2025.12.20
高校時代から双子の弟と頭角表す
年明け早々の丸亀ハーフでは1時間2分04秒まで記録を縮めて好発進。しかしその後、肉離れなど小さな故障が重なり、思うようにレースへ出場できない時期が続く。総合4位で本大会出場を決めた全日本大学駅伝選考会も、走ることができなかった。
それでも長期離脱には至らず、トレーニングは継続。夏合宿も高い消化率で乗り切った。迎えた箱根駅伝予選会では、同学年のシャドラック・キップケメイ、主将の中澤星音(4年)に次ぐチーム3番手でフィニッシュし、確かな存在感を示した。
小学生時代はサッカーに取り組んでいた。箱根路へのあこがれを抱いたのは、本格的に陸上に取り組み始めた栃木・足利二中時代。学生トップ選手たちがしのぎを削り、走り、争う姿に心打たれた。
「自分も箱根で走りたい」
明確な目標を持つと、双子の弟・聡太とともに徐々に頭角を現していく。高校は県内の名門・佐野日大へ進学。学年が上がるごとに着実に記録を伸ばし、3年時には全国高校駅伝で1区を任されるまでに成長した。
双子ランナーとして注目を集め、聡太とともに日大へ。山口の負けず嫌いは、弟に対しても顔をのぞかせる。「弟は同じチームの仲間であり家族ですけど、同時に絶対に負けたくないライバルでもあります」
今年の全日本では、1区と2区で兄弟リレーが実現。うれしさもあったが、自分の走りには不満が残る。「レース展開を自分でコントロールできませんでした。最低限の仕事はできたと思いますが、ラストスパートの切り替えに課題が残ります」と反省を口にした。
記録よりも他校との勝負でいかに打ち克つかがポイントとなる1区。自分の力を発揮できなかったことが悔しかった。だから、箱根本戦では「隣で走る選手には、絶対に負けないように走りたいです」と強く宣言する。
「本戦では、後半の粘り強さが生きる往路区間で走りたいですね。体調管理なども含めて、当たり前のことを徹底して、身体の面もメンタル面も万全の状態で本戦を迎えたいです」
他校との勝負に強くこだわった、闘争心あふれる山口の2度目の箱根が始まる。

予選会ではチーム3番手と力走した山口彰太
1年目はケガや長期離脱
「こうすれば良かった、という後悔が一切ない走りができれば“勝ち”だと思うんです。駅伝はチーム競技ですけど、陸上は個人種目。やるからには負けたくないし、勝ったら気持ちが良い。勝てる走りができれば、自然とチームへ貢献もできると思います」 少し笑みを浮かべながらも、言葉ははっきりとしている。「負けたくない」という強い思いが、日大の山口彰太(3年)からにじみ出ていた。 新雅弘駅伝監督が就任してからの“1期生”でもある山口は、まずはそのトレーニング量の多さに驚いた。レースの距離も高校までは5000mが主軸だが、トラックでは10000m、ロードはハーフが当たり前。自然と走る距離も長くなる。日大に入学した当初は、結果を求める以前に、練習量とレース距離に対応できる身体づくりからのスタートだった。 「特に1年目は、練習についていけなかったり、左膝をケガしては治り、また痛めるということを繰り返して長期離脱したりと、本当に大変でした」と話す。 一つ壁を越えたきっかけは、2024年3月の日本学生ハーフだった。膝のケガを繰り返し、走れなかった時期を乗り越えてようやく出場できた大学でのレース。初めてのハーフで記録は1時間5分33秒。チーム内9番手という結果を残した。 「復帰明けのレースで、自分でも納得できる走りができました。成長とケガからの回復を実感できて、本当にうれしかったです。次につながるレースだと感じられました」と実感を込めて語る。 その年の夏合宿あたりから、徐々に新監督のトレーニングにも対応できるようになっていく。日々の取り組む姿勢や、その成果を冷静に見極めて箱根駅伝メンバーを選考する新監督。負けん気の強さを前面に押し出し、常に前で走る姿勢を示し続けたことが評価され、山口は前回大会の本戦メンバー入りを果たした。 しかし本戦当日、チームは体調不良者が続出。準備や想定も十分とは言えない厳しい状況の中で、10区を任される。緊張と興奮のなか迎えた本番。9区を走る先輩の小路翔琉(現・4年)から受け取るはずだった桜色のタスキは届かず、汗の染み込んでいないタスキで走ることになった。 悔しさだけが残った。もう一度、箱根という大舞台で、自校のタスキをかけ、自分の走りをしたい。その思いを胸に、今シーズンが始まった。高校時代から双子の弟と頭角表す
年明け早々の丸亀ハーフでは1時間2分04秒まで記録を縮めて好発進。しかしその後、肉離れなど小さな故障が重なり、思うようにレースへ出場できない時期が続く。総合4位で本大会出場を決めた全日本大学駅伝選考会も、走ることができなかった。 それでも長期離脱には至らず、トレーニングは継続。夏合宿も高い消化率で乗り切った。迎えた箱根駅伝予選会では、同学年のシャドラック・キップケメイ、主将の中澤星音(4年)に次ぐチーム3番手でフィニッシュし、確かな存在感を示した。 小学生時代はサッカーに取り組んでいた。箱根路へのあこがれを抱いたのは、本格的に陸上に取り組み始めた栃木・足利二中時代。学生トップ選手たちがしのぎを削り、走り、争う姿に心打たれた。 「自分も箱根で走りたい」 明確な目標を持つと、双子の弟・聡太とともに徐々に頭角を現していく。高校は県内の名門・佐野日大へ進学。学年が上がるごとに着実に記録を伸ばし、3年時には全国高校駅伝で1区を任されるまでに成長した。 双子ランナーとして注目を集め、聡太とともに日大へ。山口の負けず嫌いは、弟に対しても顔をのぞかせる。「弟は同じチームの仲間であり家族ですけど、同時に絶対に負けたくないライバルでもあります」 今年の全日本では、1区と2区で兄弟リレーが実現。うれしさもあったが、自分の走りには不満が残る。「レース展開を自分でコントロールできませんでした。最低限の仕事はできたと思いますが、ラストスパートの切り替えに課題が残ります」と反省を口にした。 記録よりも他校との勝負でいかに打ち克つかがポイントとなる1区。自分の力を発揮できなかったことが悔しかった。だから、箱根本戦では「隣で走る選手には、絶対に負けないように走りたいです」と強く宣言する。 「本戦では、後半の粘り強さが生きる往路区間で走りたいですね。体調管理なども含めて、当たり前のことを徹底して、身体の面もメンタル面も万全の状態で本戦を迎えたいです」 他校との勝負に強くこだわった、闘争心あふれる山口の2度目の箱根が始まる。 [caption id="attachment_193755" align="alignnone" width="800"]
予選会ではチーム3番手と力走した山口彰太[/caption]
文/田坂友暁 RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2026.03.22
住友電工・村本一樹が兵庫実業団選手権で現役引退 兵庫県立大などで長距離を中心に活躍
2026.03.22
宮崎県記録会にトップ選手が多数! 山縣亮太、飯塚翔太、井戸アビゲイル風果らが出場
-
2026.03.21
-
2026.03.21
-
2026.03.21
-
2026.03.21
-
2026.03.21
2026.03.16
GMO・吉田圭太と100mHの安達楓恋が結婚!「これからも二人で」青学大の先輩後輩
2026.03.16
ニューイヤー駅伝 27年からインターナショナル区間を選択制に! アンカー7区は距離延長
-
2026.03.15
-
2026.03.16
-
2026.03.15
-
2026.02.27
-
2026.03.16
-
2026.03.07
-
2026.03.01
Latest articles 最新の記事
2026.03.22
住友電工・村本一樹が兵庫実業団選手権で現役引退 兵庫県立大などで長距離を中心に活躍
男子長距離の村本一樹(住友電工)が3月21日、同日に兵庫・尼崎市ベイコム陸上競技場で行われた兵庫実業団選手権をもって現役を引退すると自身のSNSで発表した。 村本は兵庫県出身。兵庫・星陵高を経て、兵庫県大に進み、日本イン […]
2026.03.22
走高跳・真野友博は2m26で5位 60mH・野本周成は日本新で6位 800mクレイ・アーロンは決勝進出/世界室内
◇トルン世界室内選手権(3月20~22日/ポーランド・トルン)2日目 第21回世界室内選手権がポーランド・トルンで行われ、日本代表は6人が出場した。 広告の下にコンテンツが続きます 男子走高跳の真野友博(クラフティア)が […]
2026.03.22
宮崎県記録会にトップ選手が多数! 山縣亮太、飯塚翔太、井戸アビゲイル風果らが出場
2025年度第3回宮崎県記録会は3月20、21日の両日、宮崎・霧島酒造スポーツランド都城 KUROKIRI STADIUMで行われ、国内トップ選手が多数出場した。 東京世界選手権女子200m代表の井戸アビゲイル風果(東邦 […]
2026.03.21
東京世界陸上男子20km競歩7位の吉川絢斗がサンベルクスを退社 「自分の可能性に挑戦していきたい」
吉川絢斗のコメント全文をチェック! この投稿をInstagramで見る 吉川絢斗/ Kento Yoshikawa(@y_kent_y)がシェアした投稿
Latest Issue
最新号
2026年4月号 (3月13日発売)
別冊付録 記録年鑑 2025
東京マラソン、大阪マラソン、名古屋ウィメンズマラソン