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2023.04.23

「地元で復活できて嬉しい」石川優が11秒55 2年ぶりに女子100m制す/学生個人
「地元で復活できて嬉しい」石川優が11秒55 2年ぶりに女子100m制す/学生個人

2023年日本学生個人選手権女子100mに優勝した石川優

◇2023日本学生個人選手権(2023年4月21~23日/神奈川・レモンガススタジアム平塚)

ワールドユニバーシティゲームズの代表選考会を兼ねた日本学生個人選手権の2日目が行われ、女子100mは石川優(青学大)がサードベストの11秒55(+1.2)で2年ぶり2回目の優勝を飾った。

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「去年はケガで苦しみましたが、地元で優勝できたのは嬉しいです。これで復活できたと思います」。レース後、インタビューに答える石川の顔には久しぶりに充実感が漂っていた。

予選は「アップ不足だった」と11秒90(±0)で通過し、身体がほぐれた準決勝では11秒60(+1.8)と立て直して迎えた決勝。両隣は昨年のインカレ入賞者の三浦由奈(筑波大)と三浦愛華(園田学園女大)が顔をそろえたが、「自分の走りができれば一番良いと思っていた」と、自分のレーンだけに集中したという。

石川の強さが光ったのは中盤以降。自身も認める「後半の伸び」で一気に2位以下を突き放すと、「50mあたりから独走していたのは分かっていましたが、そこで焦ってしまうとダメなので、最後まで自分の走りに集中しました」とフィニッシュまで力強いフォームは衰えなかった。

2位には11秒67で三浦由奈が入り、岡根和奏(甲南大)が大会前の自己記録を上回る11秒74で3位。準決勝で11秒53を出していた三浦愛華は12秒10で8位にとどまった。

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神奈川県伊勢原市出身の石川にとって、会場のレモンガススタジアム平塚は中学時代から幾度となく走ってきたトラック。2年前の日本学生個人選手権では予選でU20歴代3位の11秒48をマークしたことも評価され、東京五輪4×100mリレーの代表に選出されている。

しかし、前回の決勝のレース中に右ハムストリングを負傷。その後も「繰り返し同じ箇所を痛めてしまいました」と、22年シーズンを棒に振った。

ようやく脚を気にせずに練習ができたのは昨年12月。「ケガをしたことで焦らないことを学んだ」と言い、これまでのウォーミングアップの方法や、走れないときの対処法などを見直したことで、継続して練習ができるようになったと話す。

冬季はウエイトトレーニングで筋力強化を図り、走りの感覚も「11秒48を出したときに近づいてきた」と自信をつけている。東京五輪ではリレーのリザーブとして出場は果たせなかったが、ユニバの派遣設定記録(11秒55)にも到達したことで、日の丸を背負って走る可能性も広がった。

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平塚で復活を見せた石川が、いよいよ世界へと羽ばたこうとしている。

ライブ配信は「あすリートチャンネル」の日本学生個人選手権特設ページ

◇2023日本学生個人選手権(2023年4月21~23日/神奈川・レモンガススタジアム平塚) ワールドユニバーシティゲームズの代表選考会を兼ねた日本学生個人選手権の2日目が行われ、女子100mは石川優(青学大)がサードベストの11秒55(+1.2)で2年ぶり2回目の優勝を飾った。 「去年はケガで苦しみましたが、地元で優勝できたのは嬉しいです。これで復活できたと思います」。レース後、インタビューに答える石川の顔には久しぶりに充実感が漂っていた。 予選は「アップ不足だった」と11秒90(±0)で通過し、身体がほぐれた準決勝では11秒60(+1.8)と立て直して迎えた決勝。両隣は昨年のインカレ入賞者の三浦由奈(筑波大)と三浦愛華(園田学園女大)が顔をそろえたが、「自分の走りができれば一番良いと思っていた」と、自分のレーンだけに集中したという。 石川の強さが光ったのは中盤以降。自身も認める「後半の伸び」で一気に2位以下を突き放すと、「50mあたりから独走していたのは分かっていましたが、そこで焦ってしまうとダメなので、最後まで自分の走りに集中しました」とフィニッシュまで力強いフォームは衰えなかった。 2位には11秒67で三浦由奈が入り、岡根和奏(甲南大)が大会前の自己記録を上回る11秒74で3位。準決勝で11秒53を出していた三浦愛華は12秒10で8位にとどまった。 神奈川県伊勢原市出身の石川にとって、会場のレモンガススタジアム平塚は中学時代から幾度となく走ってきたトラック。2年前の日本学生個人選手権では予選でU20歴代3位の11秒48をマークしたことも評価され、東京五輪4×100mリレーの代表に選出されている。 しかし、前回の決勝のレース中に右ハムストリングを負傷。その後も「繰り返し同じ箇所を痛めてしまいました」と、22年シーズンを棒に振った。 ようやく脚を気にせずに練習ができたのは昨年12月。「ケガをしたことで焦らないことを学んだ」と言い、これまでのウォーミングアップの方法や、走れないときの対処法などを見直したことで、継続して練習ができるようになったと話す。 冬季はウエイトトレーニングで筋力強化を図り、走りの感覚も「11秒48を出したときに近づいてきた」と自信をつけている。東京五輪ではリレーのリザーブとして出場は果たせなかったが、ユニバの派遣設定記録(11秒55)にも到達したことで、日の丸を背負って走る可能性も広がった。 平塚で復活を見せた石川が、いよいよ世界へと羽ばたこうとしている。 ライブ配信は「あすリートチャンネル」の日本学生個人選手権特設ページ

2023日本学生個人選手権2日目の優勝者をチェック!

●男子 100m   井上直紀(早大)   10秒19(+1.7) 400m   地主直央(法大)   46秒53 走高跳  坂井宏和(東海大)  2m16 ハンマー投 福田翔大(日大院) 71m42=大会新 十種競技 新開俊智(筑波大)  7017点 ●女子 100m   石川優(青学大)    11秒55(+1.2) 400m   児島柚月(立命大)   54秒99 10000m競歩 山岸芽生(中京大)  47分30秒68 走高跳  伊藤楓(日体大)    1m76 三段跳  船田茜理(武庫川女大院)12m96(+2.5) ハンマー投 村上来花(九州共立大)63m44=大会新 七種競技 田中友梨(至学館大)  5545点

【動画】世界を目指して各種目で熱戦!日本学生個人選手権2日目のハイライトをチェック!

ライブ配信は「あすリートチャンネル」の日本学生個人選手権特設ページ

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