HOME 編集部コラム

2024.01.26

編集部コラム「世代交代」
編集部コラム「世代交代」

2024年1月18日に監督交代記者会見に登壇した大後栄治前監督(右)と中野剛駅伝監督

毎週金曜日更新!?

★月陸編集部★

攻め(?)のアンダーハンド
リレーコラム🔥
毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ!
陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。
編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。
暇つぶし程度にご覧ください!

第231回「世代交代(松永貴允)

学生選手の退寮や、トップアスリートの引退、進路発表のニュースが舞い込む季節となりました。

今のところ個人的な今年一番のニュースは、神奈川大を35年間率いた大後栄治監督の勇退です。

1991年生まれの私にとって、神奈川大は箱根駅伝を見始めた小学生の頃から「強豪校」でした。そんなチームをイチから強化し、就任3年目で18年ぶりの箱根駅伝出場、そして8年目で優勝という快挙を成し遂げた名将が、ついに「監督」の肩書きを外す――。

近年では、月陸Onlineでコラムを連載中の山梨学大・上田誠仁顧問が2019年より現場指導を飯島理彰駅伝監督に託し、昨年4月には駒大を28年間率いた大八木弘明総監督が教え子の藤田敦史監督にバトンタッチ。1990年代後半に学生駅伝界を沸かせた「YKK(※)」の指揮官がすべて「監督」の座から降りたことになります。
※山梨学院大学、神奈川大学、駒澤大学のイニシャルから取った愛称。富山県を拠点にした実業団チームのほうではない

広告の下にコンテンツが続きます

大後氏は日体大時代にマネージャーながら「実質監督」としてチームを指揮した異色の経歴の持ち主。25歳という若さで神奈川大の指導者になると、大学院時代に学んだスポーツ医科学の知識を生かした泥臭い走り込みで、1996~97年度には2年連続で全日本大学駅伝&箱根駅伝の2冠という快挙を成し遂げました。

近年では箱根駅伝監督の若返りが進み、30歳代、40歳代の指導者が増えています。世代交代は陸上界の進歩を考えると歓迎すべきなのかもしれませんが、一時代を築いた名将の退任はちょっぴり寂しい気持ちになりますね……。重責を引き継いだ、元SGホールディングス監督で大後前監督の教え子でもある中野剛新監督の手腕にも注目です!

(ちなみに次に発売する月刊陸上競技3月号では大後前監督の特集があります! 内容はお楽しみに!)

若い指導者というと、今週には日体大時代に箱根駅伝でMVPに輝いた服部翔大さんが立正大の駅伝監督に就任するというニュースがありました。

服部新監督は日体大3年時の第89回箱根駅伝で5区区間賞に輝き、主将としてチームを26年ぶり総合優勝に導いた名選手でした。

私は同世代のため、彼のことは中学時代から一方的に知っていましたが、そんな人物が学生駅伝界の監督になるのは感慨深いものがあります。
(ちなみに皇學館大の寺田夏生監督も同世代です)

いまだ現役を続けている同じ1991年度生まれの設楽啓太&悠太兄弟(ともに西鉄)や大迫傑選手(Nike)、窪田忍選手(九電工)らも、いずれは指導者の道に進むのか、今から楽しみにしています。

松永貴允(まつなが・たかよし)
月刊陸上競技編集部
1991年生まれ。171cm、★kg、東京都三鷹市出身。小学生時代はプロを夢見る野球少年だったが、6年生の時に世界陸上パリ大会をテレビで観て陸上競技に興味を持ち、中学・高校と陸上部(長距離)に所属する。5000mの自己ベストは15分43秒67(2009年9月の日体大長距離競技会)。大学ではラクロス部の主将を務め、その後、紆余曲折を経て2015年からライターとして活動。2018年9月より月陸編集部員に転身した。飯塚翔太選手や大迫傑選手らと同い年の〝プラチナ世代〟でもある。

過去の編集部コラムはこちら

毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。 編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。 暇つぶし程度にご覧ください!

第231回「世代交代(松永貴允)

学生選手の退寮や、トップアスリートの引退、進路発表のニュースが舞い込む季節となりました。 今のところ個人的な今年一番のニュースは、神奈川大を35年間率いた大後栄治監督の勇退です。 1991年生まれの私にとって、神奈川大は箱根駅伝を見始めた小学生の頃から「強豪校」でした。そんなチームをイチから強化し、就任3年目で18年ぶりの箱根駅伝出場、そして8年目で優勝という快挙を成し遂げた名将が、ついに「監督」の肩書きを外す――。 近年では、月陸Onlineでコラムを連載中の山梨学大・上田誠仁顧問が2019年より現場指導を飯島理彰駅伝監督に託し、昨年4月には駒大を28年間率いた大八木弘明総監督が教え子の藤田敦史監督にバトンタッチ。1990年代後半に学生駅伝界を沸かせた「YKK(※)」の指揮官がすべて「監督」の座から降りたことになります。 ※山梨学院大学、神奈川大学、駒澤大学のイニシャルから取った愛称。富山県を拠点にした実業団チームのほうではない 大後氏は日体大時代にマネージャーながら「実質監督」としてチームを指揮した異色の経歴の持ち主。25歳という若さで神奈川大の指導者になると、大学院時代に学んだスポーツ医科学の知識を生かした泥臭い走り込みで、1996~97年度には2年連続で全日本大学駅伝&箱根駅伝の2冠という快挙を成し遂げました。 近年では箱根駅伝監督の若返りが進み、30歳代、40歳代の指導者が増えています。世代交代は陸上界の進歩を考えると歓迎すべきなのかもしれませんが、一時代を築いた名将の退任はちょっぴり寂しい気持ちになりますね……。重責を引き継いだ、元SGホールディングス監督で大後前監督の教え子でもある中野剛新監督の手腕にも注目です! (ちなみに次に発売する月刊陸上競技3月号では大後前監督の特集があります! 内容はお楽しみに!) 若い指導者というと、今週には日体大時代に箱根駅伝でMVPに輝いた服部翔大さんが立正大の駅伝監督に就任するというニュースがありました。 服部新監督は日体大3年時の第89回箱根駅伝で5区区間賞に輝き、主将としてチームを26年ぶり総合優勝に導いた名選手でした。 私は同世代のため、彼のことは中学時代から一方的に知っていましたが、そんな人物が学生駅伝界の監督になるのは感慨深いものがあります。 (ちなみに皇學館大の寺田夏生監督も同世代です) いまだ現役を続けている同じ1991年度生まれの設楽啓太&悠太兄弟(ともに西鉄)や大迫傑選手(Nike)、窪田忍選手(九電工)らも、いずれは指導者の道に進むのか、今から楽しみにしています。
松永貴允(まつなが・たかよし) 月刊陸上競技編集部 1991年生まれ。171cm、★kg、東京都三鷹市出身。小学生時代はプロを夢見る野球少年だったが、6年生の時に世界陸上パリ大会をテレビで観て陸上競技に興味を持ち、中学・高校と陸上部(長距離)に所属する。5000mの自己ベストは15分43秒67(2009年9月の日体大長距離競技会)。大学ではラクロス部の主将を務め、その後、紆余曲折を経て2015年からライターとして活動。2018年9月より月陸編集部員に転身した。飯塚翔太選手や大迫傑選手らと同い年の〝プラチナ世代〟でもある。
過去の編集部コラムはこちら

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.12.13

箱根駅伝V奪還狙う駒大 藤田敦史監督「100回大会の悔しさ晴らしたい」選手層に課題も手応えあり

第101回箱根駅伝に出場する駒大がオンラインで記者会見を開き、藤田敦史監督、大八木弘明総監督、選手が登壇、報道陣の取材に応じた。 藤田監督は「前回は出雲駅伝、全日本大学駅伝を制した状態で迎え、青山学院に負けて準優勝でした […]

NEWS 國學院大エースの平林清澄「どの区間でもエースとしての走りをする」最後の箱根駅伝「監督を大号泣させたい」

2024.12.13

國學院大エースの平林清澄「どの区間でもエースとしての走りをする」最後の箱根駅伝「監督を大号泣させたい」

第101回箱根駅伝に出場する國學院大が12月13日、東京の渋谷キャンパスで壮行会が開かれ、前田康弘監督と選手たちが登壇。壮行会後に主将の平林清澄(4年)が報道陣の合同取材に応じた。 2冠を獲得しているだけに、壮行会にはフ […]

NEWS 國學院大・前田康弘監督 箱根駅伝初制覇へ「復路で仕留めにいく」自身も駒大初Vの主将「平林にも…」

2024.12.13

國學院大・前田康弘監督 箱根駅伝初制覇へ「復路で仕留めにいく」自身も駒大初Vの主将「平林にも…」

第101回箱根駅伝に出場する國學院大が12月13日、東京の渋谷キャンパスで壮行会が開かれ、前田康弘監督と選手たちが登壇。壮行会後に前田監督が報道陣の合同取材に応じた。 前田監督は壮行会を振り返り、「すごい人数でビックリし […]

NEWS 箱根駅伝初V狙う國學院大が壮行会 前田康弘監督「チーム力、団結力がある」

2024.12.13

箱根駅伝初V狙う國學院大が壮行会 前田康弘監督「チーム力、団結力がある」

第101回箱根駅伝に出場する國學院大が12月13日、東京の渋谷キャンパスで壮行会が開かれ、前田康弘監督と選手たちが登壇した。 出雲駅伝、全日本大学駅伝を制した國學院大。多くのファン・学生が壮行会を見守り、その注目度の高さ […]

NEWS 40歳・岡本直己が来年1月で引退へ 都道府県駅伝通算134人抜き、マラソンでも活躍

2024.12.13

40歳・岡本直己が来年1月で引退へ 都道府県駅伝通算134人抜き、マラソンでも活躍

中国電力に所属する岡本直己が来年1月に引退することが12月13日、明らかになった。 1984年5月生まれで40歳の岡本。鳥取・東伯中、由良育英高(現・鳥取中央育英高)を経て明大に進んだ。大学2年時には、箱根駅伝予選会の1 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年12月号 (11月14日発売)

2024年12月号 (11月14日発売)

全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会

page top