2023.11.03
第55回全日本大学駅伝は11月5日(日)、愛知・熱田神宮西門前をスタート、三重・伊勢神宮内宮宇治橋前をフィニッシュの8区間106.8kmのコースで開催される。
出場校は前回8位までに入ったシード校の駒大、國學院大、青学大、順大、創価大、早大、中大、東洋大そこに各地区予選を勝ち抜いた17校とオープン参加の日本学連選抜と東海学連選抜を加えた27チームとなる。
駅伝日本一の座を懸けた、学生たちによる熱き戦い。すでに発表されている各チームのエントリー選手の情報をもとに、優勝争い&シード権争いの展望と見どころを紹介する。
駒大が4連覇に挑む
優勝候補筆頭は2011~14年に続く4連覇が懸かる駒大だ。昨年度は史上5校目の学生駅伝3冠を達成し、今季は10月の出雲駅伝で大会新とさらにパワーアップを遂げている。
主軸を担うのは出雲駅伝でも区間賞を獲得した鈴木芽吹(4年)、篠原倖太朗(3年)、佐藤圭汰(2年)の3人。鈴木と篠原は10000mで27分40秒台、佐藤は5000mで13分22秒91と学生屈指のスピードを誇る。
そこに花尾恭輔や赤星雄斗(ともに4年)、山川拓馬、伊藤蒼唯(ともに2年)らロードに強い選手も多くそろっており、主力が1人欠けてもカバーできるだけの選手層もある。
佐藤は前回区間2位(区間新)と好走した2区が濃厚か。鈴木と篠原のどちらかが近年重要度が7区に入りそうで、篠原が最短区間の1区(9.5km)に入るようだと、1区篠原、2区佐藤で独走態勢を築くことができる。
10000m27分台の唐澤拓海(4年)がエントリーから外れたが、その影響をまったく感じさせないほど、戦力はずば抜けている。
駒大が4連覇に挑む
優勝候補筆頭は2011~14年に続く4連覇が懸かる駒大だ。昨年度は史上5校目の学生駅伝3冠を達成し、今季は10月の出雲駅伝で大会新とさらにパワーアップを遂げている。 主軸を担うのは出雲駅伝でも区間賞を獲得した鈴木芽吹(4年)、篠原倖太朗(3年)、佐藤圭汰(2年)の3人。鈴木と篠原は10000mで27分40秒台、佐藤は5000mで13分22秒91と学生屈指のスピードを誇る。 そこに花尾恭輔や赤星雄斗(ともに4年)、山川拓馬、伊藤蒼唯(ともに2年)らロードに強い選手も多くそろっており、主力が1人欠けてもカバーできるだけの選手層もある。 佐藤は前回区間2位(区間新)と好走した2区が濃厚か。鈴木と篠原のどちらかが近年重要度が7区に入りそうで、篠原が最短区間の1区(9.5km)に入るようだと、1区篠原、2区佐藤で独走態勢を築くことができる。 10000m27分台の唐澤拓海(4年)がエントリーから外れたが、その影響をまったく感じさせないほど、戦力はずば抜けている。王者を追う國學院大、青学大、中大ら
駒大を追うのは前回2位の國學院大、同3位の青学大、箱根駅伝2位の中大あたりになりそう。 國學院大は昨年度の出雲駅伝2位、全日本2位、箱根4位、今年の出雲4位と非常に高い水準で安定している。伊地知賢造(4年)、平林清澄、山本歩夢(ともに3年)の3本柱が強力で、そこに追随する青木瑠郁、上原琉翔、高山豪起(以上2年)も力をつけている。 チーム目標は「表彰台(3位以内)」。過去2大会では山本が前半区間、平林が7区、伊地知が8区と固定しており、伊地知は2年前に区間賞を手にしている。 終盤2区間は駒大とも互角に戦えるため、前半区間をどう乗り越えるかが課題となる。 青学大も2014年からの9大会で優勝2回、2位3回、3位3回、4位1回と非常に高い安定感を誇る。 その強さの根源となるのが5000m13分台22人という圧倒的な選手層だ。それぞれが高い走力を持ち、日々の部内競争の末に毎年高い完成度を誇る。 出雲駅伝で区間賞を獲得した黒田朝日(2年)、山内健登(4年)が急成長を遂げ、そこに佐藤一世(4年)、太田蒼生、若林宏樹(ともに3年)ら実力者もずらり。近年は故障者が多く主力の足並みがそろわないことが課題だが、万全のオーダーが組めれば目標の「優勝」が見えてくる。 中大は今季5000mで吉居駿恭(2年)が13分22秒01、中野翔太(4年)が13分24秒11、吉居大和(4年)が13分27秒72と上位層は駒大にも引けを取らない活躍を見せた。 なかでも吉居大は2年時の箱根駅伝以降、出走した駅伝で4大会連続区間賞を手にしており、昨年の全日本では直前に帯状疱疹を発症するアクシデントを乗り越えて6区で区間新記録を樹立している。 出雲駅伝では1週間前に世界ロードランニング選手権に出場した影響で調整が間に合わず欠場となったが、万全なら他校の脅威となる存在だ。 他にも中大は前回長距離区間を担った7区の湯浅仁(4年)、8区の阿部陽樹(3年)が健在で、吉居兄弟と中野を前半に固めることができる強みがある。出雲は吉居大不在が響いて7位に終わったものの、全日本では優勝を狙いに行く。シード争いは今年も激戦!順大、創価大、早大、選考会から這い上がった城西大、大東大、東海大にも注目
シード権争いは今年も激戦必至。前回4位の順大、同5位の創価大、同6位の早大、選考会から這い上がった城西大、大東大、東海大にも注目が集まる。 順大は出雲駅伝で関東勢最下位の10位に沈んだものの、エースの三浦龍司(4年)が不在だった。 三浦は3000m障害でブダペスト世界選手権6位、9月は世界最高峰のダイヤモンドリーグ・ファイナルで5位と世界を戦い抜いた。 その三浦は前半区間に入る見込みで、三浦をしのぐ5000mの自己記録(13分22秒99)を持つスーパールーキーの吉岡大翔も前半に入りそう。中盤までは上位争いに加わりそうだ。 創価大は出雲駅伝で過去最高の2位と躍進。4区山森龍暁(4年)、5区吉田響(3年)が区間賞を手にし、最長6区(10.2km)の吉田凌(3年)も区間4位と好走した。 さらにリーキー・カミナ(3年)とスティーブン・ムチーニ(1年)の2人いる留学生のどちらかを起用できる強みがあり、序盤にどちらかを使って主導権を握り、中盤に山森、終盤にダブル吉田という布陣も可能だ。 早大は昨年の全日本、今年の箱根、出雲と学生駅伝すべてで6位。今季、石塚陽士、伊藤大志(ともに3年)、山口智規(2年)が5000mで13分35秒前後の自己新をマークし、石塚は10000mで27分台に突入している。3人が活躍した関東インカレでは工藤慎作(1年)も1部10000mで6位に入った。 駅伝ではまだ本領を発揮できていないものの、個々のポテンシャルは上位校に匹敵。出雲でアンカーを務めた長屋匡起(1年)ら新戦力がさらに台頭してくるようだと上位進出も見えてくる。 上記3校はいずれも「3位以内」を目標に掲げている。 選考会を勝ち抜いてきた城西大、大東大、東海大も強力。なかでも城西大は関東地区選考会を1位通過した勢いで出雲駅伝で過去最高の3位と大躍進を遂げた。山本唯翔(4年)、斎藤将也、ヴィクター・キムタイ(ともに2年)の3本柱が強力で、キムタイは関東インカレ2部の5000m、10000mで2冠に輝いている。過去最高成績は8位で、ここでも過去最高順位が狙えそうだ。 大東大と東海大は10月14日の箱根駅伝予選会を経ての出場。大東大はそこでトップ通過を果たし、勢いに乗って伊勢路へ乗り込む。前回はピーター・ワンジル(現3年)が1区区間賞で幸先の良いスタートを切ったものの、後続が続けず11位に終わった。今年はさらに戦力がパワーアップしているため、2005年以来18年ぶりのシード権獲得がターゲットとなる。 東海大は箱根予選会で10位と苦戦したものの、欠場したエースの石原翔太郎(4年)、駅伝主将の越陽汰(3年)がエントリーに名を連ねている。石原は1年時に4区、昨年は3区で区間賞を獲得しており、エースの好走で3年ぶりシード奪還へと導けるか。 そのほか14年ぶり出場となる東農大のルーキー・前田和摩にも注目が集まる。6月の選考会では10000mでU20日本歴代2位となる28分03秒51を叩き出すと、10月の箱根駅伝予選会ではハーフマラソンのU20日本歴代2位となる1時間1分42秒と爆走を続けた。順大の吉岡とともに、スーパー1年生が大会を席巻するかもしれない。 関東勢以外では出雲駅伝で11位に入った関大に勢いがある。3年時の日本インカレ10000mで日本人トップに輝いているエースの亀田仁一路(4年)を序盤に投入し、流れを引き寄せたいところだ。 レースは11月5日(日)8時05分スタート。テレビ朝日系列で7時45分から生中継される。第55回全日本大学駅伝 シード校エントリー選手一覧
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