HOME 国内、世界陸上、日本代表
競歩代表の山西利和「徐々に暑さに慣らしていく」9月の世界陸上へ「過程の積み重ね」で頂点へ
競歩代表の山西利和「徐々に暑さに慣らしていく」9月の世界陸上へ「過程の積み重ね」で頂点へ

25年東京世界選手権競歩代表の山西利和(愛知製鋼)

日本陸連が6月28日、東京・味の素ナショナルトレーニングセンターで東京世界選手権の競歩日本代表研修合宿の様子を公開した。

今回の合宿では暑熱と歩型の2つの対策がテーマ。男子20km競歩で19、22年と世界選手権連覇し、世界記録保持者の山西利和(愛知製鋼)も参加した。

欧州転戦3連勝を終えてから「じっくり距離を踏んでいる状態なので、久しぶりに速めのペースで、それなりのボリュームで歩いた」という山西。気温は高かったが湿度はそれほど上がらず、直射日光の当たる場所に比べて、屋根に覆われたコースでは「歩いている分にはそれほど。発汗も強くはなかった」と振り返る。

それでも、今回取ったデータから汗の成分などを分析するなどし、「体温や乳酸値など、いろんな数値を見ながら練習設定など決めていきたい」とし、「徐々に暑さに慣らしながら身体の反応を見て把握していく」という機会となったようだ。

世界選手権2連覇のあとは、23年ブダペスト世界選手権で24位、昨年のパリ五輪は国内選考レースで敗れて代表を逃すという悔しさを経験してきた。それがあったからこそ、昨年の日本選手権後には欧州へ飛び、東京五輪金のマッシモ・スタノ(イタリア)と練習をともにし、交流を深め、競技観にも変化があった。

厚底シューズへの対応も進んでいるが、「まだ理想型は見えきっていない」。それでも、「スタノと一緒にできるのが大きい。比較する選手がいることで気づきを得られる。そうした比較していくというのが、直近の数年は足りていなかったと感じています。鈴木雄介さん(前世界記録保持者)を追いかけていた頃のよう」と、今なお進化の道半ばにいる。

広告の下にコンテンツが続きます

世界選手権に向けて「1番良いところ、金メダルを目指していくのが一つですが、そこに向かう過程が一番楽しくて、限られた時間で積み重ねていった先に大会が来れば」と、試行錯誤を繰り返しながら大一番へ突き進んでいく。

男子20km競歩で初代表となった吉川絢斗(サンベルクス)は、初めての本格的な暑熱対策に向けた合宿に。「4セットある練習で、1本ずつ暑熱対策を試してみました」。氷嚢を首に巻いたり、日本チームが慣例としている氷入りの帽子を被ったり。「計測したデータを元に、総合的に判断していきたい」とした。

世界選手権代表が決まってから「だんだんと実感が湧いてきた」と言い、「ワクワクしているので、若手の勢いを世界選手権につなげていきたい」と力を込めた。

男子35km競歩代表の勝木隼人(自衛隊体育学校)は「調子は可もなく不可もなく。暑さも気にしていない。本番向けて普段通り過ごせば結果が出る」と自信たっぷりだった。

東京世界選手権は9月13日から21日までの9日間の日程で行われ、競歩は国立競技場発着で神宮外苑の銀杏並木までの往復コース。大会初日の13日に男女35km競歩が8時スタート、20日に20km競歩が行われ、女子が7時半、男子は9時45分にスタートする。

日本陸連が6月28日、東京・味の素ナショナルトレーニングセンターで東京世界選手権の競歩日本代表研修合宿の様子を公開した。 今回の合宿では暑熱と歩型の2つの対策がテーマ。男子20km競歩で19、22年と世界選手権連覇し、世界記録保持者の山西利和(愛知製鋼)も参加した。 欧州転戦3連勝を終えてから「じっくり距離を踏んでいる状態なので、久しぶりに速めのペースで、それなりのボリュームで歩いた」という山西。気温は高かったが湿度はそれほど上がらず、直射日光の当たる場所に比べて、屋根に覆われたコースでは「歩いている分にはそれほど。発汗も強くはなかった」と振り返る。 それでも、今回取ったデータから汗の成分などを分析するなどし、「体温や乳酸値など、いろんな数値を見ながら練習設定など決めていきたい」とし、「徐々に暑さに慣らしながら身体の反応を見て把握していく」という機会となったようだ。 世界選手権2連覇のあとは、23年ブダペスト世界選手権で24位、昨年のパリ五輪は国内選考レースで敗れて代表を逃すという悔しさを経験してきた。それがあったからこそ、昨年の日本選手権後には欧州へ飛び、東京五輪金のマッシモ・スタノ(イタリア)と練習をともにし、交流を深め、競技観にも変化があった。 厚底シューズへの対応も進んでいるが、「まだ理想型は見えきっていない」。それでも、「スタノと一緒にできるのが大きい。比較する選手がいることで気づきを得られる。そうした比較していくというのが、直近の数年は足りていなかったと感じています。鈴木雄介さん(前世界記録保持者)を追いかけていた頃のよう」と、今なお進化の道半ばにいる。 世界選手権に向けて「1番良いところ、金メダルを目指していくのが一つですが、そこに向かう過程が一番楽しくて、限られた時間で積み重ねていった先に大会が来れば」と、試行錯誤を繰り返しながら大一番へ突き進んでいく。 男子20km競歩で初代表となった吉川絢斗(サンベルクス)は、初めての本格的な暑熱対策に向けた合宿に。「4セットある練習で、1本ずつ暑熱対策を試してみました」。氷嚢を首に巻いたり、日本チームが慣例としている氷入りの帽子を被ったり。「計測したデータを元に、総合的に判断していきたい」とした。 世界選手権代表が決まってから「だんだんと実感が湧いてきた」と言い、「ワクワクしているので、若手の勢いを世界選手権につなげていきたい」と力を込めた。 男子35km競歩代表の勝木隼人(自衛隊体育学校)は「調子は可もなく不可もなく。暑さも気にしていない。本番向けて普段通り過ごせば結果が出る」と自信たっぷりだった。 東京世界選手権は9月13日から21日までの9日間の日程で行われ、競歩は国立競技場発着で神宮外苑の銀杏並木までの往復コース。大会初日の13日に男女35km競歩が8時スタート、20日に20km競歩が行われ、女子が7時半、男子は9時45分にスタートする。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.08.16

走高跳・瀬古優斗が2m33で世界陸上に前進!走幅跳・津波が好ジャンプ、やり投・相原が大台/福井ナイトゲームズ

◇Athlete Night Games in FUKUI(8月15、16日/福井・9.98スタジアム) 日本グランプリシリーズのAthlete Night Gameの1日目が行われた。男子走高跳では瀬古優斗(滋賀県スポ […]

NEWS 走高跳・瀬古優斗が世界陸上標準突破の2m33!!!「記憶がない」ラストチャンスものにし初の世界へ/福井ナイトゲームズ

2025.08.15

走高跳・瀬古優斗が世界陸上標準突破の2m33!!!「記憶がない」ラストチャンスものにし初の世界へ/福井ナイトゲームズ

◇Athlete Night Games in FUKUI(8月15、16日/福井・9.98スタジアム) 日本グランプリシリーズのAthlete Night Gameが行われ、男子走高跳は瀬古優斗(滋賀県スポ協/FAAS […]

NEWS 走幅跳・津波響樹「攻める跳躍」で自己3番目の8m13!持ち味の助走生かす/福井ナイトゲームズ

2025.08.15

走幅跳・津波響樹「攻める跳躍」で自己3番目の8m13!持ち味の助走生かす/福井ナイトゲームズ

◇Athlete Night Games in FUKUI(8月15、16日/福井・9.98スタジアム) 日本グランプリシリーズのAthlete Night Gameが行われ、男子走幅跳は津波響樹(大塚製薬)が8m13( […]

NEWS 走高跳・瀬古優斗2m33クリア!日本歴代2位タイ、東京世界選手権参加標準突破の大ジャンプ/ANG福井

2025.08.15

走高跳・瀬古優斗2m33クリア!日本歴代2位タイ、東京世界選手権参加標準突破の大ジャンプ/ANG福井

◇Athlete Night Games in FUKUI(8月15、16日/福井・9.98スタジアム) 日本グランプリシリーズのAthlete Night Gameが行われ、男子走高跳で瀬古優斗(FAAS)が日本歴代2 […]

NEWS やり投・相原大聖が81m54!!初大台に到達「毎日、少しずつ練習を継続」が好調の要因/福井ナイトゲームズ

2025.08.15

やり投・相原大聖が81m54!!初大台に到達「毎日、少しずつ練習を継続」が好調の要因/福井ナイトゲームズ

◇Athlete Night Games in FUKUI(8月15、16日/福井・9.98スタジアム) 日本グランプリシリーズのAthlete Night Gameが行われ、男子やり投は相原大聖(OniGO)が5回目に […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年9月号 (8月12日発売)

2025年9月号 (8月12日発売)

衝撃の5日間
広島インターハイ特集!
桐生祥秀 9秒99

page top