HOME 国内

2022.08.29

2023年から世界陸連新制度開始 世界大会の参加資格対象大会の厳格化へ 日本陸連は登録システムを刷新
2023年から世界陸連新制度開始 世界大会の参加資格対象大会の厳格化へ 日本陸連は登録システムを刷新


大学競技会などアスリートにとって重要な位置づけを持つ競技会だが、WRK申請にはかなりハードルが高くなりそうだ(写真はイメージ)

日本陸連は8月29日に理事会を開き、その後オンラインで会見を行った。

23年1月より、世界陸連(WA)はワールドランキングコンペティション(WRK)制度をスタートさせる。この制度についての取り扱いと記録申請について日本陸連の石井朗生・事務局次長が説明した。

来年からはWRKの基準を満たした競技会での記録でなければワールドランキングや世界大会の参加資格取得に必要な記録(参加標準記録)の対象とならないと決定。これは、地域によって「記録の信憑性について世界的に課題になっている」ことなどにより、競技会のルールの厳格化をしていくためだという。

WRKの条件としては、器具の使用や運営方法などが、WA規則に準拠する必要がある。例えば、国内大会の走幅跳で見られるような砂場に隣接したボードから目視でのぞき込んでの計測は認められない。また、投てき種目で3回ないし6回の中で最も良い記録だけを計測する方法も認められないという。こういったルールをしっかりと満たさなければならない。

また、WRKの申請はオンラインで手続きが求められ、60日前までに実施種目や開催場所などを申請する。大会終了後は24時間以内に記録の報告が必要となる。

広告の下にコンテンツが続きます

こうしたことを踏まえ、日本陸連が申請対象とする大会の目安は、主催主要大会はもちろん、グランプリシリーズ、全国選手権や地域(関東・東海など)以上の選手権、地区インカレやインターハイ路線などを想定。なお、申請するかどうかは基本的に主催者の判断となる。

こういった点を踏まえると、大学での記録会や地方で開催されている有力選手が出場するようなローカル競技会をWRK対象とするためには、さまざまな手続きや手順が必要となりそうだ。

ただ、細かなルールなどは「まだ発表されていない」と石井事務局次長。今後、詳細が発表され次第、日本陸連としても関係者への周知をしていくという。

また、日本陸連は2023年度から新たな登録会員システムをスタートさせる見込みだと発表。新登録会員システムはマイページ化され、過去の成績を見たり、エントリーをしたり、さまざまな機能が付帯。また、情報提供などサービスも追加予定だという。

今後は選手登録と同じシステム上で審判、指導者も登録。また、一部、小学生も登録の対象とする見込みだ。

大学競技会などアスリートにとって重要な位置づけを持つ競技会だが、WRK申請にはかなりハードルが高くなりそうだ(写真はイメージ) 日本陸連は8月29日に理事会を開き、その後オンラインで会見を行った。 23年1月より、世界陸連(WA)はワールドランキングコンペティション(WRK)制度をスタートさせる。この制度についての取り扱いと記録申請について日本陸連の石井朗生・事務局次長が説明した。 来年からはWRKの基準を満たした競技会での記録でなければワールドランキングや世界大会の参加資格取得に必要な記録(参加標準記録)の対象とならないと決定。これは、地域によって「記録の信憑性について世界的に課題になっている」ことなどにより、競技会のルールの厳格化をしていくためだという。 WRKの条件としては、器具の使用や運営方法などが、WA規則に準拠する必要がある。例えば、国内大会の走幅跳で見られるような砂場に隣接したボードから目視でのぞき込んでの計測は認められない。また、投てき種目で3回ないし6回の中で最も良い記録だけを計測する方法も認められないという。こういったルールをしっかりと満たさなければならない。 また、WRKの申請はオンラインで手続きが求められ、60日前までに実施種目や開催場所などを申請する。大会終了後は24時間以内に記録の報告が必要となる。 こうしたことを踏まえ、日本陸連が申請対象とする大会の目安は、主催主要大会はもちろん、グランプリシリーズ、全国選手権や地域(関東・東海など)以上の選手権、地区インカレやインターハイ路線などを想定。なお、申請するかどうかは基本的に主催者の判断となる。 こういった点を踏まえると、大学での記録会や地方で開催されている有力選手が出場するようなローカル競技会をWRK対象とするためには、さまざまな手続きや手順が必要となりそうだ。 ただ、細かなルールなどは「まだ発表されていない」と石井事務局次長。今後、詳細が発表され次第、日本陸連としても関係者への周知をしていくという。 また、日本陸連は2023年度から新たな登録会員システムをスタートさせる見込みだと発表。新登録会員システムはマイページ化され、過去の成績を見たり、エントリーをしたり、さまざまな機能が付帯。また、情報提供などサービスも追加予定だという。 今後は選手登録と同じシステム上で審判、指導者も登録。また、一部、小学生も登録の対象とする見込みだ。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.05.02

やり投女王・北口榛花が25年初戦へ!デュプランティス、マフチフらとDL前日会見初登壇「トレーニングの成果がわかれば」

世界陸連ダイヤモンドリーグ(DL)第2戦の中国・柯橋大会を前日に控えた5月2日に有力選手の会見が行われ、今大会が25年シーズン初戦となる女子やり投の北口榛花(JAL)が登壇して意気込みを語った。 男子棒高跳のアルマンド・ […]

NEWS 東京世界陸上財団の副会長に中村倫治氏を選任 23年から東京都副知事を務める

2025.05.02

東京世界陸上財団の副会長に中村倫治氏を選任 23年から東京都副知事を務める

公益財団法人東京2025世界陸上財団は5月2日に第26回理事会を開き、副会長の選定について決議を行い、東京都副知事で財団の理事を務める中村倫治氏を副会長とすることを発表した。 この決議は、これまで副会長を務めていた潮田勉 […]

NEWS 東京世界陸上「家庭の油 回収キャンペーン」開始!北口榛花「家庭の油で飛行機を飛ばしましょう!」

2025.05.02

東京世界陸上「家庭の油 回収キャンペーン」開始!北口榛花「家庭の油で飛行機を飛ばしましょう!」

公益財団法人東京2025世界陸上財団は5月2日、「家庭の油 回収キャンペーン」をスタートしたことを発表した。 環境負荷の少ない大会運営の実現を目指す取り組みの一環。東京都と連携し、家庭や飲食店などから排出される食用油の回 […]

NEWS 九電工にケニア出身の18歳キプンゲノ・ニアマイアが加入

2025.05.02

九電工にケニア出身の18歳キプンゲノ・ニアマイアが加入

九電工は5月1日、ケニア出身のキプンゲノ・ニアマイアが同日付で加入したと発表した。 ニアマイアはケリンゲット高出身の18歳。5000mで13分49秒7の自己記録を持ち、今年2月の世界陸連(WA)クロスカントリーツアー・ゴ […]

NEWS セイコーGGP海外選手発表 男子走高跳東京五輪5位スターク参戦 女子やり投に北口榛花の練習パートナー・シカコヴァ

2025.05.02

セイコーGGP海外選手発表 男子走高跳東京五輪5位スターク参戦 女子やり投に北口榛花の練習パートナー・シカコヴァ

日本陸連は5月2日、セイコーゴールデングランプリ(5月18日/東京・国立競技場)の出場選手第11弾を発表した。 新たに発表されたのは男女の走高跳とやり投の海外勢6名。男子走高跳では2021年東京五輪5位や、世界選手権で1 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL) 
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)

page top