2025.12.19
上位うかがう神村学園、立命館宇治、東大阪大敬愛
前々回優勝の神村学園(鹿児島)も戦力を整え、上位戦線に絡む可能性がある。2年前の優勝メンバーだった瀬戸口凜(3年)や、野口紗喜音(3年)に加え、瀬戸口の妹・恋空や留学生のムリティー・マーシーらルーキーが先輩に迫る力をつけている。
また、前回4位の立命館宇治(京都)はエースの芦田和佳(3年)が牽引。3000mでインターハイで日本人最上位の3位、国スポ少年Aは優勝している。
2023年の初出場以来、3年連続で近畿地区代表として出場する東大阪大敬愛は前回6位に入った。2区で区間賞に輝いた久保に加え、長谷川莉都、結都(いずれも2年)の双子姉妹の走りがポイントとなるだろう。前回メンバーが全員残っているのは須磨学園(兵庫)、国スポ少年A3000m3位のエースの池野絵莉(3年)で上位につけられるか。
関東勢では埼玉栄(埼玉)が1時間8分28秒。エース・福山若奈(3年)の走りが注目点となるだろう。関東大会を1時間8分53秒で制した白鵬女(神奈川)はアカイ・メアリー(2年)や沼田実菜(3年)で上位に引き上げられるか。
中国勢で前回8位の銀河学院(広島)や岡山県大会で1時間9分台をマークした倉敷に注目。銀河学院は岩村莉奈(2年)、東心絆(1年)が、倉敷は南條愛歩(3年)やインターハイ1500m・3000m2冠のジャネット・ジェプコエチ(3年)の快走が欠かせない。
また、3年連続7位の筑紫女学園(福岡)は前回5区区間4位の佐々木玲奈(3年)ら経験者が4人残り、さらなる上位進出をうかがう。
このほかにも札幌山の手(北海道)、青森山田(青森)、学法石川(福島)、西京(山口)も入賞ラインで争う可能性がある。
エースが集う1区に注目
前回は優勝タイムが1時間7分27秒で、3位が1時間8分05秒、8位が1時間9分19秒だった。今回も優勝タイムは1時間7分中盤が予想される。
ただ、今年度の予選会を踏まえれば、天候次第で例年よりも速い展開も想定される。
その流れを作る最長区間の1区(6km)は各校のエースが集う。有力選手は長野東や仙台育英、薫英女学院などここまでに挙げたランナーだけではない。
11月下旬に5000mで15分27秒79(高校歴代4位)、12月上旬に10000mで32分38秒74(高校歴代2位)を出した札幌創成(北海道地区)吉田彩心(3年)や、東北(東北/宮城)の男乕結衣(2年)、1区で2度、19分ひとケタで駆け抜けた茨城キリスト(茨城)・木村真桜(3年)もいる。
前回はスローペースになり中間点は9分42秒。先頭集団の実力者は大崩れすることなく進んだところ、長野東・真柴が中継所手前で飛び出し、長野東の独走劇が始まった。今回はどういった展開となるか。
また、前回から留学生が3km区間(3区と4区)限定となり、3区の区間記録が更新された。今回も区間新記録が生まれるか。
レースは10時20分スタート。試合の模様は、テレビがNHK総合、ラジオはNHK第一で生中継される。
“連覇”or“奪還”
優勝争いは前回覇者で、2年連続3回目の高校駅伝女王を目指す長野東(長野)が軸となり、4年ぶりの頂点を狙う仙台育英(宮城)と、9年ぶり覇権を目指す薫英女学院(大阪)が追いかける展開となりそうだ。 長野東は前回の優勝メンバーのうち、1区区間賞の真柴愛里(3年)、2区の川上南海(2年)、4区の今井玲那(2年)、アンカーの田畑陽菜(3年)の4人が残った。 エースの真柴は5月に5000mで15分30秒85(高校歴代7位)を出したあと、故障や体調不良で調子を落としていたが、秋の駅伝シーズンに間に合わせている。 それ以上の成長を見せているのが川上だ。3000mでチームトップの9分04秒22を持ち、インターハイ6位、国民スポーツ大会(国スポ)少年Aでは2位に入った。 この2人に今井や田畑の経験者も安定感もある。残り1区間も3000m9分20秒台の選手が複数おり、充実の布陣が組めそう。 予選会のタイムは3番目、3000mで上位5人の平均タイムは4番目だが、前回も予選会と平均タイムともに5番目で優勝を果たしている。今回も高いピーキングでレースを迎えれば、チーム初の2連覇が大きく近づく。 仙台育英は予選会でのタイム(1時間6分52秒)、3000mの平均タイム(9分11秒)ともにトップ。特に下級生の存在感が強い。 長森結愛(1年)は県大会1区を18分50秒で走破。さらに11月中旬には3000mで高1歴代2位の9分04秒77をマークしている。そのレースで、黒川志帆(1年)が9分13秒41、県大会は出走していなかった大石蒼依(1年)も9分14秒29の自己記録を叩き出した。 さらに留学生のミリアム・ジェリ(2年)も9分05秒41の記録を持ち、トラックのスピードでは長野東を上回る勢いだ。下級生主体の編成で先を見据えた布陣となりそうだが、勢いがうまく噛み合えば、2021年以来6度目の頂点も見えてくる。 薫英女学院も選手層が厚い。前哨戦となった10月のくらよし女子駅伝は2チーム編成してワン・ツーフィニッシュを果たした。 府大会で1時間7分13秒と府高校最高記録を樹立。1区・河村璃央(3年)が首位中継し、2区の村井和果(2年)で東大阪大敬愛(大阪)・久保凛(3年)を抑えて区間新記録で走った。 3000m9分ひとケタが1人、9分10秒台が3人、9分20秒台が4人。総合力で2016年以来3回目の栄冠をつかめるか。上位うかがう神村学園、立命館宇治、東大阪大敬愛
前々回優勝の神村学園(鹿児島)も戦力を整え、上位戦線に絡む可能性がある。2年前の優勝メンバーだった瀬戸口凜(3年)や、野口紗喜音(3年)に加え、瀬戸口の妹・恋空や留学生のムリティー・マーシーらルーキーが先輩に迫る力をつけている。 また、前回4位の立命館宇治(京都)はエースの芦田和佳(3年)が牽引。3000mでインターハイで日本人最上位の3位、国スポ少年Aは優勝している。 2023年の初出場以来、3年連続で近畿地区代表として出場する東大阪大敬愛は前回6位に入った。2区で区間賞に輝いた久保に加え、長谷川莉都、結都(いずれも2年)の双子姉妹の走りがポイントとなるだろう。前回メンバーが全員残っているのは須磨学園(兵庫)、国スポ少年A3000m3位のエースの池野絵莉(3年)で上位につけられるか。 関東勢では埼玉栄(埼玉)が1時間8分28秒。エース・福山若奈(3年)の走りが注目点となるだろう。関東大会を1時間8分53秒で制した白鵬女(神奈川)はアカイ・メアリー(2年)や沼田実菜(3年)で上位に引き上げられるか。 中国勢で前回8位の銀河学院(広島)や岡山県大会で1時間9分台をマークした倉敷に注目。銀河学院は岩村莉奈(2年)、東心絆(1年)が、倉敷は南條愛歩(3年)やインターハイ1500m・3000m2冠のジャネット・ジェプコエチ(3年)の快走が欠かせない。 また、3年連続7位の筑紫女学園(福岡)は前回5区区間4位の佐々木玲奈(3年)ら経験者が4人残り、さらなる上位進出をうかがう。 このほかにも札幌山の手(北海道)、青森山田(青森)、学法石川(福島)、西京(山口)も入賞ラインで争う可能性がある。エースが集う1区に注目
前回は優勝タイムが1時間7分27秒で、3位が1時間8分05秒、8位が1時間9分19秒だった。今回も優勝タイムは1時間7分中盤が予想される。 ただ、今年度の予選会を踏まえれば、天候次第で例年よりも速い展開も想定される。 その流れを作る最長区間の1区(6km)は各校のエースが集う。有力選手は長野東や仙台育英、薫英女学院などここまでに挙げたランナーだけではない。 11月下旬に5000mで15分27秒79(高校歴代4位)、12月上旬に10000mで32分38秒74(高校歴代2位)を出した札幌創成(北海道地区)吉田彩心(3年)や、東北(東北/宮城)の男乕結衣(2年)、1区で2度、19分ひとケタで駆け抜けた茨城キリスト(茨城)・木村真桜(3年)もいる。 前回はスローペースになり中間点は9分42秒。先頭集団の実力者は大崩れすることなく進んだところ、長野東・真柴が中継所手前で飛び出し、長野東の独走劇が始まった。今回はどういった展開となるか。 また、前回から留学生が3km区間(3区と4区)限定となり、3区の区間記録が更新された。今回も区間新記録が生まれるか。 レースは10時20分スタート。試合の模様は、テレビがNHK総合、ラジオはNHK第一で生中継される。女子の大会記録や区間記録をチェック
■全国高校駅伝(女子36回) 12月22日(日)/京都・たけびしスタジアム京都発着 ■女子(5区間21.0975km)→10時20分スタート 1区6km-2区4.0975km-3区3km-4区3km-5区5km ●高校最高記録&大会記録 1.06.26 埼玉栄(埼玉)/1996年全国 ●高校国内国際最高記録 1.06.04 神村学園(鹿児島)/2020年鹿児島県大会 [adinserter block="4"] ●区間記録 1区 18.52 新谷仁美(興譲館・岡山)05年 2区 12.15 T.ムッソーニ(世羅・広島)19年 2区日本人最高 12.35 小林祐梨子(須磨学園・兵庫)06年 3区 9.14 L.ドゥータ(青森山田・青森)25年 3区日本人最高 9.21 鷲見梓沙(豊川・愛知)12年 4区 8.59 田中梨沙(埼玉栄・埼玉)96年 5区 14.37 T.ムッソーニ(世羅・広島)20年 5区日本人最高 15.26 向井優香(世羅・広島)15年RECOMMENDED おすすめの記事
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