2026.02.02
12月に入ってから再三のトラブル
その2週間後の上尾シティハーフマラソンでも快走する。15kmまではペース走として一定のペースを刻み、最後はペースアップして1時間2分31秒の自己ベストをマークした。
「去年も同じ設定でしたが、できなかったんです。でも、今年は楽に行けました。力が付いているのを感じました。去年は箱根までの流れがあまり良くなかったので、自信がなかったので(中大・吉居駿恭の飛び出しに)ついていけませんでした。今年はここ最近で上がってきていますし、ついていって勝負できる自信があります」
3年時も箱根で1区4位で走っているが、1年前よりも明らかに調子が良いと感じていた。どんな展開にも対応できる準備はできており、飛び出す選手がいても区間賞争いをする自信があった。
ところが12月に入って、再三のトラブルに見舞われる。12月頭には虫垂炎に。投薬と点滴で対処し入院せずに済んだが、要手術の状況だったら最後の箱根は走れずに終わっていただろう。
一難去ってまた一難。今度は12月中旬に左アキレス腱を痛めてしまった。なんとか急ピッチで仕上げたものの、万全な状態ではなく、箱根に出場できるかどうか微妙な状況だった。12月29日の区間エントリーでは、間瀬田は補員に登録された。
「多田(真、1年)も非常に練習ができていたのでかなり迷ったのですが、間瀬田も調子を戻してきていました。競る展開になった時には、そういう展開を得意としている間瀬田の経験が生きると思いました」と、花田勝彦駅伝監督は当日変更で7区に間瀬田を起用した。
「これまで1区しか走ってこなかったので、コースも全然分からなかったですし、下見もできなかったので、YouTubeに上がっている動画でコースを見ただけでした」と振り返る。
「どの区間でもいける準備はしています」と話していたとはいえ、間瀬田にとっても最後の箱根は意外な形で迎えることになった。ただ、総合優勝をするために重要な区間であることに変わりはなかった。
早大は往路を2位で終え、6区の山﨑一吹も2位をキープして間瀬田につないだ。先頭の青学大には1分30秒以上の差があり、後方からは中大に迫られていた。結果は区間12位。順位を2つ落としてしまった。チームはその後も浮上できず、結局、総合4位でレースを終えた。
痛みを抱えながらも、状態が悪いなりにまとめたと見ることもできるが、自身にとってはもちろん満足のいく走りとは言えなかった。それでも、ラストランには万感の思いがあった。
「早稲田を背負って走るのも箱根が最後だったので、走りは良くなかったですけど、4年間箱根を走れて幸せだったなと思います」
左上腕には『I love 早稲田』の文字。これが“早稲田の間瀬田”の集大成のレースになった。

早大を背負っての走りに万感のラストランとなった間瀬田
間瀬田純平(ませだ・じゅんぺい:早大)/2004年2月17日生まれ。福岡県春日市出身。佐賀・鳥栖工高卒。自己ベストは5000m13分55秒61、10000m29分13秒46、ハーフ1時間2分31秒。
文/和田悟志
最終学年で迎えた箱根駅伝は7区での出走となった早大・間瀬田純平[/caption]
第102回箱根駅伝で力走した選手たちがいる。優勝を手にしたり、区間賞に輝いたりした選手以外にもそれぞれの思いを胸に、タスキをつないだ。最終学年として迎えた選手たちの“最後”の奮闘を紹介する。
慣れ親しんだ“持ち場”
早大のスターターと言えばこの男をおいて他にはいないと言い切れるほど、駅伝で1区は間瀬田純平(4年)の“持ち場”だった。 全日本大学駅伝では4年連続、箱根駅伝でも前回まで3年連続で1区を担い、スローな展開でもハイペースでもその役割をこなしてきた。 「優勝のゴールテープを切りたいので、10区を1回走ってみたいですね。1区の逆なので、ある程度コースのイメージは持ちやすいですし」。昨年11月下旬のインタビュー時にはこんなことも口にしていたが、この時点では当然1区の最有力候補だった。本人ももちろんそのつもりだっただろう。 「1区かどうか分かりませんけど」と前置きした上で、「4年生で最後の箱根駅伝になるので、自分としてはやっぱり1区で区間賞を目指して走りたいです。自分がしっかりチームの流れを作って、総合優勝に貢献できるように頑張りたいと思っています」と意気込みを口にしていた。 この時は、最後の箱根駅伝の出番が、慣れ親しんだ1区ではなく7区になるとは思いもしなかっただろう。 佐賀・鳥栖工高時代からマルチな活躍を見せてきた。3年時にはインターハイで1500m3位になり、5000mでは13分台を複数回マーク。全国高校駅伝では1区10kmを29分10秒で走り区間7位と好走した。 大学に入ってからもU20世界選手権で日の丸を着け、U20アジア選手権では1500mで金メダルに輝いている。駅伝でも、箱根駅伝の20km超に対応するのは「大変だった」と振り返りつつも、1年時から臙脂の主力を担ってきた。それほどの実績がありながらも、卒業後は東京消防庁に進み、競技は大学で区切りを付けることを決めた。 「陸上競技をやってきて、一番の夢というか目標が箱根駅伝だったので、そこに4年間、チャレンジできたので悔いはないです」。こうきっぱりと言い切る。 しかし、大学ラストイヤーは厳しい出発となった。 今季は副将の肩書きも増え、最後の箱根駅伝に向けてさらなる強化を図るはずだった。だが、シーズンインを前に左足のアキレス腱を痛めてしまい、3〜5月は走れない状況が続く。 5月中旬にようやく復帰したものの、なかなか調子は上がらず、「トラックシーズンは苦しい時期でした」と振り返る。それでも、走れなかった期間に左右のバランスを見直すと、夏合宿ではしっかりと練習を積むことができ、秋にはグッと調子を上げてきた。 出雲駅伝は出番がなかったものの、全日本大学駅伝では4回目の1区で円熟味ある走りを見せた。「全日本はちょうど調子が上がり始めたぐらいの時期で、どのくらい走れるのかを確認しながらでしたが、比較的冷静に自分の状態を見ながら、ペースの変化にも対応できました」と話す。 区間2位ながら、最後は見事な追い上げを見せて、区間賞の中村晃斗(志學館大)とほぼ同時にタスキリレーをした。 「あと少しで区間賞を逃したのは2年前と同じだったので悔しさはあったんですけど、今年に入ってやっとしっかり走れたのでほっとしました。一安心です」。今シーズンに入って、ようやく納得のいくレースができた。12月に入ってから再三のトラブル
その2週間後の上尾シティハーフマラソンでも快走する。15kmまではペース走として一定のペースを刻み、最後はペースアップして1時間2分31秒の自己ベストをマークした。 「去年も同じ設定でしたが、できなかったんです。でも、今年は楽に行けました。力が付いているのを感じました。去年は箱根までの流れがあまり良くなかったので、自信がなかったので(中大・吉居駿恭の飛び出しに)ついていけませんでした。今年はここ最近で上がってきていますし、ついていって勝負できる自信があります」 3年時も箱根で1区4位で走っているが、1年前よりも明らかに調子が良いと感じていた。どんな展開にも対応できる準備はできており、飛び出す選手がいても区間賞争いをする自信があった。 ところが12月に入って、再三のトラブルに見舞われる。12月頭には虫垂炎に。投薬と点滴で対処し入院せずに済んだが、要手術の状況だったら最後の箱根は走れずに終わっていただろう。 一難去ってまた一難。今度は12月中旬に左アキレス腱を痛めてしまった。なんとか急ピッチで仕上げたものの、万全な状態ではなく、箱根に出場できるかどうか微妙な状況だった。12月29日の区間エントリーでは、間瀬田は補員に登録された。 「多田(真、1年)も非常に練習ができていたのでかなり迷ったのですが、間瀬田も調子を戻してきていました。競る展開になった時には、そういう展開を得意としている間瀬田の経験が生きると思いました」と、花田勝彦駅伝監督は当日変更で7区に間瀬田を起用した。 「これまで1区しか走ってこなかったので、コースも全然分からなかったですし、下見もできなかったので、YouTubeに上がっている動画でコースを見ただけでした」と振り返る。 「どの区間でもいける準備はしています」と話していたとはいえ、間瀬田にとっても最後の箱根は意外な形で迎えることになった。ただ、総合優勝をするために重要な区間であることに変わりはなかった。 早大は往路を2位で終え、6区の山﨑一吹も2位をキープして間瀬田につないだ。先頭の青学大には1分30秒以上の差があり、後方からは中大に迫られていた。結果は区間12位。順位を2つ落としてしまった。チームはその後も浮上できず、結局、総合4位でレースを終えた。 痛みを抱えながらも、状態が悪いなりにまとめたと見ることもできるが、自身にとってはもちろん満足のいく走りとは言えなかった。それでも、ラストランには万感の思いがあった。 「早稲田を背負って走るのも箱根が最後だったので、走りは良くなかったですけど、4年間箱根を走れて幸せだったなと思います」 左上腕には『I love 早稲田』の文字。これが“早稲田の間瀬田”の集大成のレースになった。 [caption id="attachment_127554" align="alignnone" width="800"]
早大を背負っての走りに万感のラストランとなった間瀬田[/caption]
間瀬田純平(ませだ・じゅんぺい:早大)/2004年2月17日生まれ。福岡県春日市出身。佐賀・鳥栖工高卒。自己ベストは5000m13分55秒61、10000m29分13秒46、ハーフ1時間2分31秒。
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