HOME 中学

2021.08.21

川口峻太朗が独走で男子1500m優勝 石田洸介の大会記録を更新する3分53秒94/茨城全中
川口峻太朗が独走で男子1500m優勝 石田洸介の大会記録を更新する3分53秒94/茨城全中

◇茨城全中(8月18日~20日/茨城・笠松) 最終日

今大会2つ目となる大会新記録は、男子1500mの川口峻太朗(京山3岡山)によってもたらされた。従来の記録は、中学記録(3分49秒72)保持者でもある石田洸介(浅川・福岡/現・東洋大)が2017年に打ち立てた3分54秒34。6月の岡山県選手権で中学歴代2位となる3分52秒68をマークしていた川口には、大会記録はもちろん、中学記録更新の期待も膨らんでいた。

ただ、川口自身は記録を狙いつつも、まずは「落ち着いて勝つことが目標だった」という。川口が気に掛けていたのは、3分59秒67の自己記録を持ち、前日の予選を全体のトップタイムで通過した生天目温(金砂郷3茨城)の存在。「予選1位で3分台も持っていたので勝負になるだろう」と警戒するとともに、「(1周)62から63秒で刻んで、ラスト1周で飛ばせたら勝てる」と、勝つための戦略もしっかりと練っていた。

広告の下にコンテンツが続きます

レースは、「先頭が1周目を良い感じに入ってくれた」と振り返ったように、400mを1分03秒で通過。川口にとって理想的な展開で始まった。2周目でトップに立った川口は、後続との差をぐんぐん広げながら、800mを2分06秒、1200mを3分09秒と、まるで精密機械のような正確さでペースを刻んだ。この時点で2位を走っていた生天目とは30mほどの差がついており、優勝をほぼ手中に収めると、ラスト300mで「この間の400mは63秒」というアナウンスを耳にし、「(大会新に)まだ間に合うと思ってめちゃくちゃ上げました」とさらにギアを切り替えた。

レース後半は独走態勢を築き、フィニッシュタイムは3分53秒94。「今季はラストを上げる試合が多く、自分はラストには自信があったので、今回も最後をしっかり良い感じで走れたので大満足。狙っていた優勝を獲れたし、タイムも一緒についてきてうれしいです」。

昨年は2年生ながら全国中学陸上800mで2位。今季も1分56秒07で走るなど、川口は800mでも全国トップレベルの力があった。しかし、「800mは去年(全国大会に)出た」ので、今季は1500mをメインに取り組み、「両方とも好きですが、今は1500mの方が好きです」と、1500mの魅力に引き込まれつつあるようだ。

秋シーズンでは、駅伝での戦いが待っている。「トラックレースに出る機会は少なくなると思いますが、出る時は記録を狙って、できれば日本中学記録を目指したい。でも、それ以上に、駅伝に向けて自分の自信になるレースができたらと思っています」と川口。中学から陸上を始めて、わずか2年半で日本一に上り詰めたものの、その成長曲線はこれからもしばらくは急角度の右肩上がりを描いていきそうだ。

◇3日目の優勝者
男子100m
年綱晃広(塩瀬3兵庫)   11秒05(-1.3)
男子110mH
橋本 悠(三尻3埼玉)   14秒13(-2.8)
男子1500m
川口峻太朗(京山3岡山)  3分53秒94=大会新
男子4×100mR
伊東南(静岡)       42秒94
男子走幅跳
上河内理来(府中八3東京) 7m11(+3.0)
男子砲丸投
永江翔太朗(大成3和歌山) 15m40

女子100m
ロス瑚花アディア(駒沢3東京)12秒17(-3.1)
女子1500m
川西みち(永犬丸3福岡)  4分27秒30
女子100mH
谷中天架(八屋3福岡)   13秒83(-1.9)
女子4×100mR
咲くやこの花(大阪)    47秒81
文/小野哲史

◇茨城全中(8月18日~20日/茨城・笠松) 最終日 今大会2つ目となる大会新記録は、男子1500mの川口峻太朗(京山3岡山)によってもたらされた。従来の記録は、中学記録(3分49秒72)保持者でもある石田洸介(浅川・福岡/現・東洋大)が2017年に打ち立てた3分54秒34。6月の岡山県選手権で中学歴代2位となる3分52秒68をマークしていた川口には、大会記録はもちろん、中学記録更新の期待も膨らんでいた。 ただ、川口自身は記録を狙いつつも、まずは「落ち着いて勝つことが目標だった」という。川口が気に掛けていたのは、3分59秒67の自己記録を持ち、前日の予選を全体のトップタイムで通過した生天目温(金砂郷3茨城)の存在。「予選1位で3分台も持っていたので勝負になるだろう」と警戒するとともに、「(1周)62から63秒で刻んで、ラスト1周で飛ばせたら勝てる」と、勝つための戦略もしっかりと練っていた。 レースは、「先頭が1周目を良い感じに入ってくれた」と振り返ったように、400mを1分03秒で通過。川口にとって理想的な展開で始まった。2周目でトップに立った川口は、後続との差をぐんぐん広げながら、800mを2分06秒、1200mを3分09秒と、まるで精密機械のような正確さでペースを刻んだ。この時点で2位を走っていた生天目とは30mほどの差がついており、優勝をほぼ手中に収めると、ラスト300mで「この間の400mは63秒」というアナウンスを耳にし、「(大会新に)まだ間に合うと思ってめちゃくちゃ上げました」とさらにギアを切り替えた。 レース後半は独走態勢を築き、フィニッシュタイムは3分53秒94。「今季はラストを上げる試合が多く、自分はラストには自信があったので、今回も最後をしっかり良い感じで走れたので大満足。狙っていた優勝を獲れたし、タイムも一緒についてきてうれしいです」。 昨年は2年生ながら全国中学陸上800mで2位。今季も1分56秒07で走るなど、川口は800mでも全国トップレベルの力があった。しかし、「800mは去年(全国大会に)出た」ので、今季は1500mをメインに取り組み、「両方とも好きですが、今は1500mの方が好きです」と、1500mの魅力に引き込まれつつあるようだ。 秋シーズンでは、駅伝での戦いが待っている。「トラックレースに出る機会は少なくなると思いますが、出る時は記録を狙って、できれば日本中学記録を目指したい。でも、それ以上に、駅伝に向けて自分の自信になるレースができたらと思っています」と川口。中学から陸上を始めて、わずか2年半で日本一に上り詰めたものの、その成長曲線はこれからもしばらくは急角度の右肩上がりを描いていきそうだ。 ◇3日目の優勝者 男子100m 年綱晃広(塩瀬3兵庫)   11秒05(-1.3) 男子110mH 橋本 悠(三尻3埼玉)   14秒13(-2.8) 男子1500m 川口峻太朗(京山3岡山)  3分53秒94=大会新 男子4×100mR 伊東南(静岡)       42秒94 男子走幅跳 上河内理来(府中八3東京) 7m11(+3.0) 男子砲丸投 永江翔太朗(大成3和歌山) 15m40 女子100m ロス瑚花アディア(駒沢3東京)12秒17(-3.1) 女子1500m 川西みち(永犬丸3福岡)  4分27秒30 女子100mH 谷中天架(八屋3福岡)   13秒83(-1.9) 女子4×100mR 咲くやこの花(大阪)    47秒81 文/小野哲史

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.11.04

ロジスティード初制覇!前回優勝GMOが2位、初陣M&Aが初ニューイヤー、コニカミノルタら全日本復活3チーム/東日本実業団駅伝

◇第66回東日本実業団対抗駅伝(11月3日/埼玉・熊谷スポーツ文化公園競技場及び公園内特設周回コース:7区間74.6km) 第66回東日本実業団対抗駅伝が行われ、東日本枠「12」と第70回記念枠「1」(13位以下で最上位 […]

NEWS “走る伝説”キプチョゲが第一線退く マラソン2時間切り、五輪2連覇 マラソン界の常識を変えた鉄人

2025.11.04

“走る伝説”キプチョゲが第一線退く マラソン2時間切り、五輪2連覇 マラソン界の常識を変えた鉄人

11月2日、米国でニューヨークシティマラソンに出場したエリウド・キプチョゲ(ケニア)が、フィニッシュ後、今後はエリートレースには参加せず、新たなプロジェクト「エリウド・キプチョゲ・ワールドツアー」を始めることを発表した。 […]

NEWS 白熱アンカー決戦!三菱重工が制覇!クラフティア2位、黒崎播磨が3位、全日本覇者・旭化成Aは8位/九州実業団駅伝

2025.11.04

白熱アンカー決戦!三菱重工が制覇!クラフティア2位、黒崎播磨が3位、全日本覇者・旭化成Aは8位/九州実業団駅伝

◇第62回九州実業団毎日駅伝(11月3日/大分・佐伯中央病院陸上競技場~佐伯市屋内運動広場特設コース:7区間89.3km) 第62回九州実業団毎日駅伝が行われ、九州枠「9」と第70回記念枠「1」(9位から10分差以内が条 […]

NEWS 豊川が男女優勝 男子は2時間6分23秒で2年ぶりV 女子は序盤で主導権を握って逃げ切り4連覇/愛知県高校駅伝

2025.11.04

豊川が男女優勝 男子は2時間6分23秒で2年ぶりV 女子は序盤で主導権を握って逃げ切り4連覇/愛知県高校駅伝

全国高校駅伝の出場権を懸けた愛知県高校駅伝は11月3日、一宮市大野極楽寺公園発着木曽川沿川サイクリングコースで行われ、男女ともに豊川が制した。男子(7区間42.195km)は2時間6分23秒で2年ぶり10回目のV。女子( […]

NEWS 高知農が県高校最高記録の2時間6分36秒で5連覇 女子は山田がオール区間賞で都大路は“皆勤”の37に/高知県高校駅伝

2025.11.03

高知農が県高校最高記録の2時間6分36秒で5連覇 女子は山田がオール区間賞で都大路は“皆勤”の37に/高知県高校駅伝

全国高校駅伝の出場権を懸けた高知県高校駅伝は11月2日、高知市東部総合運動場周回コースで行われ、男子(7区間42.195km)は高知農が県高校最高記録となる2時間6分36秒で5年連続49回目の優勝。女子(5区間21.09 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年11月号 (10月14日発売)

2025年11月号 (10月14日発売)

東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望

page top