◇第20回アジア大会・陸上競技(9月23~29日/愛知県名古屋市・パロマ瑞穂スタジアム)3日目
名古屋アジア大会の3日目の午後セッションに女子棒高跳の決勝が行われ、諸田実咲(アットホーム)が日本新の4m55をクリアし、同種目日本勢初の金メダルを獲得した。
「今シーズンは一番の目標にしてきたアジア大会の優勝この大会で優勝を達成できて、すごくうれしい気持ちでいっぱいです」
アジアの新女王は、そう誇らしげに語った。
前回は当時日本新の4m48で銀メダルを獲得していた諸田。跳び始めの4m00は「最初は動きが良くなくて」1度バーを落としたが、「修正していってどんどん良くなってきました」。4m15、4m25はいずれも1回でクリア。この時点で2大会連続のメダルを確定させる。
ここからはアジア記録(4m73)を持つ牛春格(中国)との一騎打ち。諸田は4m35を2度目、4m45を1回で成功。牛春格は4m25、4m40、4m50を悠々と越えていく。
勝負が大きく分けたのが4m55。「とにかく自分に集中していました」という諸田は、助走を中心に徐々に重ねてきた修正の意識がピタリとはまり出す。9月12日の全日本実業団対抗選手権で出したばかりの日本記録4m51を4㎝上回る高さ。これを2回目にクリアした。
この高さをパスしていた牛春格は4m60の跳躍が一変した。明らかにプレッシャーがかかったように高さが出ず、2度失敗。追い詰められた3回目もバーを落とした。
この時点で、諸田の“快挙”が確定。98年バンコク大会から始まったこの種目の中国勢連覇を「7」で止め、歴代優勝者に日本の名を始めて刻んだ。
昨年5月のアジア選手権で、強風にあおられてバランスを崩し、助走路に落下。両手骨折の重傷を負った。それでも、初の世界挑戦だった9月の東京世界選手権のピットに立っている。
大ケガを乗り越え、今季は5月の木南記念で4m50の日本新をマークすると、全日本実業団を含めてこれで今季3度目の日本新。扱うポールのレベルも確実にアップし、「地力がついている」ことを実感している。
優勝が決まった後も、4m61に果敢に挑戦。牛春格「4m60を跳んでくる」と集中力を欠かさなかった面はあるが、クリアはならなかったものの「優勝が決まってからも絶対に跳びに行くという気持で最後まで試合ができました」。
群馬・大泉南中で3m81の当時中学最高をマークし、太田女高、中大と常に同世代のトップを走り続けてきた諸田。アジアの頂点に立ったが、「これ(4m55)をコンスタントに飛んで、自己ベストを4m60オーバーや4m70に乗せないと世界とは戦えません」と満足する様子はない。
世界を見据え、さらなる高いバーに挑んでいく。
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