2025.07.05
◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 2日目
東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権が行われ、女子走幅跳は髙良彩花(JAL)が5年ぶりに女王の座に返り咲いた。
しびれる展開を制したのは、髙良らしい強さが戻ってきた証だった。3回目に6m37(+0.2)をマークしてトップに立つ。だが、5回目に4連覇中の秦澄美鈴(住友電工)が6m38(+0.2)で上回った。さらに、6回目には同学年で学生生活を最後に今季で引退をする木村美海(四国大)が6m47(+0.5)の自己新。これに燃えないはずがなかった。
「跳べない記録ではない。バチバチ2人で戦えた。最後は思いっきりいきました。美海ちゃんがいたから最後の1本も跳べました」
高校時代にインターハイ3連覇、高校生にして日本選手権を制したこともある“小さな巨人”が、観客の声援に押されてスピードに乗った助走から一気にはじけ跳んだ。
歓声が上がると6m48(+0.8)のセカンドベスト。木村の記録を1cm上回る勝負強さに、木村も「彩花ちゃんが最後に強いのはわかっていました」と舌を巻く。「とにかくうれしいです!」という5年ぶり4度目の頂点だった。
高3の6m44の記録を更新するまで4年かかった。筑波大4年の日本インカレで6m50をマーク。だが、その後もケガなどもあってなかなか結果が出なかった。一時は兵庫の実家に帰って競技から離れる時間もあったという。
今年から青学大に拠点を移し、犬井亮介コーチに師事。さらに、前日本記録保持者の井村久美子氏からも時々アドバイスをもらうようになった。青学大の強力スプリント陣と練習して「スピードがつきました」。それを噛み合わせるまで苦労したが、大会前には記録会で追い風参考も含めて6m50前後の好記録をジャンプ。好調のまま臨んだ。
同じJAL所属には北口榛花や村竹ラシッドら、世界トップ選手がいる。「本当に恵まれています。まだレベルが違うので、半歩でも一歩でも近づけるように頑張りたい」。東京世界選手権のエントリー設定記録6m58を狙いつつ、「来年のアジア大会でしっかり戦えるように」と見据える。
久しぶりに見せた白い歯の笑顔と、耳につけた飛行機のピアスがきらりと光った。5年ぶりの日本一はテイクオフするための大きなきっかけとなりそうだ。
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