HOME 駅伝

2025.01.01

最多優勝・旭化成が5年ぶり栄冠!アンカー・井川龍人「みんながつないでくれたから」/ニューイヤー駅伝
最多優勝・旭化成が5年ぶり栄冠!アンカー・井川龍人「みんながつないでくれたから」/ニューイヤー駅伝

25年ニューイヤー駅伝優勝の旭化成

◇第69回全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝/1月1日、群馬県庁発着・7区間100km)

ニューイヤー駅伝が行われ、旭化成が4時間47分32秒で5年ぶりの優勝を飾った。

69回目の大会で26度目の優勝。Honda・中山顕とのデッドヒートを制したアンカー・井川龍人は、こう振り返って胸を張った。

広告の下にコンテンツが続きます

「30秒差でも追いつけるイメージがあったけど、みんながそれよりも近い(12秒差)でつないでくれた。だからこそ、追いついて、溜めて、溜めて、最後のスパートで勝つという想定を体現できたのだと思う」

ニューイヤー駅伝に向けて、チームは着実に仕上がっていった。宗猛総監督がチームエントリーの12人、区間エントリーの7人に絞る過程を「難しかった」と振り返るほど、個々が切磋琢磨していたという。21年東京五輪10000m代表のエース・相澤晃は外れたが、パリ五輪10000m代表の葛西潤、井川ら夏頃からのケガからしっかりと復調したことがその証だ。

兵庫・西脇工高卒2年目の1区・長嶋幸宝が、レース後半で転倒した前回の雪辱を果たす区間賞で飛び出すと、「いつかは走ってみたかった」という2区に初めて挑んだ茂木圭次郎が優勝争いから落ちそうになりながらも粘り抜き、4位で中継する。

そして、3区の葛西がトヨタ自動車・太田智樹とのパリ五輪10000m代表同士の優勝争いに持ち込む。最終的には「仕上がりは7割程度」という状態の中で太田にリードを許したものの、優勝争いの流れに乗った殊勲の走りと言える。

4区のキプルト・エマニエルも堅実につなぎ、5区の大六野秀畝がHondaの青木涼真に後方から追いつかれたことは「想定していなかった」が、そこから2人で「押していく」展開を作り、トヨタ自動車を逆転。いよいよ、Hondaとのマッチレースに持ち込んだ。

「僕が7番目だった」という6区の齋藤椋も10000m27分台ランナーの意地を見せ、Hondaと10秒差で受けたタスキを2秒広げられただけにとどめる。それが、井川へとつながり、「前に出でたい」気持ちを最後の最後のスパートにぶつけた。

宗猛総監督は、入社2年目以内の選手が5人という若手中心のオーダー、さらに「相澤抜きで勝てたことが大きい」と言う。「相澤が復帰すればもう1段階レベルの高いレースができる」とし、再びの黄金時代への手応えを口にした。

それでも、「一つ間違えればまったくダメになることもある」と、近年の実力拮抗に兜の緒を締める。最多優勝チームが、さらなる頂点を渇望し、力を磨いていく。

◇第69回全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝/1月1日、群馬県庁発着・7区間100km) ニューイヤー駅伝が行われ、旭化成が4時間47分32秒で5年ぶりの優勝を飾った。 69回目の大会で26度目の優勝。Honda・中山顕とのデッドヒートを制したアンカー・井川龍人は、こう振り返って胸を張った。 「30秒差でも追いつけるイメージがあったけど、みんながそれよりも近い(12秒差)でつないでくれた。だからこそ、追いついて、溜めて、溜めて、最後のスパートで勝つという想定を体現できたのだと思う」 ニューイヤー駅伝に向けて、チームは着実に仕上がっていった。宗猛総監督がチームエントリーの12人、区間エントリーの7人に絞る過程を「難しかった」と振り返るほど、個々が切磋琢磨していたという。21年東京五輪10000m代表のエース・相澤晃は外れたが、パリ五輪10000m代表の葛西潤、井川ら夏頃からのケガからしっかりと復調したことがその証だ。 兵庫・西脇工高卒2年目の1区・長嶋幸宝が、レース後半で転倒した前回の雪辱を果たす区間賞で飛び出すと、「いつかは走ってみたかった」という2区に初めて挑んだ茂木圭次郎が優勝争いから落ちそうになりながらも粘り抜き、4位で中継する。 そして、3区の葛西がトヨタ自動車・太田智樹とのパリ五輪10000m代表同士の優勝争いに持ち込む。最終的には「仕上がりは7割程度」という状態の中で太田にリードを許したものの、優勝争いの流れに乗った殊勲の走りと言える。 4区のキプルト・エマニエルも堅実につなぎ、5区の大六野秀畝がHondaの青木涼真に後方から追いつかれたことは「想定していなかった」が、そこから2人で「押していく」展開を作り、トヨタ自動車を逆転。いよいよ、Hondaとのマッチレースに持ち込んだ。 「僕が7番目だった」という6区の齋藤椋も10000m27分台ランナーの意地を見せ、Hondaと10秒差で受けたタスキを2秒広げられただけにとどめる。それが、井川へとつながり、「前に出でたい」気持ちを最後の最後のスパートにぶつけた。 宗猛総監督は、入社2年目以内の選手が5人という若手中心のオーダー、さらに「相澤抜きで勝てたことが大きい」と言う。「相澤が復帰すればもう1段階レベルの高いレースができる」とし、再びの黄金時代への手応えを口にした。 それでも、「一つ間違えればまったくダメになることもある」と、近年の実力拮抗に兜の緒を締める。最多優勝チームが、さらなる頂点を渇望し、力を磨いていく。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.01

サニブラウンが熱血アドバイス「成功し続けて最終的にトップに残る人はほとんどいない」失敗と挑戦のススメ

日本陸連は12月1日、第12期ダイヤモンドアスリート・ダイヤモンドアスリートNextageの認定式を開いた。 同プログラムは東京五輪に向けた中長期的なエリートアスリートの国際人としての育成を目的に2014年にスタート。こ […]

NEWS 高1の松下碩斗と後藤大樹がダイヤモンドアスリートNextage新規認定「小さな目標からステップアップ」

2025.12.01

高1の松下碩斗と後藤大樹がダイヤモンドアスリートNextage新規認定「小さな目標からステップアップ」

日本陸連は12月1日、第12期ダイヤモンドアスリート・ダイヤモンドアスリートNextageの認定式を開いた。 ダイヤモンドアスリートは東京五輪に向けた中長期的なエリートアスリートの国際人としての育成を目的に2014年にス […]

NEWS 110mH古賀ジェレミーがDA認定「覚悟が強くなった」世界級の国内シニアに挑戦へ

2025.12.01

110mH古賀ジェレミーがDA認定「覚悟が強くなった」世界級の国内シニアに挑戦へ

日本陸連は12月1日、第12期ダイヤモンドアスリート・ダイヤモンドアスリートNextageの認定式を開いた。 ダイヤモンドアスリートは東京五輪に向けた中長期的なエリートアスリートの国際人としての育成を目的に2014年にス […]

NEWS ドルーリー朱瑛里「自分の可能性を最大限発揮できる」先輩の背中追い米国の大学進学へ

2025.12.01

ドルーリー朱瑛里「自分の可能性を最大限発揮できる」先輩の背中追い米国の大学進学へ

日本陸連は12月1日、第12期ダイヤモンドアスリート・ダイヤモンドアスリートNextageの認定式を開いた。 ダイヤモンドアスリートは東京五輪に向けた中長期的なエリートアスリートの国際人としての育成を目的に2014年にス […]

NEWS ダイヤモンドアスリート認定式 “先輩”サニブラウンが後輩へ金言「チャレンジし続ける心を忘れずに頑張ってほしい」

2025.12.01

ダイヤモンドアスリート認定式 “先輩”サニブラウンが後輩へ金言「チャレンジし続ける心を忘れずに頑張ってほしい」

日本陸連は12月1日、第12期ダイヤモンドアスリート・ダイヤモンドアスリートNextageの認定式を開いた。 ダイヤモンドアスリートは東京五輪に向けた中長期的なエリートアスリートの国際人としての育成を目的に2014年にス […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top