◇パリ五輪・陸上競技(8月1日~11日/フランス・パリ)
パリ五輪陸上競技の日本代表が、事前合宿地するセルジーでの練習を公開した。先着していた第一陣に続き、第二陣も加わり、良い雰囲気の中でそれぞれ汗を流した。パリから北東へ車で約1時間ほどの地。何度も視察を重ねて決定し、シェフも帯同して日本食を提供している。
男子100mに出場する坂井隆一郎(大阪ガス)は「ロンドンでリレー(ダイヤモンドリーグ)を走って刺激も入った。状態も上がっています」と表情も和やか。機器を使ってスピードも計測し、「今日の最高スピードは試合と同じくらい出ていました。力を出せるような状況を作れるようになってきました」と、春先の故障から徐々に状態を上げている。
改めてパリ五輪では「9秒台と決勝進出」を目標に掲げ、4×100mリレーでの金メダルももちろん目指していく。
この日は栁田大輝(東洋大)の21歳の誕生日。「早く大人になれるように頑張ります」と照れくさそうに話す。今回はリレーのみの出場となったが、2走として気持ちを切り換えている。「ロンドンはバトンをしっかりつなげて1位になれましたが、五輪だとバトンだけではな何ともならない。僕の走りはイマイチだったので個々の走りを上げていきたい」と気を引き締め、「100mがない悔しさを帳消しにするにはリレーの金メダルしかない」と語る。
インタビューの途中で、記者が用意したサプライズケーキでチーム、メディア一緒にお祝い。ケーキを手渡したのは東洋大の先輩にもあたる桐生祥秀(日本生命)で、「一番若いし、ここから成長してほしい」と力強いメッセージが送られた。
前日夜にフランスに到着した第二陣。男子110mハードルの村竹ラシッド(JAL)は「そこまで疲れもなく、軽めに動きましたが良い動きができました」と言い、リラックスできている様子だ。オレゴン世界選手権以来、2年ぶりの国際舞台だが「みんな良い人たちで練習も楽しいです」と笑顔を浮かべた。目指すは「決勝進出とメダル。最高のパフォーマンスをしたい」。
父の祖国に3年ぶりに“帰って来た”のが男子400mハードルの豊田兼(慶大)。「少し懐かしい感じもありつつ、トップアスリートに囲まれて緊張感があります」。日本選手権で痛めたハムストリングスは万全ではないが、「残り2週間、やれることをやっていきたい」と豊田。「決勝進出を目指して、日本選手権の走りを再現したい」と力を込めた。
日本初となる女子三段跳で出場する日本記録保持者の森本麻里子(オリコ)は「いい雰囲気。調整するのが楽しいです」といつもの笑顔を見せる。昨年はブダペスト世界選手権に出場したものの予選落ち。「思うような跳躍ができず悔しかったので、パリで決勝に残れるように自分の跳躍がしたい」と語った。
山崎一彦・強化委員長は「環境も人も良いので、合宿をやりやすい」と改めてセルジーの良さを再確認。環境の良さから、今回はトラック&フィールドだけでなく、長距離、競歩とも合同に練習でき、「食事も一緒ですしチームジャパンとしてやれています」と話す。
明日開会式を迎えるパリ五輪。陸上競技は8月1日にスタートする。初陣は男女20km競歩。サンライズレッドの挑戦がいよいよ始まる。
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.05.13
月刊陸上競技2025年6月号
-
2025.05.13
-
2025.05.13
-
2025.05.13
2025.05.11
久保凛は2分02秒29の2位に号泣「母の日に花束を持って帰りたかった」/木南記念
-
2025.05.08
2025.05.11
久保凛は2分02秒29の2位に号泣「母の日に花束を持って帰りたかった」/木南記念
-
2025.05.03
-
2025.04.29
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.05.13
月刊陸上競技2025年6月号
Contents Road to TOKYO Diamond League JAPANの挑戦 村竹ラシッド、三浦龍司が 初戦で世界陸上内定052 女王、始動 北口榛花は初戦4位 Re:Tokyo25 村竹ラシッド(JAL […]
2025.05.13
住友電工・加藤淳が現役引退 全中、IH、ICで入賞 全日本大学駅伝Vも経験 「14年間は私の財産です」
住友電工は長距離の加藤淳が2024年度をもって現役引退したことを発表した。 加藤は兵庫県出身の26歳。大久保中から陸上を始め、3年時には近畿大会3000mで優勝したほか、愛知県で行われた全中でも4位入賞を飾るなど、世代の […]
2025.05.13
ウクライナの妖精マフチフ「情熱を傾けられるものを見つけて」戸邉直人との走高跳豪華対談で若者へのメッセージ
日本航空株式会社(JAL)が5月13日に都内で、女子走高跳世界記録保持者でパリ五輪金メダルのヤロスラワ・マフチフ(ウクライナ)と、JAL所属の男子走高跳日本記録保持者の戸邉直人の対談を行った。 走高跳の豪華クロストークが […]
2025.05.13
SUUNTOからランニングに特化したGPSウォッチ「Suunto Run」が5月13日より新登場!
フィンランドのスポーツウォッチブランド、SUUNTO(スント)は、世界中でランニング人気が高まる中、ランナーをサポートする新しいスポーツウォッチ「Suunto Run」を5月13日に発売した。価格は43,890円(税込) […]
Latest Issue
最新号

2025年6月号 (5月14日発売)
Road to TOKYO
Diamond League JAPANの挑戦
村竹ラシッド、三浦龍司が初戦で世界陸上内定
Road to EKIDEN Season 25-26
学生長距離最新戦力分析