◇第103回関東インカレ(5月9~12日/東京・国立競技場)4日目
関東インカレの最終日が行われ、男子1部400mハードルは井之上駿太(法大4)が自身初の48秒台突入となる48秒91で優勝を飾った。
これまでの自己ベストは一昨年秋に出した49秒77。今大会の目標は「優勝」だったが、大幅自己新がついてきて「48秒台はビックリ。まだ整理がつきません」と振り返った。
身長178cmながら、ダイナミックなストライド走法で5台目までのインターバルを13歩で飛ばすスタイル。「予選、準決勝とも自分の持ち味である積極的な展開に持ち込むことができていた」と予選50秒85、準決勝50秒15で悠々と1着通過していた。
決勝は「それを1段階アップさせよう」。7レーンから「自分の前半を出すこと」に集中し、「自分のリズムを刻むことができた」ことで後半もしっかりとまとめる。2位の盛岡優喜(早大3)に0.93秒差をつける圧勝に、好タイムもついて思わずガッツポーズが出た。
大阪・平田中ではジュニア五輪200m2位、京都・洛南高ではU18大会300m2位などロングスプリントが中心。法大に入学してから本格的に400mハードルに取り組み始め、2年目の秋に49秒77をマークした。昨年は日本選手権で4位に食い込んでいる。
その日本選手権で「13歩の感覚がつかめた」そうだが、その後はケガで思うような走りができなかったという。だが、冬季に臀部やハムストリングスを中心にパワーアップを図り、「スピードを楽に出せるようになりました」。そして、最後の関東インカレで「今日でやっと感覚が身につきました」と胸を張る。
大学では日本歴代4位の48秒34を持つ苅部俊二監督の指導を受け、黒川和樹(住友電工)、児玉悠作(ノジマ)といった日本代表選手たちとともにトレーニグをする。今回は欠場となったが、同学年にはすでにパリ五輪参加標準記録(48秒70)を突破済みの豊田兼(慶大)や1学年下には日本選手権覇者の小川大輝(東洋大3)とハイレベルのメンバーの中で切磋琢磨してきたことも、成長を促しているだろう。
準決勝後に黒川から「お前ならいける」とメールをもらい、「さすがにこのタイムは黒川さんも想像していなかったと思います」と井之上は笑うが、その背中が見え始めた手応えはある。「ここまで来たら日本代表になりたい」。井之上はそう、言葉に力を込めた。
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