◇第31回FISUワールドユニバーシティゲームズ 陸上競技(8月1日~6日)5日目
ワールドユニバーシティゲームズ(中国・成都)の陸上競技5日目が行われ、男子110mハードルで豊田兼(慶大)が13秒40(-0.2)で金メダルを獲得した。世界大会においてこの種目の金メダル獲得は、世界選手権や五輪、ジュニア世代も含めて日本初の快挙となる。
豊田は予選で日本歴代6位となる13秒29(+1.1)の好タイムをマーク。決勝では中国の寧瀟函と競り合いとなるなか、10台目を降りてから最後はスプリント勝負となり、身体を突き出して制した。
世界大会の110mハードルではこれまで、15年ユニバーシアード(現・ワールドユニバーシティゲームズ)で増野元太(国武大)が日本初メダルとなる銅メダルを獲得。U20世界選手権では古谷拓夢(早大)、泉谷駿介(順大、現・住友電工)が獲得。泉谷は19年のユニバーシアードでも銅メダルを手にしている。
豊田は身長195cmの大型ハードラーで、父はフランス出身、母は日本人。小学生の頃に母の勧めで陸上クラブに入部した。東京・桐朋中では四種競技に取り組み、中高一貫で内部進学してから、ハードルを得意としていたため110mハードルと400mハードルを始めた。高校時代のベストは14秒09と52秒00。
慶大でに進学後は山縣亮太(セイコー)や寺田明日香(ジャパンクリエイト)らを指導する高野大樹コーチの元でさらに才能が開花。昨年は13秒44、49秒76まで記録を短縮し、400mでも45秒92を持つ。この冬は日本陸連のマイルリレー候補選手として米国・南カリフォルニア大に遠征するなど経験を積んだ。
今季はユニバ選考会だった日本学生個人選手権で13秒50をマークして優勝。その後は体調不良などもあり、400mハードルで世界選手権を目指したものの届かず。それでも南部記念で13秒48まで復調し、ユニバに向けて調子を上げてきていた。以前の取材では「どちらかに絞らず両方やりたい」と両種目で世界を目指す意向を示している。
男子110mH日本歴代10傑と豊田兼の自己記録
13.04 -0.9 泉谷 駿介(住友電工) 2023. 6. 4 13.10 0.6 高山 峻野(ゼンリン) 2022. 8. 6 13.16 1.7 金井 大旺(ミズノ) 2021. 4.29 13.18 0.9 村竹ラシッド(順大4) 2023. 7.29 13.20 0.9 野本 周成(愛媛陸協) 2023. 7.29 13.29 1.1 豊田 兼(慶大3) 2023. 8. 4 13.33 0.9 横地 大雅(TeamSSP) 2023. 7.29 13.36 0.3 石川 周平(富士通) 2023. 5.21 13.39 1.5 谷川 聡(ミズノ) 2004. 8.24 13.40 0.0 増野 元太(ヤマダ電機) 2017. 6.24 豊田兼の自己記録 110mH 13秒29 400mH 49秒76 400m 45秒92
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.04.30
5.3静岡国際、パリ五輪代表の坂井隆一郎、200m世界陸上標準突破の水久保漱至らが欠場
2025.04.30
26年ブダペスト開催の「世界陸上アルティメット選手権」やり投・北口榛花が出場権獲得
2025.04.30
100mH寺田明日香 恩師の訃報に「熱意と愛情を少しでも次の世代へ引き継げるように」
-
2025.04.30
-
2025.04.30
2025.04.29
100mH田中佑美が予選トップ通過も決勝棄権「故障ではない」昨年の結婚も明かす/織田記念
2025.04.28
100mH田中佑美が国内初戦「ここから毎週のように緊張する」/織田記念
-
2025.04.26
2025.04.12
3位の吉居大和は涙「想像していなかったくらい悔しい」/日本選手権10000m
-
2025.04.01
-
2025.04.12
-
2025.04.12
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.04.30
5.3静岡国際、パリ五輪代表の坂井隆一郎、200m世界陸上標準突破の水久保漱至らが欠場
5月3日に行われる静岡国際のエントリーリストが更新され、現時点で欠場届を提出した選手が判明した。 男子100mはパリ五輪代表の坂井隆一郎(大阪ガス)が欠場。坂井は4月13日の出雲陸上で脚を痛め、29日の織田記念の出場も見 […]
2025.04.30
26年ブダペスト開催の「世界陸上アルティメット選手権」やり投・北口榛花が出場権獲得
世界陸連(WA)は4月29日、2026年に新設する「世界陸上アルティメット選手権」の大会500日前を受け、昨年のパリ五輪の金メダリストに出場資格を与えることを発表した。女子やり投で金メダルを獲得した北口榛花(JAL)も含 […]
2025.04.30
100mH寺田明日香 恩師の訃報に「熱意と愛情を少しでも次の世代へ引き継げるように」
福島千里や寺田明日香ら女子短距離を中心に数々の名選手を育成した中村宏之氏が4月29日に79歳で他界したことを受け、寺田が自身のSNSを更新して思いを綴った。 寺田は北海道・恵庭北高時代に中村氏の指導を受け、100mハード […]
2025.04.30
9月の東京世界陸上に都内の子どもを無料招待 引率含め40,000人 6月から応募スタート
東京都は今年9月に国立競技場をメイン会場として開かれる世界選手権に都内の子どもたちを無料招待すると発表した。 「臨場感あふれる会場での観戦を通じて、都内の子供たちにスポーツの素晴らしさや夢と希望を届ける」というのが目的。 […]
2025.04.30
新しい形の競技会「THE GAME」が9月14日 大阪・万博記念競技場で開催決定!
「陸上競技の魅力を最大限に引き出し、観客と選手の双方にとって忘れられない体験を」をコンセプトに、三重県で開催されてきた『THE GAME』。今年は会場を大阪府。万博記念競技場を移して、9月14日に行われることが決まった。 […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL)
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)