2024.05.27
福岡インターハイ(7月28日~8月1日)に向けた都府県大会が5月上旬から各地で行われ、高校生たちが熱い戦いを繰り広げている。
長野県大会は5月24~26日の3日間、長野市営陸上競技場で行われ、各種目で好記録が生まれた。
男子は3月の世界クロカンU20代表で、佐久長聖3年生コンビの濵口大和、佐々木哲が躍動した。
昨年のインターハイ1500m・4位、5000m・8位の濵口はその2種目で連覇を達成した。初日の1500mは先輩・吉岡大翔(現・順大)が持つ大会記録を3年ぶりに3秒78更新する3分46秒64。2位(3分50秒33)の佐々木も大会新で、3位(3分54秒44)の松山優太(3年)まで佐久長聖勢が独占した。
スタートから果敢に先頭に立った濵口は400mを58秒のハイラップで刻むと、その後はタイムロスを最小限に抑え、持ち味のラスト1周を58秒の驚異的スピードでカバーした。最終日の5000mもスタートから先頭に立ち、1000m付近で2番手に下がって力を温存。2400mを過ぎて再び先頭に立ち、後続を徐々に突き放して14分18秒52で走破した。
「(1500mは)タイムを狙ったわけではありませんが、思ったより身体が動いたので、入りの400mが速くなり、ラスト1周は理想通り。(5000mは)展開はプラン通りでしたが、とても蒸し暑く、身体が動かなかったので、タイムよりも感覚を重視しました」と振り返った。
昨年のインターハイで3000m障害8位の佐々木は風速平均約5mの強風に屈せず、終始先頭を譲らずにベストを9秒67更新する8分50秒04で制した。「4月から挑戦しています」という障害に足を掛けない飛越を駆使し、1000mごとのラップを2分57秒、2分59秒、2分53秒で刻んだ。「強風という悪条件が逆に“起爆剤”となりました。前日の1500mがいい刺激になったことも要因です」と会心の笑顔を見せた。
110mハードルは昨年のU18大会2位の小口蒼葉(東海大諏訪3)が予選で14秒37(+0.9)の大会新をマーク。準決勝(13秒93/+3.9)、決勝(13秒98/+4.1)では追い風参考ながらも立て続けに13秒台を叩き出して連覇を果たし、「13秒台のスピードを2度体感できたことは収穫です」と堂々と胸を張った。
このほか、男子は100mの西澤諒(松本美須々ヶ丘3)が10秒48(+2.6)で連覇。400mハードルは山本祐弥(佐久長聖3)が今季3度目の52秒台となる52秒75をマークし、4×400mリレー(4走/3分17秒80)との2冠。ハンマー投は岡村聡真(穂高商3)が57m71の大会新で制し、円盤投の井澤眞成(松本国際3)も43m61の大会新で連覇した。
女子は七種競技の大森玲花(佐久長聖2)がベストを40点上回る4626点の大会新で連覇し、100mハードル、200m、やり投で混成内での自己新をマーク。「(2位でチームメイトの)村山(羽乃)先輩との切磋琢磨」が大きな要因だという。大森は三段跳(11m61/-0.1)との2冠にも輝いた。
100mは2年前の全中女王の寺平祈愛(佐久長聖2)が12秒18(+3.7)で初優勝し、連覇した200m(25秒42/+0.5)と4×100mリレー(2走/49秒18)との3冠を果たした。
中長距離は長野東勢が2種目で3位まで独占し、1500mは川上南海(1年)が4分31秒42で制し、3000mは昨年の特別国体少年A7位の窪田舞(3年)が9分32秒72で連覇。100mハードルは佐久長聖勢が3位まで独占し、昨年の全中6位の阪真琴(1年)が14秒14(+2.2)で制した。
学校対抗は今年も男女で佐久長聖勢の活躍が光り、男子は170点で4年連続12度目、女子は147点で旧佐久時代を合わせ、4年連続6度目の総合優勝を飾った。
北信越大会は6月13日から4日間、新潟・デンカビッグスワンスタジアムで行われる。
文・撮影/永田真樹
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.11.13
男子20km競歩は張俊、女子20km競歩は楊家玉が連覇 中国全国運動会が開幕
-
2025.11.13
-
2025.11.12
-
2025.11.10
-
2025.11.10
2025.10.18
【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/個人成績(2025年10月18日)
2025.11.02
青学大が苦戦の中で3位確保!作戦不発も「力がないチームではない」/全日本大学駅伝
-
2025.10.18
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.11.13
男子20km競歩は張俊、女子20km競歩は楊家玉が連覇 中国全国運動会が開幕
中国の総合スポーツ競技会の第15回全国運動会が広州市を中心に11月9日から開幕している。陸上競技は12日の20km競歩を皮切りに、15日からマラソンを含め、トラック&フィールド種目がスタートする。 同大会は日本の国民スポ […]
2025.11.13
全中3000mVの出田隆之助擁する中京が県大会連覇 熊本・松橋、栃木・三島など名門校も全国へ/中学駅伝
12月14日に行われる第33回全国中学校駅伝への出場権を懸けた都道府県大会が佳境を迎えている。11月5日から10日までに、21都府県で代表校が決定した。 関東では5都県で代表が決定。埼玉男子は男衾が1区から主導権を握り、 […]
2025.11.13
やり投・北口榛花 世界一奪還へ向け始動「山を登ったり、ローラースケートをしたり…」右肘も順調に回復
一般社団法人 服部真二 文化・スポーツ財団は11月13日、都内で「第8回服部真二賞」の受賞式を開き、女子やり投の北口榛花(JAL)が受賞し、200万円と江戸切子とクオーツ時計を組み合わせたオリジナルトロフィーが贈呈された […]
2025.11.13
やり投・北口榛花に服部真二賞 陸上では初「チャレンジしてみようという気持ちを届けられたら」
一般社団法人 服部真二 文化・スポーツ財団は11月13日、都内で「第8回服部真二賞」の受賞式を開き、女子やり投の北口榛花(JAL)が受賞した。 同賞は「音楽やスポーツなどの分野において、発展、改革に挑むリーダー、世界に向 […]
2025.11.13
福岡国際マラソン 招待選手は22年世界陸上代表の西山雄介 日本歴代7位の細谷恭平 同10位の菊地駿弥ら
日本陸連は11月13日、福岡国際マラソン2025(12月7日/平和台陸上競技場発着)のエントリー選手を発表した。 大会は2028年ロサンゼルス五輪代表につながるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)シリーズ2025 […]
Latest Issue
最新号
2025年12月号 (11月14日発売)
EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選
Follow-up Tokyo 2025