2022.12.19
◇第30回全国中学校駅伝(12月18日/滋賀・希望が丘文化公園、男子6区間18km)
6区間18km(各区間3km)で争われた男子は、初出場の酒井根(千葉)が58分37秒で初優勝を飾った。
2年生まではクラブチームでサッカーに取り組み、3年生から本格的に陸上を始めた1区の北村侑也が20位発進。2区・小柳智大(3年)、3区・佐藤雅暁(3年)も大崩れせずにつないだが、前半を終えた時点でトップに立っていた堀金(長野)と34秒差の19位に甘んじていた。
だが、小川健太監督は、「調子の良い選手を4、5、6区に置いていました」と後半勝負を見据えていたという。4区に投入された伊藤悠ノ介(3年)は3000mで8分45秒53の記録を持つチームの大黒柱。「僕のところで先頭に立つというプランだったので、絶対に先頭でタスキを渡すということだけを考えて走りました」と次々に選手をかわすと、残り500m地点の登り坂でトップに立つ。9分20秒で区間賞を獲得した伊藤は18人抜きの快走だった。
続く5区の片岡満(2年)は終盤で国府(山口)に先頭を譲り、「力不足でした」と唇をかんだが、区間3位の力走で大量リードは許さず、3秒差の2位と踏ん張る。
最終区を任された大山滉介(3年)は野球部出身。夏から駅伝特設チームに加入した。タスキをもらって勢いよく飛び出すと、すぐさまトップを奪う。「後ろにつかれましたが、落ち着いて走れていました」と徐々に国府を突き放すと、最後まで躍動感のある走りを見せて、優勝のゴールテープを切った。
赴任4年目で全国の頂点に導いた小川監督は千葉・逆井中学の生徒だった2005年に、この大会に出場。2区を走り、優勝した実績を持つ。その後、柏日体高(現・日体大柏高)、山梨学大で競技を続け、「自分の経験を次世代に伝えたい」と教員になった。
自身の中学時代と同じ喜びを教え子に経験させた指揮官は、「子どもたちの努力が報われて一安心したというのが何よりも強いです」と誇らしげに選手たちを見つめていた。
8秒差の2位にこちらも初出場の湯川(福岡)が入り、連覇を狙った桂(京都)が3位に入った。男子MVPには3区で9分10秒の区間新記録を樹立した山形十の菅野元太(3年)が選ばれている。
文/馬場 遼
次は 上位成績と区間賞獲得者
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.08.25
34年ぶり東京世界陸上 注目の男子100m3枠、9秒台再びの桐生祥秀らが代表入りへ
-
2025.08.24
-
2025.08.24
2025.08.19
15年ぶりの箱根総合優勝へ 早大駅伝主将・山口智規「夏合宿で底上げを」 妙高で合同取材会
-
2025.08.24
2025.08.16
100mH・福部真子12秒73!!ついに東京世界選手権参加標準を突破/福井ナイトゲームズ
-
2025.08.19
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.08.25
キプリモ58分29秒、アルゼンチンのハーフで快勝!英国ではカムウォロル貫禄V、アレム1時間5分38秒
8月24日、アルゼンチンで「21kブエノス・アイレス」が開催され、男子ハーフマラソンで世界記録保持者のJ.キプリモ(ウガンダ)が58分29秒で優勝した。 キプリモは現在24歳。東京五輪、オレゴン世界選手権の10000mで […]
2025.08.25
Onの「On Flagship Store Tokyo Ginza」が9月12日にオープン!原宿では期間限定スペース「On Labs Tokyo」を開催
スイスのスポーツブランド「On (オン) 」およびオン・ジャパンは9月12日、東京・銀座に旗艦店の「On Flagship Store Tokyo Ginza」をオープンする。翌9月13日 から9日間、東京・原宿にて期間 […]
2025.08.25
34年ぶり東京世界陸上 注目の男子100m3枠、9秒台再びの桐生祥秀らが代表入りへ
今年9月、34年ぶりに東京で開かれる世界選手権の出場資格獲得のための記録の有効期間が8月24日で終了した。 世界選手権の各種目の代表枠は最大3名。最後まで注目を集めたのが男子100mだった。7月の日本選手権時点で、内定条 […]
2025.08.24
栁田大輝 最後の最後まで挑戦も100m代表逃す「無理をしなくて良かったと思える日が絶対に来る」
東京世界選手権出場のための記録の有効期間最終日となる8月24日、奈良市サーキットの男子100mに栁田大輝(東洋大)が出場した。 土壇場での大逆転を狙い、日本記録(9秒95)を目指した栁田。午前中の第一レースを10秒11( […]
2025.08.24
ドキュメント/今年も歴史が刻まれた福井の夜に熱狂!東京世界陸上前に過去最大規模の“お祭り”が夏を彩る
2019年に産声を上げたAthlete Night Games in FUKUIは、今年で6回目を迎えた。17年に行われた日本インカレの男子100mで、桐生祥秀(東洋大、現・日本生命)が日本初の9秒台を刻んだ時の感動から […]
Latest Issue
最新号

2025年9月号 (8月12日発売)
衝撃の5日間
広島インターハイ特集!
桐生祥秀 9秒99