HOME 国内、日本代表

2024.02.13

多田修平「6秒4台で優勝を」厚底スパイク武器に日本人初の領域へ手応え/アジア室内
多田修平「6秒4台で優勝を」厚底スパイク武器に日本人初の領域へ手応え/アジア室内

アジア室内に向け意気込みを語った多田修平

第11回アジア室内選手権(2月17日~19日)に出場する日本代表男子9名、女子5名が2月13日、開催地のイラン・テヘランに向かって出発した。

それに先立って代表選手が取材に応じ、男子60mに出場する多田修平(住友電工)は「過去最高の出来できていると思うので、しっかりと力を発揮できればと思っています」と力強く語った。

2022年3月の世界室内選手権以来の日本代表となる多田に、「久々な感じ」としつつ、視線はしっかりとパリ五輪に向いている。

「(屋外シーズンで)しっかりと9秒台を出したいと思っているので、ここでは6秒4台を出して優勝することが目標です」

1月末に桐生祥秀(日本生命)が出した室内日本記録が6秒53。日本人初の6秒5切りへの手応えは十分だ。

1月27日の世界陸連(WA)室内ツアー・ゴールドで2024年の初戦を迎え、6秒58で2位と好スタートを切った。冬季は近年力を入れてきたウエイトトレーニングにさらに注力し、体重も2~3kg増加して「73kgぐらいまで増えている」と言う。

広告の下にコンテンツが続きます

その結果、1歩1歩に力強さが増しているそうで、アジア室内からいよいよ厚底スパイクを着用予定だという。準備はしてきたものの、初戦からの投入には不安を感じて控えていたという。だが、周囲は厚底タイプを履く選手ばかり。満を持しての決断だ。

「これまでは接地で(少し沈むことでの)タイムラグに違和感があったけど、今はしっかりと踏めるようになってきた。脚が流れず、前方向の推進力に変えることができ、ストライドも伸びています」と多田。得意のスタートとマッチすれば、目標達成が見えてくる。

2021年の東京五輪は、日本選手権覇者として臨んだものの、個人の100mは予選敗退。4×100mリレーは決勝でバトンパスがうまくいかずに途中棄権となった。「東京五輪を終えてからは前向きになれなかったというのがやっぱり本音。でも、その期間があったからこそ、今は前向きにできています」。昨年秋の国体を10秒11で制し、浮上へのきっかけをつかんだ。

五輪の悔しさを晴らす舞台が、再びやってくる。代表争いはし烈を極めるが、ワールドランキングで高ポイントを稼げる今大会は2大会連続代表入りへの大きな試金石となる。アジアからパリへ、その一歩を刻むつもりだ。

第11回アジア室内選手権(2月17日~19日)に出場する日本代表男子9名、女子5名が2月13日、開催地のイラン・テヘランに向かって出発した。 それに先立って代表選手が取材に応じ、男子60mに出場する多田修平(住友電工)は「過去最高の出来できていると思うので、しっかりと力を発揮できればと思っています」と力強く語った。 2022年3月の世界室内選手権以来の日本代表となる多田に、「久々な感じ」としつつ、視線はしっかりとパリ五輪に向いている。 「(屋外シーズンで)しっかりと9秒台を出したいと思っているので、ここでは6秒4台を出して優勝することが目標です」 1月末に桐生祥秀(日本生命)が出した室内日本記録が6秒53。日本人初の6秒5切りへの手応えは十分だ。 1月27日の世界陸連(WA)室内ツアー・ゴールドで2024年の初戦を迎え、6秒58で2位と好スタートを切った。冬季は近年力を入れてきたウエイトトレーニングにさらに注力し、体重も2~3kg増加して「73kgぐらいまで増えている」と言う。 その結果、1歩1歩に力強さが増しているそうで、アジア室内からいよいよ厚底スパイクを着用予定だという。準備はしてきたものの、初戦からの投入には不安を感じて控えていたという。だが、周囲は厚底タイプを履く選手ばかり。満を持しての決断だ。 「これまでは接地で(少し沈むことでの)タイムラグに違和感があったけど、今はしっかりと踏めるようになってきた。脚が流れず、前方向の推進力に変えることができ、ストライドも伸びています」と多田。得意のスタートとマッチすれば、目標達成が見えてくる。 2021年の東京五輪は、日本選手権覇者として臨んだものの、個人の100mは予選敗退。4×100mリレーは決勝でバトンパスがうまくいかずに途中棄権となった。「東京五輪を終えてからは前向きになれなかったというのがやっぱり本音。でも、その期間があったからこそ、今は前向きにできています」。昨年秋の国体を10秒11で制し、浮上へのきっかけをつかんだ。 五輪の悔しさを晴らす舞台が、再びやってくる。代表争いはし烈を極めるが、ワールドランキングで高ポイントを稼げる今大会は2大会連続代表入りへの大きな試金石となる。アジアからパリへ、その一歩を刻むつもりだ。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.04.30

水戸招待のエントリー発表! 棒高跳に柄澤智哉、山本聖途、諸田実咲ら男女トップ集結 戸邉直人、城山正太郎も出場予定

5月5日に行われる日本グランプリシリーズ第7戦「2025水戸招待陸上」のエントリー選手が発表された。男子棒高跳には東京五輪代表の山本聖途(トヨタ自動車)、江島雅紀(富士通)や世界選手権代表経験のある柄澤智哉(東京陸協)ら […]

NEWS 【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」

2025.04.30

【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」

山梨学大の上田誠仁顧問の月陸Online特別連載コラム。これまでの経験や感じたこと、想いなど、心のままに綴っていただきます! 第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」 昨年は記念大会となる第100回箱根駅伝が開催され […]

NEWS 【高校生FOCUS】男子競歩・山田大智(西脇工高)インターハイで昨夏の雪辱誓う 高校記録更新にも挑戦

2025.04.30

【高校生FOCUS】男子競歩・山田大智(西脇工高)インターハイで昨夏の雪辱誓う 高校記録更新にも挑戦

FOCUS! 高校生INTERVIEW 山田大智 Yamada Daichi 西脇工高3兵庫 2025年シーズンが本格的に始まり、高校陸上界では記録会、競技会が次々と開かれています。その中で好記録も生まれており、男子50 […]

NEWS 5.3静岡国際、パリ五輪代表の坂井隆一郎、200m世界陸上標準突破の水久保漱至らが欠場

2025.04.30

5.3静岡国際、パリ五輪代表の坂井隆一郎、200m世界陸上標準突破の水久保漱至らが欠場

5月3日に行われる静岡国際のエントリーリストが更新され、現時点で欠場届を提出した選手が判明した。 男子100mはパリ五輪代表の坂井隆一郎(大阪ガス)が欠場。坂井は4月13日の出雲陸上で脚を痛め、29日の織田記念の出場も見 […]

NEWS 26年ブダペスト開催の「世界陸上アルティメット選手権」やり投・北口榛花が出場権獲得

2025.04.30

26年ブダペスト開催の「世界陸上アルティメット選手権」やり投・北口榛花が出場権獲得

世界陸連(WA)は4月29日、2026年に新設する「世界陸上アルティメット選手権」の大会500日前を受け、昨年のパリ五輪の金メダリストに出場資格を与えることを発表した。女子やり投で金メダルを獲得した北口榛花(JAL)も含 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL) 
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)

page top