◇第100回箱根駅伝・往路(東京・大手町~神奈川・箱根町/5区間107.5km)
当日変更で1区に入った篠原倖太朗(3年)が区間賞の快走を見せた。
「流れに乗っていく」と考えていた篠原は、序盤から飛び出した駿河台大の留学生、スティーブン・レマイヤン(1年)にピタリとついた。レマイヤンは14分00秒という区間記録を上回るハイペースで5kmを通過。この時点で先頭集団は青学大の荒巻朋熙(2年)、國學院大の伊地知賢造(4年)を含めた4人になっていたが、「(レマイマンが)1km2分50秒ぐらいで、良い感じで押してくれた。引っ張ってくれる人には、とりあえず引っ張らせる」と、篠原にとってはそれがちょうど良いペースだった。
途中、背後につかれるのを嫌がったレマイヤンが左右に動いたり、ペースを変えたりとやや落ち着かない素振りを見せた。そんな揺さぶりに対しても、篠原は「タイムは狙っていなかったので、どれだけ遅くなっても別にいい」と自分の走りに集中し、「嫌われちゃった部分がありましたが、冷静に自分でさばけた」と振り返る。
ただ、9km手前からレマイヤンとの一騎打ちが始まると、「後ろとの差がすごい気になっていた」という。2人で10kmを28分15秒で通過したものの、「(後続が)あまり離れていなくて、途中でもう自分で行こうと思って行きました」と、13.3kmで篠原がこの日初めて先頭に立った。
序盤のハイペースがたたり、残り5kmを切ってから伊地知や荒巻が後ろの集団に吸収されていくなか、篠原の勢いはまったく衰えない。六郷橋の上りに入る前の17.7kmあたりからレマイヤンを徐々に引き離していった。
「(六郷橋を)上った後に少し続く平坦でペースが落ちるイメージあったので、本来は16kmぐらいから離して、その平坦でさらに行こうと思っていました。ですが、その時点で単独走になっていたので、(事前のレースプランは)あまり意識せず、自然にペース上がりました」
その後も快調な走りを続けた篠原は、区間歴代2位の1時間1分02秒でタスキリレー。「区間賞は狙っていたので、ホッとしています」と安堵の表情を浮かべた。
駒大の1区区間賞は、2015年の中村匠吾(現・富士通)以来9年ぶりとなる。「自分の目標でもある選手なので、そういう人と同じ結果が出せたことはうれしいです」と笑顔を見せた。
1区出走が決まったのは、大会直前だった。それを告げられた時、「自分はずっと復路だと思っていたので、『あ、1区か』と思っただけでした」と篠原。「自分はどこでも走れるので、いつ決まってもいい」と、チーム屈指のユーティリティぶりを大一番でも発揮した。
篠原の区間賞で勢いに乗りたい駒大だったが、往路は青学大に2分以上の差をつけられて2位。篠原はフィニッシュの大手町で仲間が笑顔で戻ってくるのを信じて待つ。
文/小野哲史
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