HOME ニュース、国内

2021.09.25

女子5000m競歩は岡田がVでパリへ新たな一歩 藤井2位、河添3位で五輪代表トリオが上位独占/全日本実業団
女子5000m競歩は岡田がVでパリへ新たな一歩 藤井2位、河添3位で五輪代表トリオが上位独占/全日本実業団


全日本実業団対抗(9月24~26日/大阪・ヤンマースタジアム長居)2日目

女子5000m競歩は、東京五輪20km代表トリオが上位を独占。29歳の岡田久美子(ビックカメラ)が22歳の藤井菜々子(エディオン)との競り合いを21分24秒95制し、10000mだった3年前以来の優勝を飾った。藤井は21分45秒38で2位、河添香織(自衛隊体育学校)が21分53秒90で3位に続いた。

広告の下にコンテンツが続きます

東京五輪は藤井が13位、岡田が15位、河添が40位。2019年のドーハ世界選手権では岡田と藤井が6位、7位とダブル入賞を遂げていたが、女子競歩初の五輪入賞という目標は果たせなかった。

そこから、それぞれが新たな一歩を踏み出したのが今大会。岡田は、五輪直後は今後についてのことを語れなかったが、再び前を見つめている。

「正直、終わってすぐはやり切ったという気持ちもあれば、寂しいという気持ちもあって複雑でした。ただ、順位だけ見ると15位と入賞に及びませんでしたが、入賞ラインまでは30秒差。30秒は惜しかったなという気持ちが出てきました」

その悔しい気持ちをどう消化すればいいのかと考えた時に、「パリ五輪にぶつけたい」という気持ちが湧いてきたという。

広告の下にコンテンツが続きます

「来年の世界選手権は20kmでがんばりたい。パリは20kmの準備をしつつ、(新種目になる予定の)男女混合にチャレンジできるのであれば、チャレンジさせていただきたいと思っています」

そんな葛藤を乗り越えた先輩に対して、藤井は「東京が始まる前から一緒にパリに出るつもりだったので、引退させるつもりはありませんでしたよ」と笑って背中を押す。

序盤は岡田が引っ張り、その後は藤井が前へ。しかし、「中間をもうちょっとタイムを上げたほうがいいと思って上げたんですが、上げきれなくて、また岡田さんが前に出る展開。中途半端なレースになってしまいました」。ただ、2年ぶりのトラックレースを「楽しんで歩くことができたので、良かったです」と振り返る。

岡田も藤井も、終盤の勝負所のスピードに世界との差を感じた。岡田は「後半のペースアップに対応できるスピード、それができるだけのスタミナをつけるというアプローチが必要と感じています」と言えば、藤井は「優勝したイタリアの選手はラストで(1kmのスプリットで)4分ひとケタを出していた。私は4分ひとケタではまだ回れないので、それを刻むためのスピードが必要だと痛感しています」。

広告の下にコンテンツが続きます

パリ五輪まで3年。世界トップクラスの地位を固めつつある男子に負けじと、女子も奮起していく。

全日本実業団対抗(9月24~26日/大阪・ヤンマースタジアム長居)2日目 女子5000m競歩は、東京五輪20km代表トリオが上位を独占。29歳の岡田久美子(ビックカメラ)が22歳の藤井菜々子(エディオン)との競り合いを21分24秒95制し、10000mだった3年前以来の優勝を飾った。藤井は21分45秒38で2位、河添香織(自衛隊体育学校)が21分53秒90で3位に続いた。 東京五輪は藤井が13位、岡田が15位、河添が40位。2019年のドーハ世界選手権では岡田と藤井が6位、7位とダブル入賞を遂げていたが、女子競歩初の五輪入賞という目標は果たせなかった。 そこから、それぞれが新たな一歩を踏み出したのが今大会。岡田は、五輪直後は今後についてのことを語れなかったが、再び前を見つめている。 「正直、終わってすぐはやり切ったという気持ちもあれば、寂しいという気持ちもあって複雑でした。ただ、順位だけ見ると15位と入賞に及びませんでしたが、入賞ラインまでは30秒差。30秒は惜しかったなという気持ちが出てきました」 その悔しい気持ちをどう消化すればいいのかと考えた時に、「パリ五輪にぶつけたい」という気持ちが湧いてきたという。 「来年の世界選手権は20kmでがんばりたい。パリは20kmの準備をしつつ、(新種目になる予定の)男女混合にチャレンジできるのであれば、チャレンジさせていただきたいと思っています」 そんな葛藤を乗り越えた先輩に対して、藤井は「東京が始まる前から一緒にパリに出るつもりだったので、引退させるつもりはありませんでしたよ」と笑って背中を押す。 序盤は岡田が引っ張り、その後は藤井が前へ。しかし、「中間をもうちょっとタイムを上げたほうがいいと思って上げたんですが、上げきれなくて、また岡田さんが前に出る展開。中途半端なレースになってしまいました」。ただ、2年ぶりのトラックレースを「楽しんで歩くことができたので、良かったです」と振り返る。 岡田も藤井も、終盤の勝負所のスピードに世界との差を感じた。岡田は「後半のペースアップに対応できるスピード、それができるだけのスタミナをつけるというアプローチが必要と感じています」と言えば、藤井は「優勝したイタリアの選手はラストで(1kmのスプリットで)4分ひとケタを出していた。私は4分ひとケタではまだ回れないので、それを刻むためのスピードが必要だと痛感しています」。 パリ五輪まで3年。世界トップクラスの地位を固めつつある男子に負けじと、女子も奮起していく。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.04.29

【大会結果】第58回織田幹雄記念(2024年4月29日)

【大会結果】第58回織田幹雄記念(2024年4月29日/ホットスタッフフィールド広島) グランプリ ●男子 100m   守祐陽(大東大)    10秒26(+0.7) 1500m  G.アブラハム(阿見AC) 3分39 […]

NEWS やり投・オレゴン代表の武本紗栄が59m06でV!五輪へ「やれること全部やる」肉体改造やチェコ遠征にも挑戦/織田記念

2024.04.29

やり投・オレゴン代表の武本紗栄が59m06でV!五輪へ「やれること全部やる」肉体改造やチェコ遠征にも挑戦/織田記念

◇第58回織田幹雄記念(4月29日/ホットスタッフフィールド広島) 日本グランプリG1の織田記念が行われ、女子やり投は武本紗栄(Team SSP)が59m06で優勝した。 広告の下にコンテンツが続きます 武本は1回目に5 […]

NEWS 山縣亮太「右脚の違和感」でB決勝棄権 予選は10秒58の3着 五輪に向け「1%でも可能性があれば」/織田記念

2024.04.29

山縣亮太「右脚の違和感」でB決勝棄権 予選は10秒58の3着 五輪に向け「1%でも可能性があれば」/織田記念

◇第58回織田幹雄記念(4月29日/ホットスタッフフィールド広島) 日本グランプリG1の織田記念が行われ、男子100mに出場した山縣亮太(セイコー)は予選を10秒58(-0.4)の組3着。B決勝は棄権した。 広告の下にコ […]

NEWS 十種競技はハウッテケーテが8020点のセカンドベスト 七種競技はブルックスが自己タイで快勝/WA混成ツアー

2024.04.29

十種競技はハウッテケーテが8020点のセカンドベスト 七種競技はブルックスが自己タイで快勝/WA混成ツアー

4月27、28日にイタリア・ブレシアで世界陸連(WA)混成ツアー・ゴールドのマルチスターが開催され、 男子十種競技ではJ.ハウッテケーテ(ベルギー)が8020点(11秒06、7m37、14m12、2m01、49秒16/1 […]

NEWS 男子100m・多田修平にアクシデント 右脚痛め予選途中棄権/織田記念

2024.04.29

男子100m・多田修平にアクシデント 右脚痛め予選途中棄権/織田記念

◇第58回織田幹雄記念(4月29日/ホットスタッフフィールド広島) 織田記念の男子100m予選で1組に出場した多田修平(住友電工)がレース中に脚を痛め、途中棄権となった。 広告の下にコンテンツが続きます 今季の室内シーズ […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年5月号 (4月12日発売)

2024年5月号 (4月12日発売)

パリ五輪イヤー開幕!

page top