◇第100回箱根駅伝(東京・大手町←→神奈川・箱根町/10区間217.1km)
総合11位で惜しくもシード権を逃した東海大。しかし、今季スローガンに掲げた“復活の狼煙”がはっきりと見えた2日間だった。
1区の兵頭ジュダ(2年)が終盤に第2集団を引っ張り、先頭と31秒差の区間5位で滑り出すと、関東インカレ10000m2位の花岡寿哉(2年)が順位は5つ落としたものの1時間7分33秒の好タイム。秋に結果を残した3区の鈴木天智(2年)と4区の野島健太(3年)が堅実につなぐ。5区では4年目にして箱根初出場となった喜早駿介が苦戦したものの、シードラインの10位まで1分20秒差の16位で往路を走り終えた。
16人の一斉スタートとなった復路は6区で梶谷優斗(3年)が59分7秒の区間9位で総合11位まで上げる。7区では故障から復帰した石原翔太郎(4年)は序盤から苦しい表情を見せ区間15位、総合13位に下がった。
しかし、石原と同じ岡山・倉敷高出身のルーキー・南坂柚汰が8区で魅せた。前を走る神奈川大、大東大、中大をかわすなど、区間7位で、シード権内の10位までついに浮上。9区の竹割真(2年)も粘り、タスキはアンカーのロホマン・シュモン(2年)に託された。
昨年11月の上尾ハーフで1時間2分40秒を叩き出して、一躍名乗りを上げたロホマン。「量的によく練習をする選手。地道に努力した成果がかたちとなってうれしい」と両角速駅伝監督がアピールを買っての10区起用だった。しかしロホマンは「初の大舞台。かなり緊張していました。単独走がメインという条件もあり、ふがいない走りをしてしまいました」。
11位の大東大と4秒上回ってスタートしたが、見た目ではわからないタイム差の中、6㎞付近の蒲田を過ぎると順位が逆転。距離が進むごとに徐々に差は開いていき、最終的には1分10秒差をつけられ、総合11位で大手町に帰ってきた。
ゴールでは4年生の石原と喜早がロホマンを迎え、石原は笑顔で肩を叩き健闘を称えた。主将の越陽汰(3年)を欠き、予選会は10位通過と本戦での苦戦も予想されたが、最後は激しいシード権争いを演じた。
大会後、両角速駅伝監督は「非常に悔しい結果。シードに入っていかないといけないという部分で焦りがあった」と分析。それでも、若い力での敢闘は“復活の狼煙”が上がったレースとなった。
1、2年生が6人というオーダーで見せ場を作った100回大会の東海大。ロホマンは「(兵頭)ジュダや花岡だけでなく、強い2年生全員でチームを成長させていきたい。来年は絶対シード権を取ることはもちろんですが、もっと上の順位を目指せると思っています。1人1人の力はさらにこの1年でついていくと思う」。シード権は逃しても、もっと強くなる意志を得た東海大。100回大会を糧に来季への反撃を誓う。
文/荒井寛太
第100回箱根駅伝11位の東海大メンバー
1区 兵藤ジュダ(2年)区間5位 2区 花岡寿哉(2年) 区間13位 3区 鈴木天智(2年) 区間15位 4区 野島健太(3年) 区間16位 5区 喜早駿介(4年) 区間22位 6区 梶谷優斗(3年) 区間9位 7区 石原翔太郎(4年)区間15位 8区 南坂柚汰(1年) 区間7位 9区 竹割真(2年) 区間11位 10区 ロホマン・シュモン(2年) 区間20位 ◎補員 佐伯陽生(4年) 松尾昂来(4年) 折口雄紀(4年) 越陽汰(3年) 湯野川創(2年) 永本脩(1年)RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.08.23
【男子400mH】家入俊太(東福岡高3)49秒74=高校歴代2位
2025.08.23
長距離指導者の川越学氏が63歳で急逝 資生堂、エディオンで監督歴任 競歩の藤井も指導
-
2025.08.22
-
2025.08.22
-
2025.08.21
2025.08.19
15年ぶりの箱根総合優勝へ 早大駅伝主将・山口智規「夏合宿で底上げを」 妙高で合同取材会
2025.08.16
100mH・福部真子12秒73!!ついに東京世界選手権参加標準を突破/福井ナイトゲームズ
-
2025.07.24
-
2025.08.19
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.08.23
【男子400mH】家入俊太(東福岡高3)49秒74=高校歴代2位
第80回九州選手権第1日は8月23日、大分・クラサスドーム大分で行われ、男子400mハードルで家入俊太(東福岡高3)が高校歴代2位となる49秒74をマークした。 家入は姪浜中3年時に全中400mB決勝進出。東福岡高では1 […]
2025.08.23
長距離指導者の川越学氏が63歳で急逝 資生堂、エディオンで監督歴任 競歩の藤井も指導
女子長距離を中心にトップ選手を指導してきた川越学氏が、8月22日に脳卒中のため亡くなったことがわかった。63歳だった。 鹿児島県出身の川越氏は、現役時代は鹿児島南高、早大で活躍。箱根駅伝では2度の優勝を果たし、日本インカ […]
2025.08.23
100m・ジェファーソンが10秒76V 砲丸投・ジャクソンが大会新 マリングスが円盤投初優勝/DLブリュッセル
世界最高峰シリーズのダイヤモンドリーグ(DL)第14戦・ブリュッセル大会(ベルギー)が8月22日に行われ、女子100m(-0.2)はパリ五輪銅メダルのM.ジェファーソン(米国)が10秒76で優勝した。 ジェファーソンは現 […]
2025.08.23
5000m田中希実が14分37秒19!自己4番目の好記録で世界陸上へ弾み 走高跳・真野は4位タイ/DLブリュッセル
世界最高峰シリーズのダイヤモンドリーグ(DL)第14戦・ブリュッセル大会(ベルギー)が8月22日に行われ、女子5000mに田中希実(New Balance)が出場。14分37秒19の9位だった。 田中は第2集団の後方でレ […]
Latest Issue
最新号

2025年9月号 (8月12日発売)
衝撃の5日間
広島インターハイ特集!
桐生祥秀 9秒99