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2026.04.14

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酸素ルームを活用した口腔ケアで〝全身の統合医療〟を推進/歯科医師・野本恵子
酸素ルームを活用した口腔ケアで〝全身の統合医療〟を推進/歯科医師・野本恵子

口腔ケアを基点としてトータルサポートするのがライフワークとなっている歯科医師の野本恵子先生。日本気圧バルク工業の『O2Room®』は欠かせないパートナーになっている

軽度高気圧濃縮酸素の環境をつくり出す日本気圧バルク工業の『O2Room®』は最高のパートナー

歯科治療だけでなく、患者さんの身体全体を治し、良い状態にするために、口腔ケアを基点としてトータルサポートするのが歯科医師・野本恵子先生のライフワークだ。現在は口腔ケアと軽度高気圧濃縮酸素の環境をつくり出す日本気圧バルク工業の酸素ルーム『O2Room®』の組み合わせに注目し、自身のクリニックでも積極的に活用している。なぜ、口腔ケアが全身の病気の防止や改善に関わるのか。それがアスリートのパフォーマンス向上にどのように結びつくのか。〝口を通してのホームドクター〟を自任する野本先生に真意を聞いた。

「歯周病は万病の元」口腔ケアが健康寿命を延ばす

厚生労働省などのデータによると、日本人の歯周病有病率は、20代でも70%を超え、30代が77.5%。40代以上は80%にのぼる。歯周病とは、歯の周囲の汚れ(プラーク)が原因で歯ぐき(歯肉)に炎症が起き、歯を支える骨(歯槽骨)が溶けていく病気である。しかし、多くの人は「歯茎が腫れて、最終的には歯が抜ける。歯が抜けるだけなら、インプラントや入れ歯など、いくらでも代わりの手段はある」と軽く考えがちだ。

厄介なのは歯周病が慢性炎症であること。骨折や火傷のような急性炎症と違い、痛みなどの自覚症状が出にくいため、気づかないうちに静かに進行する。世界で最も多くの人が罹患している慢性疾患が歯周病なのだ。

ただ、野本先生は「本当に怖いのは、歯周病が他の全身疾患と深く関係している点です」と話す。
「よく『人は血管から老化する』と言われるように、健康な血管はしなやかですが、加齢とともに弾力を失います。そこにプラークと呼ばれる汚れが溜まると、血管はどんどん狭くなり、血の巡りが悪化します。そして、血流の圧力によってプラークが剥がれ、血栓(血の塊)となって血流に乗っていく。これが脳の血管に詰まれば脳梗塞、心臓の血管に詰まれば心筋梗塞を引き起こすわけです」

口の中や周りにも毛細血管が集中しており、口の中で繁殖した歯周病菌やその毒素が血液循環に乗って全身に運ばれる。そうして糖尿病や肺炎(誤嚥性肺炎)、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)や心筋梗塞といった死に直結するような重大な疾患のほか、認知症、無呼吸症候群、早産・低体重児出産などにつながる。

「歯周病にならない代わりに脳卒中になってもいい」と考える人はいない。野本先生が「人間の体はすべてつながっています」と言うように、歯周病は万病の元。国も近年、国民の医療費や介護費などを削減するために、長患いを防げる「口腔ケア」の重要性を認識し始めている。健康寿命を延ばす第一歩は、間違いなく〝口の中〟から始まる。

口腔ケアはアスリートのパフォーマンス向上につながる

身体が健康なアスリートは、口の中も健康だろう――。そう思うかもしれないが、事実はまったく異なる。2012年のロンドン五輪に出場したアスリートの歯科調査データ(国際歯科連盟が2019年5月に発表)を見ると、55%に虫歯があり、76%が歯周病を抱えていた。同年代の一般人と比較しても、アスリートの方が明らかに口腔環境が悪い傾向にあることがわかった。

その最大の理由を野本先生は、「アスリートならではの過酷なストレスにある」と考える。選手は日々、限界を超えるような過度なトレーニングを行い、身体には凄まじい生理的・酸化ストレスがかかっている。「勝たなければならない」というプレッシャーや周囲からの期待もあり、常に緊張状態にある。すると、自律神経のバランスが崩れ、リラックスを司る副交感神経が働きにくくなり、常に戦闘モードである交感神経が優位になり続ける。

「交感神経が優位になると、唾液の分泌が抑えられます。緊張して口の中がカラカラになった経験は誰にでもあるでしょう。唾液には口の中の汚れを洗い流し、細菌の繁殖を抑える自浄作用がありますが、減少することで口腔内が乾燥し、虫歯や歯周病のリスクが高くなります」

競技中や練習中にこまめに摂取するスポーツドリンクには糖質が含まれている場合が多く、それも虫歯になりやすい環境を作っている。

また、野本先生は口腔環境低下の1つとして、アスリート特有の食いしばりも指摘する。
「人は瞬発的にパワーを発揮する際、無意識に歯を食いしばります。この咬合圧(噛む力)によって歯はすり減り、細かいヒビのようなクラックが入ります。歯にヒビが入ると、表面を覆う硬いエナメル質が剥がれ落ち、無防備になった部分から虫歯が進行していきます」

さらに言えば、噛み合わせのズレは、体幹のブレに直結する。噛み合わせが高すぎたり不自然だったりすると、顎の関節周辺にある三叉神経を圧迫し、それが脳幹に影響を与え、競技中の集中力や瞬時の判断力を鈍らせてしまう。

一流のアスリートほどこの事実に気づき、お金をかけてでも歯のメンテナンスや矯正、噛み合わせの調整を行っている。高いパフォーマンスを発揮し、かつ激しい疲労から効率よくリカバリーする。そのためには、良質な睡眠によって副交感神経を優位にすることが不可欠であり、そこにも口腔環境の正常化が深く関わっている。

歯周病の改善には「酸素」の力が不可欠

歯周病改善策の1つとして、野本先生は「酸素」に着目した。なぜ酸素が有効なのかのカギは、歯周病の主要菌の性質にある。歯周病の主要菌であるP.g菌は、「嫌気性菌」と呼ばれる細菌。文字通り、酸素を嫌い、酸素がない場所で活発に増殖する性質を持っている。

「つまり、口の中や歯周ポケットの奥深く、そして全身の血流に酸素を送り込んであげれば、酸素を嫌う歯周病菌は生きていけず、増殖を抑えることができます」
細菌を殺すだけであれば抗生物質を飲むという手法もある。しかし、歯周病菌を殺すために薬を飲めば、同時に腸内環境を整えている善玉菌まで殺してしまいかねない。

これが酸素であれば、「腸内細菌などの全身のバランスを壊すことなく、安全に嫌気性菌を退治できます」と野本先生は話す。

血管には動脈、静脈、細小動脈、毛細血管の4種類があり、そのうち毛細血管が血管全体の99%を占める。そして、体内の酸素には、赤血球のヘモグロビンと結びついた「結合酸素」と、血液や体液に直接溶け込んだ「溶存酸素」がある。私たちが普段の呼吸で取り込む酸素の約95%は結合酸素だが、粒子のサイズが大きいため、細い血管の深部までは届きにくい。ヘモグロビンと結合するため、運べる酸素量にも限りがある。

一方、溶存酸素は分子が微細なため、毛細血管の隅々までスムーズに浸透する。一定の気圧をかけた環境内で酸素の分子が直接血液や体液に溶け込み、ヘモグロビンの量に左右されない。野本先生は「口腔ケアを定期的に行い、軽度高気圧の酸素ルームで溶存酸素を増やしてあげれば、歯周病や全身疾患を減らすことができる」という確信に至った。

日本気圧バルク工業が推し進める軽度高気圧濃縮酸素に注目

液体に溶ける気体の量は圧力に比例するため、「溶存酸素」を増やすには気圧と酸素濃度を上げれば良いが、数値が高ければ高いほど良いというわけではない。私たちは普段、1気圧、酸素濃度20.9%の環境で生活している。その中で野本先生は、京都大学の石原昭彦教授が提唱する「1.25~1.3気圧、酸素濃度35~40%」という軽度高気圧濃縮酸素の設定を強く支持する。

「たとえば一酸化炭素中毒や重度の火傷など、命に関わる救急医療の現場では、2気圧で酸素濃度100%の『高気圧酸素』が必要です。でも、この環境は爆発の危険性もありますから厳重な設備が備わっていることが前提で、専門の技師が立ち会わなければいけません。また、この環境に近い1.9~1.6気圧の酸素ルームを健康器具として販売している会社もありますが、それを日常的なケアやリカバリーに使えば、肺に負担がかかり、逆に酸素毒性のような害をもたらします。人間の身体はバランスがすべて。人体に負担をかけず、かつ安全に溶存酸素を増やせるのが、1.3気圧、酸素濃度40%なのです」

医学的根拠に基づいた絶妙なバランスに惚れ込んだ野本先生が、治療に取り入れているのが、日本気圧バルク工業の酸素ルーム『O2Room®』である。導入を考えていた7年ほど前、「みなさんから信頼してもらうためにも、一番良い製品を選びたい」と、静岡市の日本気圧バルク工業本社を訪れ、天野英紀社長から懇切丁寧な説明を聞いたという。

「私は歯科医ですからエビデンスのないものは信じません。日本気圧バルク工業さんは京都大学、名古屋大学、神戸大学といったいくつもの教育・研究機関や医療機関との共同研究によるエビデンスが豊富ですし、天野社長は売ること以上に、私が知りたいことに対してとても協力的でした。たくさんのメーカーを検討したなかで、日本気圧バルク工業さんの製品にしたのはそれが決め手になりました」

確かなエビデンスや天野社長の人柄以外にも、日本気圧バルク工業には酸素に関わる事業をはじめて30年間で一度も事故や大きな故障もないという信頼性の高さがあり、きめ細やかなアフターサービスで多くのユーザーを満足させている。その点も野本先生が惹かれたポイントになった。

日本気圧バルク工業の『O2Room®』は数々の大学や医療機関と共同研究を重ねて開発された製品で、「多くのエビデンスが揃っていることが信頼している最大の要因」と野本先生は話す

歯や口腔だけでなく、患者さんの身体全体を健康に

現在、野本先生が携わる医科・歯科クリニックは首都圏にある8院。そのうち6院で日本気圧バルク工業の高気圧酸素ルーム『O2Room®』を導入している。「主に治療の待ち時間に入っていただき、ご自身の治療がない日に酸素ルームだけ入りにいらっしゃる患者さんもいます」と野本先生。

利用者からは好評で、「『酸素ルームに入るようになってからインフルエンザにかかっていない』と言われる方が何人かいます。口腔ケアと酸素の両方をやることで、免疫力が上がったのだと思います。腕を骨折していた女性は、治りが早くて『最初に診てもらった病院で驚かれた』と言っていました」。

野本先生が関わっている「メディプラングループ」の歯科医院の中でも、医科と歯科が連携して最先端の複合治療を行っている東京・表参道の「パルフェクリニック・医科歯科」のエントランスにて

「パルフェクリニック・医科歯科」は地下鉄・表参道駅から徒歩1分という絶好のロケーション。青山通り沿いにそびえ立つファッションブランドやレストラン、カフェなどがいくつも入っている複合商業ビル<Ao>の3階にある

疲労回復、代謝改善、免疫改善、睡眠の質の向上、集中力向上だけでなく、ケガや傷の治癒促進の効果も期待できるのが酸素ルームの利点だ。

もっとも、酸素ルームはそれなりに場所を取るため、野本先生が関わるどの歯科クリニックでもユニット(椅子や診療設備一体となった診療台)1台分のスペースを撤去して、酸素ルームを設置しているという。1台のユニットが減れば、それだけクリニックの診療収入も減ることになるが、野本先生にはそれ以上に大切にしている信念がある。

「歯医者の役目は、虫歯を治したり、インプラントを入れたりするだけではありません。脳梗塞や心筋梗塞を治すことはできませんが、歯の治療や口腔ケアを通して、より健康な身体にすることができる。私はそれを信じて疑っていません」

歯周病という口内の慢性炎症を放置すれば、やがて血液を巡り、取り返しのつかない大病の引き金になる。逆に言えば、口の中を健康に保ち、正しい噛み合わせを獲得すれば、全身の免疫力は向上し、病気を未然に防ぐことができる。

野本先生の「健康寿命を延ばしたい」という思いを具現化するための強力なパートナーが、日本気圧バルク工業の『O2Room®』である。アスリートであれば、軽度高気圧の酸素ルームは疲労回復やケガの治癒促進が期待され、副交感神経が優位になることで睡眠の質も上がる。結果的にパフォーマンス向上にもつながりやすい。

一歯科医師の枠にとどまらない野本先生は、これからも口腔ケアと酸素ルームの相乗効果を活用した「全身の統合医療」を牽引していく。

野本先生は口腔ケアと酸素ルームの相乗効果を活用した「全身の統合医療」を推進している

文/小野哲史、撮影/樋口俊秀

軽度高気圧濃縮酸素の環境をつくり出す日本気圧バルク工業の『O2Room®』は最高のパートナー 歯科治療だけでなく、患者さんの身体全体を治し、良い状態にするために、口腔ケアを基点としてトータルサポートするのが歯科医師・野本恵子先生のライフワークだ。現在は口腔ケアと軽度高気圧濃縮酸素の環境をつくり出す日本気圧バルク工業の酸素ルーム『O2Room®』の組み合わせに注目し、自身のクリニックでも積極的に活用している。なぜ、口腔ケアが全身の病気の防止や改善に関わるのか。それがアスリートのパフォーマンス向上にどのように結びつくのか。〝口を通してのホームドクター〟を自任する野本先生に真意を聞いた。 「歯周病は万病の元」口腔ケアが健康寿命を延ばす 厚生労働省などのデータによると、日本人の歯周病有病率は、20代でも70%を超え、30代が77.5%。40代以上は80%にのぼる。歯周病とは、歯の周囲の汚れ(プラーク)が原因で歯ぐき(歯肉)に炎症が起き、歯を支える骨(歯槽骨)が溶けていく病気である。しかし、多くの人は「歯茎が腫れて、最終的には歯が抜ける。歯が抜けるだけなら、インプラントや入れ歯など、いくらでも代わりの手段はある」と軽く考えがちだ。 厄介なのは歯周病が慢性炎症であること。骨折や火傷のような急性炎症と違い、痛みなどの自覚症状が出にくいため、気づかないうちに静かに進行する。世界で最も多くの人が罹患している慢性疾患が歯周病なのだ。 ただ、野本先生は「本当に怖いのは、歯周病が他の全身疾患と深く関係している点です」と話す。 「よく『人は血管から老化する』と言われるように、健康な血管はしなやかですが、加齢とともに弾力を失います。そこにプラークと呼ばれる汚れが溜まると、血管はどんどん狭くなり、血の巡りが悪化します。そして、血流の圧力によってプラークが剥がれ、血栓(血の塊)となって血流に乗っていく。これが脳の血管に詰まれば脳梗塞、心臓の血管に詰まれば心筋梗塞を引き起こすわけです」 口の中や周りにも毛細血管が集中しており、口の中で繁殖した歯周病菌やその毒素が血液循環に乗って全身に運ばれる。そうして糖尿病や肺炎(誤嚥性肺炎)、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)や心筋梗塞といった死に直結するような重大な疾患のほか、認知症、無呼吸症候群、早産・低体重児出産などにつながる。 「歯周病にならない代わりに脳卒中になってもいい」と考える人はいない。野本先生が「人間の体はすべてつながっています」と言うように、歯周病は万病の元。国も近年、国民の医療費や介護費などを削減するために、長患いを防げる「口腔ケア」の重要性を認識し始めている。健康寿命を延ばす第一歩は、間違いなく〝口の中〟から始まる。 口腔ケアはアスリートのパフォーマンス向上につながる 身体が健康なアスリートは、口の中も健康だろう――。そう思うかもしれないが、事実はまったく異なる。2012年のロンドン五輪に出場したアスリートの歯科調査データ(国際歯科連盟が2019年5月に発表)を見ると、55%に虫歯があり、76%が歯周病を抱えていた。同年代の一般人と比較しても、アスリートの方が明らかに口腔環境が悪い傾向にあることがわかった。 その最大の理由を野本先生は、「アスリートならではの過酷なストレスにある」と考える。選手は日々、限界を超えるような過度なトレーニングを行い、身体には凄まじい生理的・酸化ストレスがかかっている。「勝たなければならない」というプレッシャーや周囲からの期待もあり、常に緊張状態にある。すると、自律神経のバランスが崩れ、リラックスを司る副交感神経が働きにくくなり、常に戦闘モードである交感神経が優位になり続ける。 「交感神経が優位になると、唾液の分泌が抑えられます。緊張して口の中がカラカラになった経験は誰にでもあるでしょう。唾液には口の中の汚れを洗い流し、細菌の繁殖を抑える自浄作用がありますが、減少することで口腔内が乾燥し、虫歯や歯周病のリスクが高くなります」 競技中や練習中にこまめに摂取するスポーツドリンクには糖質が含まれている場合が多く、それも虫歯になりやすい環境を作っている。 また、野本先生は口腔環境低下の1つとして、アスリート特有の食いしばりも指摘する。 「人は瞬発的にパワーを発揮する際、無意識に歯を食いしばります。この咬合圧(噛む力)によって歯はすり減り、細かいヒビのようなクラックが入ります。歯にヒビが入ると、表面を覆う硬いエナメル質が剥がれ落ち、無防備になった部分から虫歯が進行していきます」 さらに言えば、噛み合わせのズレは、体幹のブレに直結する。噛み合わせが高すぎたり不自然だったりすると、顎の関節周辺にある三叉神経を圧迫し、それが脳幹に影響を与え、競技中の集中力や瞬時の判断力を鈍らせてしまう。 一流のアスリートほどこの事実に気づき、お金をかけてでも歯のメンテナンスや矯正、噛み合わせの調整を行っている。高いパフォーマンスを発揮し、かつ激しい疲労から効率よくリカバリーする。そのためには、良質な睡眠によって副交感神経を優位にすることが不可欠であり、そこにも口腔環境の正常化が深く関わっている。 歯周病の改善には「酸素」の力が不可欠 歯周病改善策の1つとして、野本先生は「酸素」に着目した。なぜ酸素が有効なのかのカギは、歯周病の主要菌の性質にある。歯周病の主要菌であるP.g菌は、「嫌気性菌」と呼ばれる細菌。文字通り、酸素を嫌い、酸素がない場所で活発に増殖する性質を持っている。 「つまり、口の中や歯周ポケットの奥深く、そして全身の血流に酸素を送り込んであげれば、酸素を嫌う歯周病菌は生きていけず、増殖を抑えることができます」 細菌を殺すだけであれば抗生物質を飲むという手法もある。しかし、歯周病菌を殺すために薬を飲めば、同時に腸内環境を整えている善玉菌まで殺してしまいかねない。 これが酸素であれば、「腸内細菌などの全身のバランスを壊すことなく、安全に嫌気性菌を退治できます」と野本先生は話す。 血管には動脈、静脈、細小動脈、毛細血管の4種類があり、そのうち毛細血管が血管全体の99%を占める。そして、体内の酸素には、赤血球のヘモグロビンと結びついた「結合酸素」と、血液や体液に直接溶け込んだ「溶存酸素」がある。私たちが普段の呼吸で取り込む酸素の約95%は結合酸素だが、粒子のサイズが大きいため、細い血管の深部までは届きにくい。ヘモグロビンと結合するため、運べる酸素量にも限りがある。 一方、溶存酸素は分子が微細なため、毛細血管の隅々までスムーズに浸透する。一定の気圧をかけた環境内で酸素の分子が直接血液や体液に溶け込み、ヘモグロビンの量に左右されない。野本先生は「口腔ケアを定期的に行い、軽度高気圧の酸素ルームで溶存酸素を増やしてあげれば、歯周病や全身疾患を減らすことができる」という確信に至った。 日本気圧バルク工業が推し進める軽度高気圧濃縮酸素に注目 液体に溶ける気体の量は圧力に比例するため、「溶存酸素」を増やすには気圧と酸素濃度を上げれば良いが、数値が高ければ高いほど良いというわけではない。私たちは普段、1気圧、酸素濃度20.9%の環境で生活している。その中で野本先生は、京都大学の石原昭彦教授が提唱する「1.25~1.3気圧、酸素濃度35~40%」という軽度高気圧濃縮酸素の設定を強く支持する。 「たとえば一酸化炭素中毒や重度の火傷など、命に関わる救急医療の現場では、2気圧で酸素濃度100%の『高気圧酸素』が必要です。でも、この環境は爆発の危険性もありますから厳重な設備が備わっていることが前提で、専門の技師が立ち会わなければいけません。また、この環境に近い1.9~1.6気圧の酸素ルームを健康器具として販売している会社もありますが、それを日常的なケアやリカバリーに使えば、肺に負担がかかり、逆に酸素毒性のような害をもたらします。人間の身体はバランスがすべて。人体に負担をかけず、かつ安全に溶存酸素を増やせるのが、1.3気圧、酸素濃度40%なのです」 医学的根拠に基づいた絶妙なバランスに惚れ込んだ野本先生が、治療に取り入れているのが、日本気圧バルク工業の酸素ルーム『O2Room®』である。導入を考えていた7年ほど前、「みなさんから信頼してもらうためにも、一番良い製品を選びたい」と、静岡市の日本気圧バルク工業本社を訪れ、天野英紀社長から懇切丁寧な説明を聞いたという。 「私は歯科医ですからエビデンスのないものは信じません。日本気圧バルク工業さんは京都大学、名古屋大学、神戸大学といったいくつもの教育・研究機関や医療機関との共同研究によるエビデンスが豊富ですし、天野社長は売ること以上に、私が知りたいことに対してとても協力的でした。たくさんのメーカーを検討したなかで、日本気圧バルク工業さんの製品にしたのはそれが決め手になりました」 確かなエビデンスや天野社長の人柄以外にも、日本気圧バルク工業には酸素に関わる事業をはじめて30年間で一度も事故や大きな故障もないという信頼性の高さがあり、きめ細やかなアフターサービスで多くのユーザーを満足させている。その点も野本先生が惹かれたポイントになった。 [caption id="attachment_203463" align="alignnone" width="761"] 日本気圧バルク工業の『O2Room®』は数々の大学や医療機関と共同研究を重ねて開発された製品で、「多くのエビデンスが揃っていることが信頼している最大の要因」と野本先生は話す[/caption] 歯や口腔だけでなく、患者さんの身体全体を健康に 現在、野本先生が携わる医科・歯科クリニックは首都圏にある8院。そのうち6院で日本気圧バルク工業の高気圧酸素ルーム『O2Room®』を導入している。「主に治療の待ち時間に入っていただき、ご自身の治療がない日に酸素ルームだけ入りにいらっしゃる患者さんもいます」と野本先生。 利用者からは好評で、「『酸素ルームに入るようになってからインフルエンザにかかっていない』と言われる方が何人かいます。口腔ケアと酸素の両方をやることで、免疫力が上がったのだと思います。腕を骨折していた女性は、治りが早くて『最初に診てもらった病院で驚かれた』と言っていました」。 [caption id="attachment_203477" align="alignnone" width="800"] 野本先生が関わっている「メディプラングループ」の歯科医院の中でも、医科と歯科が連携して最先端の複合治療を行っている東京・表参道の「パルフェクリニック・医科歯科」のエントランスにて[/caption] [caption id="attachment_203487" align="alignnone" width="800"] 「パルフェクリニック・医科歯科」は地下鉄・表参道駅から徒歩1分という絶好のロケーション。青山通り沿いにそびえ立つファッションブランドやレストラン、カフェなどがいくつも入っている複合商業ビル<Ao>の3階にある[/caption] 疲労回復、代謝改善、免疫改善、睡眠の質の向上、集中力向上だけでなく、ケガや傷の治癒促進の効果も期待できるのが酸素ルームの利点だ。 もっとも、酸素ルームはそれなりに場所を取るため、野本先生が関わるどの歯科クリニックでもユニット(椅子や診療設備一体となった診療台)1台分のスペースを撤去して、酸素ルームを設置しているという。1台のユニットが減れば、それだけクリニックの診療収入も減ることになるが、野本先生にはそれ以上に大切にしている信念がある。 「歯医者の役目は、虫歯を治したり、インプラントを入れたりするだけではありません。脳梗塞や心筋梗塞を治すことはできませんが、歯の治療や口腔ケアを通して、より健康な身体にすることができる。私はそれを信じて疑っていません」 歯周病という口内の慢性炎症を放置すれば、やがて血液を巡り、取り返しのつかない大病の引き金になる。逆に言えば、口の中を健康に保ち、正しい噛み合わせを獲得すれば、全身の免疫力は向上し、病気を未然に防ぐことができる。 野本先生の「健康寿命を延ばしたい」という思いを具現化するための強力なパートナーが、日本気圧バルク工業の『O2Room®』である。アスリートであれば、軽度高気圧の酸素ルームは疲労回復やケガの治癒促進が期待され、副交感神経が優位になることで睡眠の質も上がる。結果的にパフォーマンス向上にもつながりやすい。 一歯科医師の枠にとどまらない野本先生は、これからも口腔ケアと酸素ルームの相乗効果を活用した「全身の統合医療」を牽引していく。 [caption id="attachment_203481" align="alignnone" width="800"] 野本先生は口腔ケアと酸素ルームの相乗効果を活用した「全身の統合医療」を推進している[/caption] 文/小野哲史、撮影/樋口俊秀

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