HOME 国内、世界陸上、日本代表
男子4×400mRは日本歴代2位の力走もまさかの予選落ち 佐藤拳太郎「信じられない結果」中島「冷静さに欠けた」/世界陸上
男子4×400mRは日本歴代2位の力走もまさかの予選落ち 佐藤拳太郎「信じられない結果」中島「冷静さに欠けた」/世界陸上

4×400mR予選で日本は3走佐藤拳太郎(左)、中島佑気ジョセフが力走を見せたが、決勝進出を逃した

◇ブダペスト世界陸上(8月19日~27日/ハンガリー・ブダペスト)8日目

ブダペスト世界陸上8日目のアフタヌーンセッションが行われ、男子4×400mリレーの予選に出場した日本は1組で3分00秒39の5着となり、全体の10番目のタイムで決勝進出は果たせなかった。

広告の下にコンテンツが続きます

1走を務めたのは今季急成長の地主直央(法大)。ただ、世界選手権初出場の緊張からか後半の伸びを欠く。7番手でのバトン渡しとなり、「納得いかない走り。悔しい気持ちでいっぱい」と唇を噛んだ。

追いかける立場となった2走の佐藤風雅(ミズノ)は「後方からの展開になって、前半で進めず後手、後手になってしまった」と難しいレースに。バトンゾーンで待機する次走者は前走者の第3コーナーを通過した順に並ぶ「コーナートップ制」のルールの不利を受け、ホームストレートでもアウトレーンに膨らまざるをえなかった。

同じく7位でバトンを受けた3走の佐藤拳太郎(富士通)が2人をかわして5位に浮上する力走を見せたが、4位とは10mほどの差に。アンカーの中島佑気ジョセフ(東洋大)はイン側から上がってきたトリニダードトバゴの選手と接触する不運があり、5位は守ったものの上位との差を詰めることはできなかった。

前回大会では2分59秒51の日本新記録をマークして4位入賞。今大会では個人の400mに出場した佐藤拳太郎が44秒77の日本新、佐藤風雅が自身初の44秒台を出し、中島も自己新をマークした。いずれも予選を突破する快挙で、4×400mリレーでは初のメダルの期待も高まっていた。

広告の下にコンテンツが続きます

それだけに予選落ちという結果にメンバーたちは大きくショックを受け、佐藤拳太郎は「信じられない結果。すべて私がチームをまとめられなかった」と呆然とした様子。中島も「現実をしっかり受け止めないといけない。チーム全体の反省もそうですし、自分の走りも思ったより後方で冷静さに欠けた」と言葉少なだった。

予選通過ラインは3分00秒23で、日本とはわずか0.16秒差。個々の走力は上がっており、序盤で前に出られず外側を走らされる不利があったことを考えれば、展開次第では決勝進出は見えていたはずだった。

「この場で決勝に残れないチームがメダルなんて到底取れない。パリ五輪までとにかく時間がない」と焦燥感を口にした佐藤拳太郎。予選では同組のインドが2分59秒05とアジア新記録もマークするなど、世界的にレベルも上昇している。24年パリ五輪、25年東京世界選手権と続くが、世界のファイナル、そしてメダル獲得に向けて、戦術的な練り直しが急務となった。

◇ブダペスト世界陸上(8月19日~27日/ハンガリー・ブダペスト)8日目 ブダペスト世界陸上8日目のアフタヌーンセッションが行われ、男子4×400mリレーの予選に出場した日本は1組で3分00秒39の5着となり、全体の10番目のタイムで決勝進出は果たせなかった。 1走を務めたのは今季急成長の地主直央(法大)。ただ、世界選手権初出場の緊張からか後半の伸びを欠く。7番手でのバトン渡しとなり、「納得いかない走り。悔しい気持ちでいっぱい」と唇を噛んだ。 追いかける立場となった2走の佐藤風雅(ミズノ)は「後方からの展開になって、前半で進めず後手、後手になってしまった」と難しいレースに。バトンゾーンで待機する次走者は前走者の第3コーナーを通過した順に並ぶ「コーナートップ制」のルールの不利を受け、ホームストレートでもアウトレーンに膨らまざるをえなかった。 同じく7位でバトンを受けた3走の佐藤拳太郎(富士通)が2人をかわして5位に浮上する力走を見せたが、4位とは10mほどの差に。アンカーの中島佑気ジョセフ(東洋大)はイン側から上がってきたトリニダードトバゴの選手と接触する不運があり、5位は守ったものの上位との差を詰めることはできなかった。 前回大会では2分59秒51の日本新記録をマークして4位入賞。今大会では個人の400mに出場した佐藤拳太郎が44秒77の日本新、佐藤風雅が自身初の44秒台を出し、中島も自己新をマークした。いずれも予選を突破する快挙で、4×400mリレーでは初のメダルの期待も高まっていた。 それだけに予選落ちという結果にメンバーたちは大きくショックを受け、佐藤拳太郎は「信じられない結果。すべて私がチームをまとめられなかった」と呆然とした様子。中島も「現実をしっかり受け止めないといけない。チーム全体の反省もそうですし、自分の走りも思ったより後方で冷静さに欠けた」と言葉少なだった。 予選通過ラインは3分00秒23で、日本とはわずか0.16秒差。個々の走力は上がっており、序盤で前に出られず外側を走らされる不利があったことを考えれば、展開次第では決勝進出は見えていたはずだった。 「この場で決勝に残れないチームがメダルなんて到底取れない。パリ五輪までとにかく時間がない」と焦燥感を口にした佐藤拳太郎。予選では同組のインドが2分59秒05とアジア新記録もマークするなど、世界的にレベルも上昇している。24年パリ五輪、25年東京世界選手権と続くが、世界のファイナル、そしてメダル獲得に向けて、戦術的な練り直しが急務となった。

【動画】力走もファイナルに0.16秒及ばず 男子4×400mRをチェック

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.05.03

パリ五輪へ!日本選手権10000m、今日静岡で号砲 男子は塩尻、太田、相澤の三つ巴か

◇第108回日本選手権10000m(5月3日/小笠山総合運動公園静岡スタジアム) パリ五輪代表選考会となる第108回日本選手権10000mが5月3日に静岡・エコパで行われる。日本GPシリーズの静岡国際の後に開催となるのは […]

NEWS 関西インカレに五輪代表・柳井綾音が10000m競歩にエントリー! 藏重みうは100m、200mの2種目登録 男子走高跳・山中駿、女子400mH山本亜美も出場

2024.05.02

関西インカレに五輪代表・柳井綾音が10000m競歩にエントリー! 藏重みうは100m、200mの2種目登録 男子走高跳・山中駿、女子400mH山本亜美も出場

関西学連は5月2日、第101回関西インカレ(T&Fの部/5月22日~25日)のエントリーを発表した。 今年の日本選手権女子20km競歩で3位に入り、パリ五輪の男女混合競歩リレーの代表にも選出された柳井綾音(立命 […]

NEWS 栗原啓吾が富士山の銘水に加入 「新たな環境で陸上を続けられる感謝を忘れず」 3月にSUBARUを退社

2024.05.02

栗原啓吾が富士山の銘水に加入 「新たな環境で陸上を続けられる感謝を忘れず」 3月にSUBARUを退社

富士山の銘水は、5月1日付で栗原啓吾が入社したことを発表した。 栗原は群馬県出身。東農大二高時代に3年連続で全国高校駅伝の4区を走るなど活躍し、中央学大では1、2、4年時に箱根駅伝に出場。2年時には1区でトップと13秒差 […]

NEWS 単独インタビュー「私は田中希実ですと自信を持って言えるようになった」プロ1年目の総括と思い描くパリでのレース

2024.05.02

単独インタビュー「私は田中希実ですと自信を持って言えるようになった」プロ1年目の総括と思い描くパリでのレース

昨年4月、田中希実は実業団チームを離れて「New Balance」所属の“プロランナー”としてのキャリアをスタートさせた。 プロとして駆け抜けた1年。ブダペスト世界選手権では5000m8位入賞し、ダイヤモンドリーグ(DL […]

NEWS 塩尻和也、太田智樹、相澤晃がパリ五輪に近づくか!?田澤が欠場、次の勢力は!?/日本選手権10000m

2024.05.02

塩尻和也、太田智樹、相澤晃がパリ五輪に近づくか!?田澤が欠場、次の勢力は!?/日本選手権10000m

パリ五輪代表選考会となる第108回日本選手権10000mが5月3日に静岡・小笠山総合運動公園静岡スタジアムで行われる。男子の有力選手を見ていこう。 【女子のみどころ】3連覇中の本命・廣中が不在 小海遥、五島莉乃、高島由香 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年5月号 (4月12日発売)

2024年5月号 (4月12日発売)

パリ五輪イヤー開幕!

page top