◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)4日目
東京世界陸上4日目のイブニングセッションが行われ、男子800m予選5組に出場した落合晃(駒大)は1分46秒78の7着で準決勝には進めなかった。
スタート前の選手紹介で名前がコールされると、大歓声が落合を包み込む。ふぅと大きく息を吐いた自身の顔が大型ビジョンに映ったのに気づき、思わず笑顔がこぼれた。
世界陸上デビュー戦だったが、「緊張は全然なかった」。スタートリストが発表され、同じ組にパリ五輪金メダルのエマニュエル・ワニョニイ(ケニア)がいると知った時は「やったー!という気持ちで、少しでも何か結果を残したい」という思いだった。開催国枠エントリーとして出場する立場だったこともあり、「当たって砕けろ」の精神で今大会を迎えていた。
「最初の200mは24秒で入って、ラストで差し切って(予選通過の)3番に入るぞというイメージも持っていました」と落合は話す。「少しでも先頭引っ張りたいという気持ちもありました」。しかし、世界の強豪相手に自分が思い描いたレースはできなかった。
「なかなか前に出ることができなくて、400mもそのまま行ってしまったところは反省点ですし、切り替えられなかったのも力不足を感じました。世界の選手たちと勝負という意味ではまったく勝負にならなかったです」
それでも落合は、世界陸上における日本人最高記録(1分47秒16)を更新。1分44秒80の日本記録保持者として、確かな足跡を残した。レース後には、貫録の1着通過を果たしたワニョニに自ら歩み寄り、「ありがとうございました」と伝えると、熱い抱擁で応えてくれた。それに何より、これほどの大歓声の中で走るレースは落合にとって初めての経験だった。
「東京開催ということもあって、すごくリラックスして入れましたし、トラックに出た時からワー!という歓声がすごくて、今まで感じたことない経験をさせてもらいました。この国立の舞台ですごい大声援を受けながら走ることがうれしかったですし、応援してくださった方々全員に感謝の気持ちでいっぱいです」
今大会で経験したレースはもちろん、この日を迎えるまでの過程は、これからの競技人生を考えても貴重な財産になる。「もっともっと力をつけて、レベルアップして、また世界の舞台で勝負できるようにがんばりたいです」。19歳の落合は最後まで爽やかだった。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.12.16
中央学大がTKK株式会社とスポンサー契約 同大卒業生が代表取締役
-
2025.12.16
-
2025.12.16
-
2025.12.16
-
2025.12.16
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝女子(2025年12月14日)
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝男子(2025年12月14日)
2025.12.14
中学駅伝日本一決定戦がいよいよ開催 女子11時10分、男子12時15分スタート/全中駅伝
-
2025.12.14
-
2025.12.14
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝女子(2025年12月14日)
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝男子(2025年12月14日)
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.12.16
中央学大がTKK株式会社とスポンサー契約 同大卒業生が代表取締役
中央学大駅伝部が「TKK株式会社」とスポンサー契約を結んだことを発表した。 同社は千葉県八千代市に本社を構え、主にプレキャストコンクリート鋼製型枠を取り扱うメーカー。中央学大卒業の安保誠司氏が代表取締役を務めており、「未 […]
2025.12.16
今年度限りでの「引退」を表明した村澤明伸インタビュー【前編】 大学3・4年時はトラックと駅伝の両立に挑戦したが「バランスを取るのが難しかった」
全国高校駅伝で日本一に輝き、箱根駅伝は花の2区で快走。日本選手権10000mでも上位に食い込んだのが、村澤明伸(SGホールディングス、34歳)だ。紆余曲折を経て、今年度限りでの「引退」を表明したが、どんな競技生活を過ごし […]
2025.12.16
赤﨑優花が自身の思いと感謝綴る 移籍は「前向きな決断」「この道を正解にします」
12月15日で第一生命グループを退社し、夫の赤﨑暁も所属するクラフティア(前・九電工)へ移籍加入した赤﨑優花(旧姓・鈴木)が自身のSNSを更新し、改めて思いを綴った。 昨年のパリ五輪女子マラソン6位入賞の赤﨑。「決して悲 […]
2025.12.16
お詫びと訂正(月刊陸上競技2026年1月号)
月刊陸上競技2026年1月号別冊付録「全国高校駅伝総展望」に掲載したデータに誤りがございました。 正しいデータの情報を掲載するとともに、関係者の皆様にお詫びをし、訂正いたします。 男子 今治北(愛媛) 誤 都大路学校最高 […]
Latest Issue
最新号
2026年1月号 (12月12日発売)
箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳