HOME 駅伝

2024.10.08

全日本大学女子駅伝初出場を決めた帝京科学大、就任2年目・清野純一監督の指導で強化が一気に加速
全日本大学女子駅伝初出場を決めた帝京科学大、就任2年目・清野純一監督の指導で強化が一気に加速

関東大学女子駅伝で8位を占め、全日本大学女子駅伝初出場を決めた帝京科学大の選手たち

10月5日に千葉・印西で行われた第30回関東大学女子駅伝(6区間、34.4km)。出場21校中8位でフィニッシュした帝京科学大が、見事に初の全日本行きキップを獲得した。10月27日に宮城・仙台で開催される第42回全日本大学女子駅伝(6区間、38.0km)において唯一の初出場校だ。

帝京科学大は東京・北千住のキャンパスを拠点に2018年春に始動した新進気鋭の女子駅伝チーム。関東大学女子駅伝ではこれまで2019年と昨年の11位が最高の成績だったが、昨年のタイムを4分近くも上回る1時間55分52秒で走り抜き、念願の全日本初出場を決めた。

宮城・仙台育英高元監督の清野純一氏(39歳)が昨年3月からチームを率いて強化が一気に加速。選手としても仙台育英高時代に全国高校駅伝、順大時代には箱根駅伝の優勝した実績を持つ指揮官の細やかな指導が早くも実を結んだ。

広告の下にコンテンツが続きます

「1区から3区の1年生でいい位置につけ、4区以降は3、4年生で耐える」(清野監督)という構想で挑戦。1区の山田依茉(広島・世羅高卒)がトップから1秒差の2位と好発進をしたことで勢いに乗り、2区で5位、3区で6位に後退したしたもののいい流れをキープ。1年生トリオの奮起に4区以降の上級生が粘りの走りで応え、白地にゴールドの学校名が入ったタスキをしっかりとつないだ。

「それぞれの選手が70~80%の力を発揮すれば1時間56分台のタイムでゴールしてくれると思っていた」という監督の読みをしっかりクリア。各選手がプラスアルファの走りをしたことで結果的に1時間56分も切ることができた。

初の全日本進出に向けて“危なげないレース”に見えたが、残り1ヵ月に入ってひやひやの連続。「本当は使いたかったもう一人の1年生が8月の終わりに疲労骨折を起こして今大会に起用できず、夏合宿の最終日には1人がコロナに罹患。また、9月10日頃には今回4区を走った3年生の渡辺(笑夏)が発熱で3日間寝込んでしまい、一旦は想定オーダーを組み替えました。しかし、その渡辺がここに来て調子が上がり、3区までの流れが悪かった時のリカバリー要員として最後の最後で4区へ入れたことが良かったです」と清野監督は話す。

アンカーを担ったチームただ1人の4年生・山口あずさは「清野さんのおかげで練習に対しての姿勢や私生活、競技に対しての考え方が大きく変わった」と感謝し、「全日本は初出場になりますが、しっかり戦っていけるチームを作っていきたい」と抱負を述べた。

監督の郷里・宮城県で開催される全日本大学女子駅伝。杜の都にフレッシュな風を吹き込む帝京科学大のタスキリレーに注目だ。

10月5日に千葉・印西で行われた第30回関東大学女子駅伝(6区間、34.4km)。出場21校中8位でフィニッシュした帝京科学大が、見事に初の全日本行きキップを獲得した。10月27日に宮城・仙台で開催される第42回全日本大学女子駅伝(6区間、38.0km)において唯一の初出場校だ。 帝京科学大は東京・北千住のキャンパスを拠点に2018年春に始動した新進気鋭の女子駅伝チーム。関東大学女子駅伝ではこれまで2019年と昨年の11位が最高の成績だったが、昨年のタイムを4分近くも上回る1時間55分52秒で走り抜き、念願の全日本初出場を決めた。 宮城・仙台育英高元監督の清野純一氏(39歳)が昨年3月からチームを率いて強化が一気に加速。選手としても仙台育英高時代に全国高校駅伝、順大時代には箱根駅伝の優勝した実績を持つ指揮官の細やかな指導が早くも実を結んだ。 「1区から3区の1年生でいい位置につけ、4区以降は3、4年生で耐える」(清野監督)という構想で挑戦。1区の山田依茉(広島・世羅高卒)がトップから1秒差の2位と好発進をしたことで勢いに乗り、2区で5位、3区で6位に後退したしたもののいい流れをキープ。1年生トリオの奮起に4区以降の上級生が粘りの走りで応え、白地にゴールドの学校名が入ったタスキをしっかりとつないだ。 「それぞれの選手が70~80%の力を発揮すれば1時間56分台のタイムでゴールしてくれると思っていた」という監督の読みをしっかりクリア。各選手がプラスアルファの走りをしたことで結果的に1時間56分も切ることができた。 初の全日本進出に向けて“危なげないレース”に見えたが、残り1ヵ月に入ってひやひやの連続。「本当は使いたかったもう一人の1年生が8月の終わりに疲労骨折を起こして今大会に起用できず、夏合宿の最終日には1人がコロナに罹患。また、9月10日頃には今回4区を走った3年生の渡辺(笑夏)が発熱で3日間寝込んでしまい、一旦は想定オーダーを組み替えました。しかし、その渡辺がここに来て調子が上がり、3区までの流れが悪かった時のリカバリー要員として最後の最後で4区へ入れたことが良かったです」と清野監督は話す。 アンカーを担ったチームただ1人の4年生・山口あずさは「清野さんのおかげで練習に対しての姿勢や私生活、競技に対しての考え方が大きく変わった」と感謝し、「全日本は初出場になりますが、しっかり戦っていけるチームを作っていきたい」と抱負を述べた。 監督の郷里・宮城県で開催される全日本大学女子駅伝。杜の都にフレッシュな風を吹き込む帝京科学大のタスキリレーに注目だ。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.11.13

男子20km競歩は張俊、女子20km競歩は楊家玉が連覇 中国全国運動会が開幕

中国の総合スポーツ競技会の第15回全国運動会が広州市を中心に11月9日から開幕している。陸上競技は12日の20km競歩を皮切りに、15日からマラソンを含め、トラック&フィールド種目がスタートする。 同大会は日本の国民スポ […]

NEWS 全中3000mVの出田隆之助擁する中京が県大会連覇 熊本・松橋、栃木・三島など名門校も全国へ/中学駅伝

2025.11.13

全中3000mVの出田隆之助擁する中京が県大会連覇 熊本・松橋、栃木・三島など名門校も全国へ/中学駅伝

12月14日に行われる第33回全国中学校駅伝への出場権を懸けた都道府県大会が佳境を迎えている。11月5日から10日までに、21都府県で代表校が決定した。 関東では5都県で代表が決定。埼玉男子は男衾が1区から主導権を握り、 […]

NEWS やり投・北口榛花  世界一奪還へ向け始動「山を登ったり、ローラースケートをしたり…」右肘も順調に回復

2025.11.13

やり投・北口榛花 世界一奪還へ向け始動「山を登ったり、ローラースケートをしたり…」右肘も順調に回復

一般社団法人 服部真二 文化・スポーツ財団は11月13日、都内で「第8回服部真二賞」の受賞式を開き、女子やり投の北口榛花(JAL)が受賞し、200万円と江戸切子とクオーツ時計を組み合わせたオリジナルトロフィーが贈呈された […]

NEWS やり投・北口榛花に服部真二賞 陸上では初「チャレンジしてみようという気持ちを届けられたら」

2025.11.13

やり投・北口榛花に服部真二賞 陸上では初「チャレンジしてみようという気持ちを届けられたら」

一般社団法人 服部真二 文化・スポーツ財団は11月13日、都内で「第8回服部真二賞」の受賞式を開き、女子やり投の北口榛花(JAL)が受賞した。 同賞は「音楽やスポーツなどの分野において、発展、改革に挑むリーダー、世界に向 […]

NEWS 福岡国際マラソン 招待選手は22年世界陸上代表の西山雄介 日本歴代7位の細谷恭平 同10位の菊地駿弥ら

2025.11.13

福岡国際マラソン 招待選手は22年世界陸上代表の西山雄介 日本歴代7位の細谷恭平 同10位の菊地駿弥ら

日本陸連は11月13日、福岡国際マラソン2025(12月7日/平和台陸上競技場発着)のエントリー選手を発表した。 大会は2028年ロサンゼルス五輪代表につながるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)シリーズ2025 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top