HOME 箱根駅伝

2025.01.03

競技生活最後の箱根で5区区間新! 青学大・若林宏樹「存分に楽しんでやろうと思った」/箱根駅伝
競技生活最後の箱根で5区区間新! 青学大・若林宏樹「存分に楽しんでやろうと思った」/箱根駅伝

25年箱根駅伝5区区間新をマークした若林宏樹(青学大)

箱根駅伝5区 区間歴代10傑をチェック!

①1.09.11 若林宏樹(青学大4) 25年①
②1.09.14 山本唯翔(城西大4) 24年①
③1.09.31 工藤慎作(早大2) 25年②
 1.09.32 若林宏樹(青学大3) 24年②
 1.10.04 山本唯翔(城西大3) 23年①
④1.10.19 四釜峻佑(順大4) 23年②
⑤1.10.25 宮下隼人(東洋大2) 20年①
⑥1.10.33 細谷翔馬(帝京大4) 22年①
⑦1.10.36 阿部陽樹(中大2) 23年③
⑧1.10.40 飯田貴之(青学大2) 20年②
⑨1.10.44 吉田響(東海大1) 22年②
〃1.10.44 金子伊吹(駒大4) 24年③

◇第101回箱根駅伝・往路(東京・大手町~神奈川・箱根町/5区間107.5km) 第101回箱根駅伝の往路が行われ、青学大が5時間20分01秒で往路優勝を飾った。5区の若林宏樹(4年)は1時間9分11秒の区間新をマークした。 自身3度目の往路優勝のフィニッシュテープを切った青学大の若林。1年時は区間3位、3年時は区間2位。そして今回は初の区間賞、さらに山本唯翔(現・SUBARU)が前回マークした区間記録を3秒縮める区間新で往路を締めた。 「最高に気持ち良かったです。1時間8分台を目指していたので少し悔しいですが大満足です」。全員でつかみ取った往路優勝をチームメートと喜び合った。 3度目の5区で初めて前を追いかける展開となったが、若林は冷静。先頭を走る中大5区の園木大斗(4年)が3kmを8分45秒で通過したのに対し、若林は8分54秒だった。 「10秒ほど離され、自分もハイペースのつもりだったので焦りましたが、自分がきついということは相手もきつい」。一度開いた中大との差が、7km過ぎの大平台では逆に32秒差に縮まり、9.5kmで一気に逆転した。 「過去2回、函嶺洞門までは通過順位も速くありませんでした。宮ノ下からグッと上げるレースが得意」。中大をとらえた後もグイグイと腕を振りつづけ、参考記録ながらほぼ同コースとなる今井正人(現・順大コーチ)の1時間9分12秒をも1秒上回った。 京都・洛南高3年時に都大路1区3位(29分06秒)の実績を持ち、鳴り物入りで入学した若林。しかし、競技生活は大学で終える。昨年11月のMARCH対校戦10000mでは27分59秒53の自己ベストで走りながらも、その意志は揺るがなかった。 「練習面では2年目、3年目で故障が続いたりしましたが、4年目は大きな故障がなく1年間継続して練習できました。レース中はこの箱根駅伝が競技生活最後となるので、存分に楽しんでやろう走ろうと思っていました」 1年生の頃から“山の神”を目指してトレーニングをしてきたまさに集大成となるフィニッシュテープを切った。 平塚中継所では1位中大と2分24秒の差があったが、原晋監督は「デッドゾーンに入りかけましたが、4区の太田蒼生(4年)が45秒差まで縮めた段階で勝てるだろうと思いました。確信したのは、若林の5km付近かな」と明言する。 若林は「前回は雨で寒い中でのレースでしたが、今回は気温も高く、低体温と脱水のリスクもあった」。表彰式では立ち続けることができず、椅子に座っていた姿は全力を出し切った証だった。 青学大の強さについて若林は「ハーフマラソンに向けたトレーニングを1年間継続できています。狙うべき試合と通過点である試合、選手個人が考え、逆算する。そういった作業の積み重ねが箱根駅伝へのピーキングになっています」。生活面でも部員全員が一致団結している点が大きいと語る。 自身3度目の往路優勝にも、まだ気を緩めていない。「復路に向けいい刺激を与えられたと思います」。大手町でチームメートと笑いあうために、最高のお膳立てを若林は果たした。 文/荒井寛太

箱根駅伝5区 区間歴代10傑をチェック!

①1.09.11 若林宏樹(青学大4) 25年① ②1.09.14 山本唯翔(城西大4) 24年① ③1.09.31 工藤慎作(早大2) 25年②  1.09.32 若林宏樹(青学大3) 24年②  1.10.04 山本唯翔(城西大3) 23年① ④1.10.19 四釜峻佑(順大4) 23年② ⑤1.10.25 宮下隼人(東洋大2) 20年① ⑥1.10.33 細谷翔馬(帝京大4) 22年① ⑦1.10.36 阿部陽樹(中大2) 23年③ ⑧1.10.40 飯田貴之(青学大2) 20年② ⑨1.10.44 吉田響(東海大1) 22年② 〃1.10.44 金子伊吹(駒大4) 24年③

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.18

駒大4年生4本柱は主要区間を熱望! 主将・山川拓馬「エース区間に挑みたい」 佐藤圭汰「しっかり走って恩返しを」

第102回箱根駅伝で3年ぶりの総合優勝を狙う駒大が12月18日、オンラインで合同会見を行い、エントリー選手が出席した。 今季の駒大は4年生の4人が強力。それぞれ希望区間を問われると、主将の山川拓馬は2区と5区、伊藤蒼唯は […]

NEWS 箱根駅伝Stories/青学大3連覇へ、過去最高レベルの戦力 「チームを勝たせる走り」を結集

2025.12.18

箱根駅伝Stories/青学大3連覇へ、過去最高レベルの戦力 「チームを勝たせる走り」を結集

黒田頼みからの脱却 とはいえ、エース1人で勝てるほど、今の学生駅伝は甘くない。出雲、全日本ではともに序盤の出遅れが響き、優勝争いに加われなかった。その経験が、選手個々の危機感を一層強めた。 箱根駅伝では黒田とともに2年時 […]

NEWS 横山隆義氏が死去 由良育英高でインターハイ2度の総合V 全国高校駅伝でも準優勝に導く

2025.12.18

横山隆義氏が死去 由良育英高でインターハイ2度の総合V 全国高校駅伝でも準優勝に導く

鳥取・由良育英高(現・鳥取中央育英高)の陸上部顧問として、インターハイで2度の総合優勝に導き、高校駅伝でも全国大会で2度の準優勝を果たした横山隆義氏が、12月15日、肺炎のため亡くなった。81歳だった。 横山氏は1944 […]

NEWS 26年7月に第1回U23アジア選手権開催が決定! アジア跳躍選手権も実施予定

2025.12.18

26年7月に第1回U23アジア選手権開催が決定! アジア跳躍選手権も実施予定

アジア陸連は11月に理事会を開催し、2026年7月9日から12日の日程で、第1回U23アジア選手権を中国・オルドスで開催することを発表した。 陸上競技では、U18やU20など年齢別の競技会が実施されており、U20カテゴリ […]

NEWS 中大・吉居駿恭主将「一番恩返しできるのが優勝」 溜池一太は初マラソン意向も「箱根だけしか考えていない」

2025.12.18

中大・吉居駿恭主将「一番恩返しできるのが優勝」 溜池一太は初マラソン意向も「箱根だけしか考えていない」

第102回箱根駅伝で30年ぶりとなる総合優勝を狙う中大が12月18日、東京・八王子市の多摩キャンパスで合同取材を開いた。 主将の吉居駿恭(4年)は「昨年の11月中旬くらいに(総合優勝の)目標を立てました。昨年の全日本の結 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年1月号 (12月12日発売)

2026年1月号 (12月12日発売)

箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳

page top