HOME 学生長距離

2023.12.22

【Playback箱根駅伝】第62回/「復路の順大」が6分32秒差を大逆転!駒大・大八木弘明が2区で区間賞
【Playback箱根駅伝】第62回/「復路の順大」が6分32秒差を大逆転!駒大・大八木弘明が2区で区間賞

第62回箱根駅伝/2区で区間賞を獲得した駒大・大八木弘明(右)

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第62回(1986年/昭和61年)
順大往路5位から起死回生 駒大が過去最高4位

順大を象徴するような第62回だった。11時間19分33秒で4年ぶり5回目の優勝を果たした順大だが、往路終了時点では首位と6分32秒差の5位。復路で驚異的な巻き返しを見せて栄冠をつかんだ。

広告の下にコンテンツが続きます

往路序盤で見せ場を作ったのは駒大だ。2区を走ったのは現在、駒大の総監督を務める大八木弘明。6位でタスキをもらった大八木は日体大と熾烈な先頭争いを繰り広げる。惜しくも1秒差で日体大に先行を許したが、大八木は区間賞を獲得。3区では東郷裕昭が1位でタスキをつなぎ、最終的には過去最高の4位の好成績を収めた。

往路優勝を果たしたのは早大。4区の豊福嘉弘が区間賞の快走で4位から1位に上がると、5区では4回目の山上りとなった木下哲彦が2年連続の区間賞で往路3連覇を達成した。木下は4年間5区を走り、区間賞2回、区間2位2回の好成績を収めた。

順大が反撃を開始したのは7区の石原典泰から。石原は区間賞の快走で5位から2位に順位を上げる。一方、先頭を走る早大の太田真樹は区間11位のブレーキで、両チームの差は2分07秒差に縮まった。

8区、9区はともに譲らず、鶴見中継所の時点で2分6秒差。まだ早大が優勢に見られたが、選手層の薄かった早大は800mが専門の藤原良典を10区に起用せざるを得なかった。藤原が区間14位と苦しむ一方で、順大の工藤康弘は区間2位と快調な走りを見せて10.5㎞付近で逆転。最終的には2分41秒差をつけた。

広告の下にコンテンツが続きます

往路5位からの逆転Vは当時としては最大の逆転劇。順大はこの年から4連覇を達成。復路に強さを発揮する駅伝で黄金時代を築いていく。

一方で総合優勝12回の名門・日大が12位に終わり、初めてシード権を失った。

参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第62回(1986年/昭和61年) 順大往路5位から起死回生 駒大が過去最高4位

順大を象徴するような第62回だった。11時間19分33秒で4年ぶり5回目の優勝を果たした順大だが、往路終了時点では首位と6分32秒差の5位。復路で驚異的な巻き返しを見せて栄冠をつかんだ。 往路序盤で見せ場を作ったのは駒大だ。2区を走ったのは現在、駒大の総監督を務める大八木弘明。6位でタスキをもらった大八木は日体大と熾烈な先頭争いを繰り広げる。惜しくも1秒差で日体大に先行を許したが、大八木は区間賞を獲得。3区では東郷裕昭が1位でタスキをつなぎ、最終的には過去最高の4位の好成績を収めた。 往路優勝を果たしたのは早大。4区の豊福嘉弘が区間賞の快走で4位から1位に上がると、5区では4回目の山上りとなった木下哲彦が2年連続の区間賞で往路3連覇を達成した。木下は4年間5区を走り、区間賞2回、区間2位2回の好成績を収めた。 順大が反撃を開始したのは7区の石原典泰から。石原は区間賞の快走で5位から2位に順位を上げる。一方、先頭を走る早大の太田真樹は区間11位のブレーキで、両チームの差は2分07秒差に縮まった。 8区、9区はともに譲らず、鶴見中継所の時点で2分6秒差。まだ早大が優勢に見られたが、選手層の薄かった早大は800mが専門の藤原良典を10区に起用せざるを得なかった。藤原が区間14位と苦しむ一方で、順大の工藤康弘は区間2位と快調な走りを見せて10.5㎞付近で逆転。最終的には2分41秒差をつけた。 往路5位からの逆転Vは当時としては最大の逆転劇。順大はこの年から4連覇を達成。復路に強さを発揮する駅伝で黄金時代を築いていく。 一方で総合優勝12回の名門・日大が12位に終わり、初めてシード権を失った。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

第62回箱根駅伝総合成績をチェック

●総合成績 1位 順大  11時間19分33秒 2位 早大  11時間22分14秒 3位 大東大 11時間23分25秒 4位 駒大  11時間26分02秒 5位 東農大 11時間26分10秒 6位 日体大 11時間26分42秒 7位 東海大 11時間31分53秒 8位 中大  11時間35分07秒 9位 国士大 11時間39分45秒 10位 専大  11時間41分57秒 11位 筑波大 11時間44分54秒 12位 日大  11時間46分26秒 13位 東洋大 11時間55分04秒 14位 亜細亜大12時間04分49秒 15位 明大  12時間05分01秒 ●区間賞 1区 岡部邦彦(東農大) 1時間04分07秒 2区 大八木弘明(駒大) 1時間10分00秒 3区 岩佐吉章(順大)  1時間05分27秒 4区 豊福嘉弘(早大)  1時間05分53秒 5区 木下哲彦(早大)  1時間12分01秒 6区 吉崎修(中大)   1時間00分46秒 7区 石原典泰(順大)  1時間05分20秒 8区 杉本和之(早大)  1時間07分09秒 9区 佐々木津夫(大東大)1時間10分23秒 10区 江口和浩(大東大) 1時間05分58秒

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.07.03

男子円盤投世界記録保持者・アレクナ 来季からオレゴン大に編入

7月2日、米国のオレゴン大は男子円盤投の世界記録保持者であるマイコラス・アレクナ(リトアニア)が、来季からチームに加入することを発表した。 アレクナは2002年生まれの22歳。シドニー、アテネ五輪で2度金メダルを獲得して […]

NEWS 青学大・小河原陽琉が5000m13分56秒66で全体トップ 3000mは鳥井健太が8分12秒74/絆記録会

2025.07.02

青学大・小河原陽琉が5000m13分56秒66で全体トップ 3000mは鳥井健太が8分12秒74/絆記録会

第15回絆記録挑戦会が7月2日、東京・町田GIONスタジアムで行われ、青学大勢が多数出場した。 男子5000mは1月の箱根駅伝10区区間賞で、5月の関東インカレ(2部)1500mで2位に入っていた小河原陽琉(2年)が13 […]

NEWS 日本選手権初日のスタートリスト発表!100m予選でサニブラウンと桐生祥秀が同組

2025.07.02

日本選手権初日のスタートリスト発表!100m予選でサニブラウンと桐生祥秀が同組

東京世界選手権の代表選考会を兼ねた第109回日本選手権の1日目のスタートリストが発表された。 男子100m予選は全7組。9秒96で東京世界選手権の参加標準記録(10秒00)をただ1人突破しているサニブラウン・アブデル・ハ […]

NEWS 駒大・佐藤圭汰が日本選手権5000mスタートリストから外れる 東京世界陸上出場厳しく

2025.07.02

駒大・佐藤圭汰が日本選手権5000mスタートリストから外れる 東京世界陸上出場厳しく

日本陸連は7月2日、今年9月の東京世界選手権代表選考を兼ねた日本選手権(東京・国立競技場)第1日(7月4日)のスタートリストを発表し、男子5000mにエントリーしていた佐藤圭汰(駒大)が外れた。佐藤は出場資格獲得条件の一 […]

NEWS 「TOKYO ナイトリレーフェス in 国立競技場」が10月17日開催!東京レガシーハーフマラソンの前々日イベント 7 月2日から参加者募集

2025.07.02

「TOKYO ナイトリレーフェス in 国立競技場」が10月17日開催!東京レガシーハーフマラソンの前々日イベント 7 月2日から参加者募集

一般財団法人東京マラソン財団は7月2日、東京レガシーハーフマラソン2025(10月19日)の前々日イベントとして、10月17日に「TOKYO ナイトリレーフェス in 国立競技場」を開催することを発表した。 国立競技場内 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年7月号 (6月13日発売)

2025年7月号 (6月13日発売)

詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会

page top