HOME 国内、大学

2025.02.02

青学大・若林宏樹が魂の2時間6分07秒!「陸上生活の有終の美飾れた」/別府大分毎日マラソン
青学大・若林宏樹が魂の2時間6分07秒!「陸上生活の有終の美飾れた」/別府大分毎日マラソン

25年別府大分毎日マラソンで日本人トップの2位に入った若林宏樹(青学大)

◇第73回別府大分毎日マラソン(2025年2月2日/大分・高崎山うみたまご前~ジェイリーススタジアム)

9月の東京世界選手権代表選考会を兼ねた別府大分毎日マラソンが行われ、若林宏樹(青学大)が日本歴代7位、学生新、初マラソン日本歴代最高となる2時間6分07秒で日本人トップの2位に入った。優勝はヴィンセント・キプチュンバ(ケニア)で2時間6分01秒だった。

両拳を握り、力強く左右に広げてフィニッシュすると、トラックに倒れ込んだ。中学から陸上を始めて10年間、やってきたすべてを込めた魂の熱走。「陸上生活の有終の美を飾れました」と笑顔があふれた。

広告の下にコンテンツが続きます

レースは序盤からペースメーカーが、設定通りの1km3分前後のペースで安定して牽引。中間点を1時間3分16秒で通過する。

若林は、同学年の初マラソン日本最高・学生記録の2時間6分18秒を持つ平林清澄(國學院大)の近く、集団半ばで落ち着いたレース運びを見せる。そこから徐々にポジションを上げ、ペースメーカーが離脱した30kmで先頭に立ったキプチュンバ、平林の背中にピタリとつけた。

32kmからは平林がレースを引っ張ってペースアップ。さらに35.5kmでキプチュンバが抜け出しにかかる。そのいずれにも落ち着いて対応し、キプチュンバとの一騎打ちに持ち込んだ。

相手は参加選手中トップの2時間4分28秒を持つ実力者。若林は首を左右に振りながら、必死に食らいつく。「苦しかった」と振り返るが、「ここで粘らないと10年間やってきた意味がない」と粘り抜く。沿道からは大声援が若林を後押しした。

「しんどかったし、初マラソンだったので長いなと思ったけど、沿道からの『本当にありがとう』という言葉に救われました」

すると、40km過ぎにはキプチュンバを振り切ろうとスパートをかけた。「ラストレースなので、ここで狙わないと10年間やってきた意味がない」。2度の仕掛け、キプチュンバを引き離そうとする。だが対応され、41kmで逆にリードを許した。それでも、最後の最後まで粘り抜いた。

和歌山県海南市出身。下津二中で陸上を始めると、京都・洛南高では3年時の全国高校駅伝1区3位と活躍した。

青学大では箱根駅伝の5区山上りが主戦場となる。1年、3年、4年と3度出走し、いずれも往路優勝のフィニッシュテープを切り、チームの総合優勝に貢献。今年は2位でタスキを受けると、1時間9分11秒の区間新記録と激走し、逆転劇を演じた。

大学卒業後は、一般企業への入社が内定。競技はこれが最後と決めている。東京世界選手権の参加標準記録(2時間6分30秒)も突破したが、次のステージを目指す意志は変わらない。

「山あり谷ありの陸上生活。最後まであきらめずにやることができました」

若林はそう語り、晴れやかな表情で胸を張った。

◇第73回別府大分毎日マラソン(2025年2月2日/大分・高崎山うみたまご前~ジェイリーススタジアム) 9月の東京世界選手権代表選考会を兼ねた別府大分毎日マラソンが行われ、若林宏樹(青学大)が日本歴代7位、学生新、初マラソン日本歴代最高となる2時間6分07秒で日本人トップの2位に入った。優勝はヴィンセント・キプチュンバ(ケニア)で2時間6分01秒だった。 両拳を握り、力強く左右に広げてフィニッシュすると、トラックに倒れ込んだ。中学から陸上を始めて10年間、やってきたすべてを込めた魂の熱走。「陸上生活の有終の美を飾れました」と笑顔があふれた。 レースは序盤からペースメーカーが、設定通りの1km3分前後のペースで安定して牽引。中間点を1時間3分16秒で通過する。 若林は、同学年の初マラソン日本最高・学生記録の2時間6分18秒を持つ平林清澄(國學院大)の近く、集団半ばで落ち着いたレース運びを見せる。そこから徐々にポジションを上げ、ペースメーカーが離脱した30kmで先頭に立ったキプチュンバ、平林の背中にピタリとつけた。 32kmからは平林がレースを引っ張ってペースアップ。さらに35.5kmでキプチュンバが抜け出しにかかる。そのいずれにも落ち着いて対応し、キプチュンバとの一騎打ちに持ち込んだ。 相手は参加選手中トップの2時間4分28秒を持つ実力者。若林は首を左右に振りながら、必死に食らいつく。「苦しかった」と振り返るが、「ここで粘らないと10年間やってきた意味がない」と粘り抜く。沿道からは大声援が若林を後押しした。 「しんどかったし、初マラソンだったので長いなと思ったけど、沿道からの『本当にありがとう』という言葉に救われました」 すると、40km過ぎにはキプチュンバを振り切ろうとスパートをかけた。「ラストレースなので、ここで狙わないと10年間やってきた意味がない」。2度の仕掛け、キプチュンバを引き離そうとする。だが対応され、41kmで逆にリードを許した。それでも、最後の最後まで粘り抜いた。 和歌山県海南市出身。下津二中で陸上を始めると、京都・洛南高では3年時の全国高校駅伝1区3位と活躍した。 青学大では箱根駅伝の5区山上りが主戦場となる。1年、3年、4年と3度出走し、いずれも往路優勝のフィニッシュテープを切り、チームの総合優勝に貢献。今年は2位でタスキを受けると、1時間9分11秒の区間新記録と激走し、逆転劇を演じた。 大学卒業後は、一般企業への入社が内定。競技はこれが最後と決めている。東京世界選手権の参加標準記録(2時間6分30秒)も突破したが、次のステージを目指す意志は変わらない。 「山あり谷ありの陸上生活。最後まであきらめずにやることができました」 若林はそう語り、晴れやかな表情で胸を張った。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.11.06

クイーンズ駅伝エントリー発表! 日本郵政グループ・廣中璃梨佳、積水化学・新谷仁美、しまむら・安藤友香らが登録 第一生命グループは鈴木優花が外れる

11月6日、日本実業団連合は第45回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝)のエントリー選手を発表した。 前回4年ぶり4回目の優勝を飾ったJP日本郵政グループはVメンバーの鈴木亜由子、廣中璃梨佳、菅田雅香ら全員が登録。 […]

NEWS 10000m記録挑戦競技会は日体大競技会など3大会と併催 参加資格男子は34分ターゲット

2025.11.06

10000m記録挑戦競技会は日体大競技会など3大会と併催 参加資格男子は34分ターゲット

関東学生陸上競技連盟は、主催の10000m記録挑戦競技会について、今年は11月15日の日体大長距離競技会(横浜市・日体大健志台)、11月22日のMARCH対抗戦(東京・町田市)、11月22日の東海大長距離競技会(秦野市) […]

NEWS RIKUJOフェスティバルに勝木隼人、赤松諒一、佐藤早也伽らトップ選手が参加

2025.11.06

RIKUJOフェスティバルに勝木隼人、赤松諒一、佐藤早也伽らトップ選手が参加

11月6日、日本陸連は11月29日に開催される「RIKUJO フェスティバル in 国立競技場」に参加するゲストアスリートを発表した。 同イベントは連盟創立100周年を記念して開かれるもの。参加者とトップアスリートが一緒 […]

NEWS 北海道・北照高が来春から陸上部で駅伝チームを強化 43年ぶりに再始動 工藤裕行氏が総監督就任

2025.11.06

北海道・北照高が来春から陸上部で駅伝チームを強化 43年ぶりに再始動 工藤裕行氏が総監督就任

11月5日、北照高は2026年春から陸上部において駅伝チームの強化を本格的にスタートすることを発表した。 北照高は北海道小樽市に校舎を置く私立高。野球部は甲子園に春夏あわせて10回出場を数える強豪として知られる。スキー部 […]

NEWS 全国高校駅伝都道府県代表出そろう 前年V佐久長聖&長野東など 最速は男女とも仙台育英 6日から地区大会順次開幕

2025.11.05

全国高校駅伝都道府県代表出そろう 前年V佐久長聖&長野東など 最速は男女とも仙台育英 6日から地区大会順次開幕

全国高校駅伝の出場権を懸けた都道府県高校駅伝が11月4日の埼玉をもってすべて終了し、都道府県代表がすべて出そろった。 昨年の全国大会は男子が佐久長聖、女子は長野東といずれも長野勢が優勝を遂げた。全国2連覇中の佐久長聖は県 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年11月号 (10月14日発売)

2025年11月号 (10月14日発売)

東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望

page top