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Rising Star Athlete 吉田弘道 覚醒した関西期待のロングジャンパー
Rising Star Athlete 吉田弘道 覚醒した関西期待のロングジャンパー

7月の兵庫県選手権で地元・姫路商高出身の吉田弘道(立命大)が5回目に8m14(+1.7)をマーク。日本歴代8位、日本学生歴代4位で、1993年に朝原宣治(同大)が作った8m13の関西学生記録&兵庫県記録を28年ぶりに更新した。最終跳躍でも追い風参考ながら8m23(+3.1)の大ジャンプ。一躍、走幅跳界のトップに躍り出た吉田だが、これまで跳躍専門のコーチの指導を受けず、国内外の有力選手の動画や試合での行動・動作などを参考にしながら技術を突き詰めてきた。高校時代から公言してきた8m、そして偉大な兵庫の先輩の記録を塗り替えた今、見据えるその先とは。

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文/花木 雫

高校時代から公言してきた8mを実現

活況を呈する男子ロングジャンプ陣にあって、吉田弘道(立命大)の名前を聞いてピンと来る人はそれほど多くなかっただろう。高3時の山形インターハイこそ2位に食い込んでいるものの、大学では2年時の日本学生個人選手権、昨年の日本インカレの4位が最高で表彰台にも上れていない。それでも大学2年時の西日本インカレで、向かい風1.4mを突いて7m88の自己ベストを跳んで以来、「8mをすぐに跳べるだろう、と。常に8mの手応えはありました」。しかし、それをなかなか結果で示すことができずにいた。

そんな吉田が、その手応えを現実のものとしたのが昨年8月のAthlete Night Games in FUKUI。8m05(+2.7)をジャンプし、追い風参考ながら初めての大台到達で、日本記録(8m40)を持つ城山正太郎(ゼンリン)や小田大樹(ヤマダホールディングス)ら8mジャンパーを抑え、周囲の度肝を抜いた。矢継ぎ早に質問する記者たちを目の当たりにし、自身の知名度の低さを実感するとともに戸惑いや悔しさを覚えたと振り返る。

しかし、その勢いのまま臨んだ日本インカレは7m64(+0.3)で4位、日本選手権は11位と入賞を逃す。秋に延期となっていた関西インカレでは7m84(+1.2)の大会新を叩き出すが、目標の8m台に届かずに大学3年目を終了。もどかしさだけが募った。

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そんな思いをすべて払拭したのが7月の兵庫県選手権だ。5回目に日本歴代8位、日本学生歴代4位となる8m14(+1.7)をマークし、1993年に朝原宣治(同大)が作った8m13の関西学生記録&兵庫県記録を28年ぶりに更新。続く6回目には追い風参考ながら8m23(+3.1)の大ジャンプで、東京五輪&ユージン世界選手権の参加標準記録8m22を上回った。

「高校の時からずっと周囲も自分も8mを意識して取り組んできました。答え合わせがやっとできた感じです。口だけじゃないと証明できた」と喜びを語った。

中、高と基礎を磨き、技術は見て学ぶ

兵庫県の中でも自然が豊かな神崎郡の出身。運動の習い事はしていなかった吉田だが、小学生の頃から放課後のクラブ活動で陸上に興味を持ち、多くの小学生同様あこがれの兵庫リレーカーニバルを目標に励んでいた。長距離を勧められたこともあったというが、当時から「自分からやりたいと言った」のが走幅跳。小6で初めて出場した記録は4m10だった。

福崎西中に進学してからはバスケットボール部へも興味を持ったが、顧問の誘いもあって陸上部へ。中3時には全中に進むも予選敗退に終わっている。高校は地元の名門・姫路商高へ。2年時に日本ユースに出場。3年時の山形インターハイで2位と実績を残したが、2年目までは伸び悩みからやり投への転向を真剣に考えたこともあったという。

この続きは2021年8月12日発売の『月刊陸上競技9月号』をご覧ください。

 

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7月の兵庫県選手権で地元・姫路商高出身の吉田弘道(立命大)が5回目に8m14(+1.7)をマーク。日本歴代8位、日本学生歴代4位で、1993年に朝原宣治(同大)が作った8m13の関西学生記録&兵庫県記録を28年ぶりに更新した。最終跳躍でも追い風参考ながら8m23(+3.1)の大ジャンプ。一躍、走幅跳界のトップに躍り出た吉田だが、これまで跳躍専門のコーチの指導を受けず、国内外の有力選手の動画や試合での行動・動作などを参考にしながら技術を突き詰めてきた。高校時代から公言してきた8m、そして偉大な兵庫の先輩の記録を塗り替えた今、見据えるその先とは。 文/花木 雫

高校時代から公言してきた8mを実現

活況を呈する男子ロングジャンプ陣にあって、吉田弘道(立命大)の名前を聞いてピンと来る人はそれほど多くなかっただろう。高3時の山形インターハイこそ2位に食い込んでいるものの、大学では2年時の日本学生個人選手権、昨年の日本インカレの4位が最高で表彰台にも上れていない。それでも大学2年時の西日本インカレで、向かい風1.4mを突いて7m88の自己ベストを跳んで以来、「8mをすぐに跳べるだろう、と。常に8mの手応えはありました」。しかし、それをなかなか結果で示すことができずにいた。 そんな吉田が、その手応えを現実のものとしたのが昨年8月のAthlete Night Games in FUKUI。8m05(+2.7)をジャンプし、追い風参考ながら初めての大台到達で、日本記録(8m40)を持つ城山正太郎(ゼンリン)や小田大樹(ヤマダホールディングス)ら8mジャンパーを抑え、周囲の度肝を抜いた。矢継ぎ早に質問する記者たちを目の当たりにし、自身の知名度の低さを実感するとともに戸惑いや悔しさを覚えたと振り返る。 しかし、その勢いのまま臨んだ日本インカレは7m64(+0.3)で4位、日本選手権は11位と入賞を逃す。秋に延期となっていた関西インカレでは7m84(+1.2)の大会新を叩き出すが、目標の8m台に届かずに大学3年目を終了。もどかしさだけが募った。 そんな思いをすべて払拭したのが7月の兵庫県選手権だ。5回目に日本歴代8位、日本学生歴代4位となる8m14(+1.7)をマークし、1993年に朝原宣治(同大)が作った8m13の関西学生記録&兵庫県記録を28年ぶりに更新。続く6回目には追い風参考ながら8m23(+3.1)の大ジャンプで、東京五輪&ユージン世界選手権の参加標準記録8m22を上回った。 「高校の時からずっと周囲も自分も8mを意識して取り組んできました。答え合わせがやっとできた感じです。口だけじゃないと証明できた」と喜びを語った。

中、高と基礎を磨き、技術は見て学ぶ

兵庫県の中でも自然が豊かな神崎郡の出身。運動の習い事はしていなかった吉田だが、小学生の頃から放課後のクラブ活動で陸上に興味を持ち、多くの小学生同様あこがれの兵庫リレーカーニバルを目標に励んでいた。長距離を勧められたこともあったというが、当時から「自分からやりたいと言った」のが走幅跳。小6で初めて出場した記録は4m10だった。 福崎西中に進学してからはバスケットボール部へも興味を持ったが、顧問の誘いもあって陸上部へ。中3時には全中に進むも予選敗退に終わっている。高校は地元の名門・姫路商高へ。2年時に日本ユースに出場。3年時の山形インターハイで2位と実績を残したが、2年目までは伸び悩みからやり投への転向を真剣に考えたこともあったという。 この続きは2021年8月12日発売の『月刊陸上競技9月号』をご覧ください。  
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