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2024.02.21

走幅跳の“実測”ルール変更検討に対しカール・ルイス「私たちとは違うジャンプ」23年世界女王「アスリートの意見尊重を」
走幅跳の“実測”ルール変更検討に対しカール・ルイス「私たちとは違うジャンプ」23年世界女王「アスリートの意見尊重を」

史上最高の戦いとされる1991年東京世界陸上(カール・ルイス)

【動画】カール・ルイスが国立競技場で躍動!91年東京世界陸上100m決勝の美しい走り

世界陸連(WA)が走幅跳のルール変更について検討していることについて、さまざまな声が上がっている。 現行ルールは、踏み切り板20cmと10cmの粘土板が敷かれ、踏み切り板と粘土板の境目から計測される。粘土板に跡がついた場合は無効試技(ファウル)。検討されているのは、踏み切り板の手前に「テイクオフゾーン」を設け、そのゾーン内で踏み切りした足の前足部(つま先)から記録を計測する、つまり“実測”というもの。 これは国際大会で無効試技が多いことや、ミリ単位でのファウルの許容、長きに渡る記録低迷などを受けて議題に挙がったようだ。ちなみに、踏み切りのルールにおいては、2021年度に粘土板の角度が45度から90度に変更。これによるファウルが増加したとも言われている。 これについて、世界歴代3位の8m87を持ち、1984年ロス、88年ソウルで100mとともに五輪2連覇のレジェンド、カール・ルイス氏はSNSで「ファウルすることとは関係がないこと」とし、「それ(踏み切り板のルール)があるからこそ、さらに遠くへ跳んだ。私たちとは違うジャンプになる」と綴り、新ルールについて「これまでの助走路における規律の一貫性の欠如は長期的に見ると飛距離への悪影響を及ぼすだろう」とコメントしている。 2023年ブダペスト世界選手権のチャンピオンで、7m24の自己記録を持つイヴァナ・ヴェレタ(セルビア/旧姓・シュパノヴィッチ)は「このスポーツに触れたことがない人たちがルールを変更しているのが最大の問題。アスリートに相談もせず、意見を尊重せずに決定される。私たちも関わるべきだし、アスリートや関わる人たちの意見を尊重してほしい」とWAの姿勢を批判。「テレビ放送やスポンサーのためにスポーツの基本・誠実さを犠牲にすべきでない」強く訴え、「どのように判断するのか。この変更が視聴者に何のオプションを与えるのか。審判(判定)なしの100mと同じ。競争はさらに無意味になる」としている。 一部海外メディアの報道によれば、早ければ今年中に大会で実際に試行し、「結果が表示されるまで時間がかからないような方法も試していく。テストの結果によって新たなルールは導入しない」としている。 走幅跳の世界記録は男子が8m95(マイク・パウエル、米国=1991年)、女子は7m52(ガリナ・チスチャコワ、ソ連:ロシア=1988年)で、世界歴代10傑に2000年以降の記録が男子は3つ、女子は2つと停滞している。

【動画】カール・ルイスが国立競技場で躍動!91年東京世界陸上100m決勝の美しい走り

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