◇第25回日本学生ハーフマラソン選手権(3月13日/東京・立川市)
3月13日に開催された第25回日本学生ハーフマラソンは、國學院大のルーキー・平林清澄が1時間1分50秒で優勝した。
5kmの通過が14分29秒と、ハイペース気味に進んだレース。速いペースで押し切る走りを得意とする平林にとって理想の展開となった。先頭集団で走っていた平林は「17kmぐらいから前に出よう」とレースプランを描いていた。しかし、立川市街から公園内に入った14km付近で、ともに集団を形成していた富田峻平(明大3)、吉田礼志(中央学大1)がきつそうにしているのを感じ取り、「ちょっとペースを上げたら、(誰もついてこなかったので)そのまま行ってしまった」と前に出た。
単独走となった後は徐々に後続を突き放し、最後は雄叫びを上げながらフィニッシュ。2位だった同じく國學院大の先輩・中西大翔(たいが/3年)を迎え、がっしりと抱擁を交わした。
「トップを取ったのは過去に1回、2回くらいしかないので、それがいきなり全国の1位になるなんて……。今日は学生トップと言われるような選手は出ていませんが、その中で結果としてかたちに残せたのは自身の成長を感じました」
平林は國學院大のルーキーの中でただ一人、三大駅伝すべてに出場。出雲駅伝ではアンカー6区で区間5位、全日本大学駅伝では長距離区間(17.6km)の7区で区間3位、箱根駅伝では9区区間2位と安定した成績を残した。
しかし、各レースとも終盤でペースが落ちることを課題としていた。それを克服するため、終了後に流し(7~8割の力でダッシュ)を積極的に入れるなど、スピードを意識しながら少しずつ磨きをかけてきた。それが今回の逃げ切り勝ちにつながったが、「まだラスト1km、上がりきっていないので、そこはまだまだ課題かな」とまだまだ伸びしろを自覚している様子だ。
この大会は6月末から中国・成都で開催予定のFISUワールドユニバーシティゲームズの代表選考も兼ねており、2位の中西、3位の松山和希(東洋大2)までが日本代表に内定した。
前回、2019年にナポリで開催されたユニバーシアードでは、東洋大の相澤晃(現・旭化成)、駒大の中村大聖(現・ヤクルト)、東京国際大の伊藤達彦(現・Honda)の3人が表彰台を独占した。平林の頭の中にも当然そのことがある。「まず世界を経験することが第一ですが、自分も同じようなレベルで戦っていきたい」ときっぱり。「メダルを狙う」と目標を口にした。
今回、主将の中西とワンツーフィニッシュとなったが、レース前には中西、伊地知賢造(2年)と「お互いがんばろう、ワンツースリー取れればいいね」と話していたという。
「でも僕は心の中で『絶対トップは譲らん』と思ってました。ワンツーであろうと、絶対トップは僕だと思っていたので、勝てて良かったなと思います」
先輩だろうと負けない。負けん気の強いルーキーは、4月から2年生になる。「自分のことだけではなく、チームのことも考えていかないと」と後輩を持つことの自覚も話す。國學院躍進の重要なカギとなることは間違いない。今後も平林清澄の快進撃に注目だ。
文/藤井みさ
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
-
2024.05.05
-
2024.05.05
-
2024.05.05
-
2024.05.04
-
2024.04.29
-
2024.04.29
2024.04.12
40年以上の人気シューズ”ペガサス”シリーズの最新作!「ナイキ ペガサス 41」が登場!
-
2024.04.26
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2024.05.05
やり投・北口榛花「納得はいかない」も61m83でV 世界一になって国内初試合飾る/水戸招待
◇水戸招待陸上(5月5日/茨城・ケーズデンキスタジアム水戸) 日本グランプリシリーズG2の水戸招待が行われ、女子やり投は北口榛花(JAL)が61m83をマークして優勝した。 広告の下にコンテンツが続きます 昨年のブダペス […]
2024.05.05
男子4×100mR日本がパリ五輪へ「もっと良いバトンができれば、金メダルも狙える」/世界リレー
◇2024世界リレー(5月4日、5日/バハマ・ナッソー)1日目 パリ五輪の出場権を懸けた世界リレーの1日目が行われ、男子4×100mリレー予選4組で日本が38秒10で1着となり、今夏のパリ五輪出場権を獲得した。 広告の下 […]
2024.05.05
【大会結果】2024水戸招待陸上(2024年5月5日)
【大会結果】日本グランプリシリーズG3 2024水戸招待(5月5日/茨城県水戸市・ケーズデンキスタジアム水戸) ●男子 100m(-4.3) 1位 本郷汰樹(オノテック) 10秒69 2位 林哉太(ノジマ) 10秒 […]
2024.05.05
「環境を変えて、良い滑り出しになった」 砂岡拓磨がセカンドベストで日本人トップ 28年ロス五輪をターゲットに/GGのべおか
◇第35回ゴールデンゲームズinのべおか(5月4日/宮崎県延岡市・西階陸上競技場) ゴールデンゲームズinのべおかの男子5000m最終A組では、砂岡拓磨(東京陸協)が圧巻の強さを見せた。 広告の下にコンテンツが続きます […]
Latest Issue 最新号
2024年5月号 (4月12日発売)
パリ五輪イヤー開幕!