をかけて習得する動きを、その場ですぐに体感できるのがランニングマスターⅡの良い点です。特に、外した直後は感覚の違いがわかりやすいと思います。踵がしっかり上下方向に動くようになって、直線的な引き付けができるようになります。接地時間も短くなります」 では、ランニングマスターⅡは普段の練習にはどのように取り入れていくべきだろうか。 「練習の最初に、動きづくりとして導入するのが良いと思います。あまり日数を空けるのではなく、毎日繰り返すことで理想的なフォームが身についていきます」 陸上競技の原点であるランニング技術を磨くには、良い動きの感覚を身体に覚え込ませることが肝心。ランニングマスターⅡの「残存効果」を活用し、速い選手の動きを自分のものにしていこう。ランニングマスターⅡを使ったトレーニング
①腿上げ
『ランニングマスターⅡ』を装着しての腿上げ。1歩で30cmを目安に少しずつ進む。足が地面に接地したらすぐに離すイメージで、踵を上下に動かすようにする
②その場での腿上げ
『ランニングマスターⅡ』に牽引ベルトをつけてその場で腿上げをする。やや前傾し、踵を上下にまっすぐ動かすことを意識。補助者は座って引っ張る
③スタート~中間疾走(腿上げ)
②と同様にベルトで引っ張ってもらいながらその場で腿上げをする。最初は前傾し、そこから身体を起こしていくことで短距離走のスタートから中間疾走までの動きをシミュレーションできる
④動きながらの腿上げ
牽引ベルトをつけて1歩30cmを目安に腿上げをしながらゆっくり進む(補助者は半歩ずつ)
『ランニングマスターⅡ』を使ったトレーニング前後のスプリントフォーム。脚が上下にロスなく動くようになり、ピッチとストライドが改善している
装着して腿上げをすることで スピードを生み出す疾走フォームを習得 「ランニングマスターⅡ」
本体価格:¥7,700(税込)
品番:NT7712B
適応身長:145cm~185cm
商品構成:チェストベルト(ウエストサイズ50~95cm)、
チューブ×2本、アンクルストラップ×2個、牽引ベルト
サイズ:(チューブ)L55cm(牽引ベルト)L2.6m
重量:約660g
材質:(ベルト)ナイロン(チューブ)TPR
台湾製
※この記事は『月刊陸上競技』2021年12月号に掲載しています
<関連リンク>
ランニングマスターⅡ(公式オンラインショップ)
ニシスポーツ(公式サイト)
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2026.08.23
100mH中島ひとみ シレジアで12秒91 急遽出場で初DLの雰囲気を経験
2026.08.23
走幅跳・松村春汰が7m41「想定外」の中学新!「これからも自分のペースで」/山口全中
-
2026.08.23
-
2026.08.22
-
2026.08.22
2026.08.19
応援セレモニーでは選手インタビューや合唱披露! 陸上を含む選手団549人が気持ち高める
-
2026.08.19
-
2026.08.21
-
2026.08.17
-
2026.08.05
-
2026.08.09
Latest articles 最新の記事
2026.08.24
3000m障害 三浦龍司が自己9番目の8分11秒84も転倒 三浦、村竹ともファイナルへ/DLシレジア
世界最高峰シリーズのダイヤモンドリーグ(DL)第13戦・シレジア大会(ポーランド)が8月23日に行われた。 男子3000m障害には日本記録保持者の三浦龍司(SUBARU)が出場した。序盤はいつものように後方からレースを進 […]
2026.08.23
100mH中島ひとみ シレジアで12秒91 急遽出場で初DLの雰囲気を経験
世界最高峰シリーズのダイヤモンドリーグ(DL)第13戦・シレジア大会(ポーランド)が8月23日に行われ、ノンDL種目の女子100mハードルに日本記録保持者の中島ひとみ(長谷川体育施設)が出場。12秒91(+0.5)の7位 […]
2026.08.23
走幅跳・松村春汰が7m41「想定外」の中学新!「これからも自分のペースで」/山口全中
◇第53回全日本中学校選手権(8月20日~23日/山口・維新みらいふスタジアム)4日目 中学日本一を懸けた山口全中の4日目が行われ、男子走幅跳は松村春汰(小樽朝里3北海道)が7m41(±0)の中学新で優勝した。 広告の下 […]
2026.08.23
110mH櫻井楽都が衝撃中学新の13秒26!!「まだ修正できる」森とのライバル対決制す/山口全中
◇第53回全日本中学校選手権(8月20日~23日/山口・維新みらいふスタジアム)4日目 中学日本一を懸けた山口全中の4日目が行われ、男子110mハードルは櫻井楽都(KINGDOM AC3三重)が13秒26(+0.9)の中 […]
2026.08.23
角舘結翔が男子400m王者に!「たくさんの人に支えられてここまで来られた」/山口全中
◇第53回全日本中学校選手権(8月20日~23日/山口・維新みらいふスタジアム)3日目 中学日本一を懸けた山口全中の3日目が行われ、男子400mは角舘結翔(塚越3神奈川)が49秒57で優勝を果たした。 広告の下にコンテン […]
Latest Issue
最新号
2026年9月号 (8月17日発売)
滋賀IH総特集
山口全中展望
アジア大会代表Close up