◇天皇賜盃第95回日本学生陸上競技対校選手権(9月5~7日/神奈川・日産スタジアム)1日目
学生ナンバー1を争う日本インカレの1日目が行われ、女子走高跳は矢野夏希(早大)が自己新となる1m84を跳んで2年ぶりの優勝を飾った。
165cmの身体が美しく宙を舞い、両手を高く挙げた。勝負どころの1m81を2回目に成功して優勝を決めたあと、バーを1m84に上げると、それを3回目にクリア。「高さも感じたのですが、1回目はとにかくスピードを出して突っ込んでみました」とバーにぶつかるようになったが、そこで感覚をつかんで徐々に修正した。
日本選手権前、教育実習で地元・愛知に帰っていた5月に、埼玉まで戻って出た大会で1m82の自己新。今回はその記録を2cm更新してみせ、2年ぶりの優勝に「去年は試技数差で負けて2位だったので絶対に勝ちたいと思っていた」と笑顔が弾けた。
1m84にバーを上げたのは理由がある。「日本選手権を連覇されていてあこがれていた」という仲野春花が持っていた早大記録の更新。「入学した時から、早大記録の更新が目標にして4年間頑張ってきました」。臙脂をまとって出る最後のインカレで、ついにそれを実現した。
スタンドには仲野さんの姿も。高校時代にインターハイを勝ち、跳躍選手の少なかった早大に進学すると日本選手権連覇など実績を残した。卒業後はニッパツで競技を続け、昨年一線を退いた。「いつもたくさん連絡をくれるんです。なかなか見に来られなかったのですが、今日見ている大会で記録が抜かれて来て良かった。驚くほど悔しさがなくて、本当にうれしいんです」を浮かべ、「後に続く選手から尊敬される選手になってほしいです」と思いを託す。
持ち味は小柄な身体を生かしたスピードと「軽さ」。だが、「これではまだまだ世界で戦えません」。昨年、1m79の自己新を跳んだ時に、「卒業後も続けたい」と覚悟を決めた。地元開催の名古屋アジア大会を狙ったが届かず。「来年のアジア選手権へ」と気持ちを強くする。卒業後も実業団で競技を続ける方向で進んでいるという。
髙橋渚(センコー)が1m90オーバーを見せて東京世界選手権に出場するなど、徐々に盛り上がりが戻ってきた女子走高跳。「少しずつ日本も世界に近づいていると思うので、私も飛び込めるようにがんばります」。あこがれの先輩を超えた今、次は先輩が果たせなかった世界という夢を追いかけて跳び続けていく。
女子走高跳 学生歴代10傑
1.95 佐藤 恵(福岡大) 1987. 5.17 1.93 太田 陽子(日体大1) 1993. 9.18 1.93 今井 美希(中京女大4) 1997. 9.14 1.90 八木たまみ(関東学園大) 1978.10.19 1.90 貞廣 千波(中京女大4) 1994.11. 2 1.85 青山 幸(中京女大M1) 2000. 4.29 1.85 森﨑 優希(日女体大2) 2025.10. 6 1.84 加藤 純子(天理大) 1985.10. 5 1.84 漆原 延江(筑波大) 1985.10.23 1.84 若林 和美(富山大) 1986. 5.31 1.84 矢野 夏希(早大) 2026. 9. 5RECOMMENDED おすすめの記事
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