HOME 学生長距離

2023.12.22

【Playback箱根駅伝】第65回/順大 9区の再逆転で4連覇 ケニア人留学生が初参加
【Playback箱根駅伝】第65回/順大 9区の再逆転で4連覇 ケニア人留学生が初参加

第65回箱根駅伝/ガッツポーズでフィニッシュテープを切る順大の巽博和

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第65回(1989年/昭和64年)
昭和最後の大会は順大と日体大が9区まで接戦 山梨学大が初シード

復路に主力を温存した順大が日体大を終盤の9区で再逆転。11時間14分50秒で4連覇を達成して、8回目の優勝を飾った。往路、復路ともに制する完全優勝は2年連続となった。

順大は1区の三浦武彦が六郷橋の下りで仕掛けて区間賞と最高のスタートを切る。花の2区には前回区間2位の鈴木賢一を配置していたが、この区間の主役となったのは初の外国人留学生選手である山梨学大のジョセフ・オツオリだった。

順大と48秒差の8位でタスキを受けたオツオリは6.2km地点で順大を抜いて首位に立つ。オツオリは区間賞の快走を見せてトップ中継を果たすと、3区の福田正志も区間4位と好走して首位を守った。

3区を終えた時点で山梨学大と1分11秒差の3位だった順大は4区の倉林俊彰が区間賞の走りで再びトップへ。5区では前回に6区で区間新記録を出した順大の仲村明を1分47秒差でスタートした日体大の島津秀一が追いかける展開。島津は最高点付近で仲村をとらえたが、得意の下りで仲村が仕掛けて往路連覇を果たし、日体大は12秒差で続いた。

だが、順大は6区で今村稔和が日体大の川嶋伸次に抜かれると、7区の橘謙が区間10位と振るわず、1分59秒の差をつけられてしまう。8区の畑中良介は区間賞の走りを見せたが、日体大との差は4秒しか詰まらず、苦しいレースとなった。

それでも順大は9区に前回10区区間賞の山田和人を残していた。教員を目指すため自衛隊を辞めて入学した経歴を持つ山田は16km過ぎに日体大を捕まえて再逆転。鶴見中継所では2分03秒差の貯金を作って4連覇を確固たるものにした。

広告の下にコンテンツが続きます

オツオリの快走があった山梨学大は7位と健闘。出場3回目にして初のシード権を獲得した。

参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第65回(1989年/昭和64年) 昭和最後の大会は順大と日体大が9区まで接戦 山梨学大が初シード

復路に主力を温存した順大が日体大を終盤の9区で再逆転。11時間14分50秒で4連覇を達成して、8回目の優勝を飾った。往路、復路ともに制する完全優勝は2年連続となった。 順大は1区の三浦武彦が六郷橋の下りで仕掛けて区間賞と最高のスタートを切る。花の2区には前回区間2位の鈴木賢一を配置していたが、この区間の主役となったのは初の外国人留学生選手である山梨学大のジョセフ・オツオリだった。 順大と48秒差の8位でタスキを受けたオツオリは6.2km地点で順大を抜いて首位に立つ。オツオリは区間賞の快走を見せてトップ中継を果たすと、3区の福田正志も区間4位と好走して首位を守った。 3区を終えた時点で山梨学大と1分11秒差の3位だった順大は4区の倉林俊彰が区間賞の走りで再びトップへ。5区では前回に6区で区間新記録を出した順大の仲村明を1分47秒差でスタートした日体大の島津秀一が追いかける展開。島津は最高点付近で仲村をとらえたが、得意の下りで仲村が仕掛けて往路連覇を果たし、日体大は12秒差で続いた。 だが、順大は6区で今村稔和が日体大の川嶋伸次に抜かれると、7区の橘謙が区間10位と振るわず、1分59秒の差をつけられてしまう。8区の畑中良介は区間賞の走りを見せたが、日体大との差は4秒しか詰まらず、苦しいレースとなった。 それでも順大は9区に前回10区区間賞の山田和人を残していた。教員を目指すため自衛隊を辞めて入学した経歴を持つ山田は16km過ぎに日体大を捕まえて再逆転。鶴見中継所では2分03秒差の貯金を作って4連覇を確固たるものにした。 オツオリの快走があった山梨学大は7位と健闘。出場3回目にして初のシード権を獲得した。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

第65回箱根駅伝総合成績をチェック

●総合成績 1位 順大  11時間14分50秒 2位 日体大 11時間17分39秒 3位 中大  11時間26分42秒 4位 大東大 11時間29分19秒 5位 日大  11時間30分06秒 6位 駒大  11時間35分01秒 7位 山梨学大11時間35分43秒 8位 東海大 11時間36分32秒 9位 東農大 11時間41分17秒 10位 早大  11時間42分47秒 11位 明大  11時間43分21秒 12位 国士大 11時間46分16秒 13位 筑波大 11時間47分07秒 14位 東洋大 11時間49分36秒 15位 法大  12時間04分22秒 ●区間賞 1区 三浦武彦(順大)  1時間05分40秒 2区 J.オツオリ(山梨学大)1時間08分23秒 3区 山口政信(大東大) 1時間05分20秒 4区 倉林俊彰(順大)  1時間03分18秒 5区 島津秀一(日体大) 1時間12分40秒 6区 川嶋伸次(日体大) 1時間00分03秒 7区 幸保雅信(日大)  1時間05分25秒 8区 畑中良介(順大)  1時間07分14秒 9区 山田和人(順大)  1時間10分09秒 10区 北川貢(日大)   1時間06分36秒

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.12.02

1万mで塩尻和也が27分36秒37で1着タイ 山谷昌也27分50秒77 伊藤達彦、長嶋幸宝、鈴木健吾らも27分台/日体大長距離競技会

第318回日体大長距離競技会兼第13回NITTAIDAI Challenge Games(NCG)が12月1日に行われ、NCG男子10000mは日本記録保持者の塩尻和也(富士通)、フィレモン・キプラガット(愛三工業)の2 […]

NEWS 東洋大男子長距離部門がセブン銀行と契約「日々挑戦する心で革新」箱根駅伝からロゴ入りユニ着用

2024.12.02

東洋大男子長距離部門がセブン銀行と契約「日々挑戦する心で革新」箱根駅伝からロゴ入りユニ着用

株式会社セブン銀行は12月2日、東洋大学陸上競技部男子長距離部門の公式トレーニングウェア・公式ユニフォームへのロゴ掲出に関する契約を締結したと発表した。 東洋大は箱根駅伝で優勝4度を誇り、19年連続シード権獲得中。スクー […]

NEWS やり投・北口榛花がアサヒ生ビールCMに登場「お疲れ生です!」ではにかむ

2024.12.02

やり投・北口榛花がアサヒ生ビールCMに登場「お疲れ生です!」ではにかむ

アサヒビール株式会社は、“マルエフ”の愛称で親しまれる『アサヒ生ビール』の新TVCM「2024今年も一年おつかれ生です」篇を12月1日から放映。女子やり投でパリ五輪金メダルに輝いた北口榛花(JAL)が出演している。 訪日 […]

NEWS やり投五輪金の北口榛花「名言が残せなかった」流行語大賞トップ10入り!「流行った自覚ない(笑)」

2024.12.02

やり投五輪金の北口榛花「名言が残せなかった」流行語大賞トップ10入り!「流行った自覚ない(笑)」

2024年を代表する言葉を選ぶ「現代用語の基礎知識選 2024ユーキャン新語・流行語大賞」の表彰式が12月2日に都内で行われ、パリ五輪女子やり投金メダルの北口榛花(JAL)の「名言が残せなかった」がトップ10入りを果たし […]

NEWS 中大・本間颯がハーフマラソンで1時間2分45秒の自己新 溜池一太、吉居駿恭らもベスト更新/THE DISTANCE GAMES

2024.12.02

中大・本間颯がハーフマラソンで1時間2分45秒の自己新 溜池一太、吉居駿恭らもベスト更新/THE DISTANCE GAMES

12月1日、THE DISTANCE GAMESが東京都の荒川河川敷の公認コースで行われ、ハーフマラソンの部では本間颯(中大)が1時間2分45秒の自己新でトップフィニッシュを果たした。 チームのSNSによると、この日は主 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年12月号 (11月14日発売)

2024年12月号 (11月14日発売)

全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会

page top