2025.06.17
今年9月に東京で34年ぶりに開催される世界陸上で、女子やり投の北口榛花(JAL)は大会連覇、そして世界大会〝3連覇〟を狙っている。そんなやり投世界女王に昨年7月、心強いサポートが加わった。世界陸連(World Athletics)とグローバルサポーター契約を締結しており、さらに世界陸上東京大会の協賛も決定している森永製菓だ。「心強いサポート」と自国の大声援を背に、9月の国立競技場でビッグアーチを描く。
国内初戦で圧巻スローV
女子やり投の北口榛花(JAL)にとって、約1年ぶりとなる国内での競技会に出場した5月のセイコーゴールデングランプリで貫禄を示した。手拍子を求めた5投目、今シーズンの自己ベストとなる64m16を放って大会連覇。毎年、どの大会でもしのぎを削っている海外選手を圧倒した。
だが、本人は決して納得をしていない。
「まだ完璧ではない中で64mを投げられたのはホッとしましたが、まっすぐに飛んでいません。エネルギーがあるのはわかっているのに、やりに伝えられていない」と振り返り、「私が目指しているのは60mとか、そういう記録ではない」と、今季の目標の一つに掲げるアジア記録(67m98)に近づくために、まだまだ試行錯誤の段階だ。
今シーズンに向けて新たなアプローチから成長を目指した北口。冬季練習期間では、これまで行っていた山登りやスイミング、バドミントンなどに加え、柔道の受け身や器械体操、果てはオペラの発声も。やり投とはかけ離れているように思えるが、「やらないことには情報も得られません。それをトレーニング、やり投にどうつなげていくかは自分の作業です」。自分の理想とする投げに近づけるためのヒントを模索し、北口にしか確立できないトレーニングを追究している。
今年の3月は鹿児島・奄美大島で合宿。2018年度末から拠点としているチェコではなく、久しぶりの国内での調整だった。投てき練習では1人で2時間、じっくりと投げ込む。その姿に、世界女王たる所以が垣間見えた。
注目を集めた「ハイチュウ」との縁
2023年のブダペスト世界陸上において、女子トラック&フィールド種目初の世界一に輝いた北口。その名は瞬く間に陸上の枠を超え、スポーツ界の〝アイコン〟となった。さらに、昨年夏にフランス・パリで行われた世界大会でも金メダルを獲得。世界最高峰とも言われるダイヤモンドリーグ(DL)のファイナルも連覇を果たすなど、世界女王として君臨している。
その北口と昨年7月にサポート契約を締結したのが森永製菓。同社と北口には〝浅からぬ縁〟がある。23年のブダペスト世界陸上で一躍注目を集めたのが、北口を指導するチェコ人のディヴィッド・セケラック・コーチ。テレビ中継で興奮したままインタビューを受けると「ハイチュウ、2タイム!」と答えていたのが話題となった。北口は「ハイチュウが好きで、試合の時はいつも食べています。この日は〝2個〟ではなくて、〝2本〟食べ切った」と明かしている。
同年の凱旋帰国時には、同社から『金メダルオメデチュウ』とプリントされたオリジナルのハイチュウが手渡された。さらに、昨年は〝やり〟を模したケースに製品を詰め込んだプレゼントも。「やりより重たい」と北口はおどけながらポージングを取っていた。

2023年ブダペスト世界陸上で北口のコーチが緊張をほぐすために森永製菓の「ハイチュウ」を試合中に2本も食べていたことがメディアで話題になり、日本に帰国した際、「北口選手 金メダル オメデチュウ」のパッケージが施された特別製品がプレゼントされた。この縁で北口と森永製菓の関係が深まった
幼い頃から「inゼリー」で補食
実は北口自身も「子どもの頃から馴染みがある」と明かす。北海道旭川市で育った北口は、幼少期からスイミングスクールに通い、小学校からは並行してバドミントンも習っていた。それだけではなく、塾や英会話、ピアノなど多忙な日々を過ごしている。中学までは水泳とバドミントン、そして、旭川東高に入学してからは陸上部へ。当初は水泳と〝二刀流〟を続けていた。スイミングで髪が濡れたまま陸上の練習に向かうことも日常茶飯事だった。
そんな北口の心強い味方だったのが森永製菓の「inゼリー」だ。「水泳だと1日何本も練習しますし、バドミントンでも1日で何試合もこなします。そうした時に、途中で軽く食べられる栄養補給が必要なので、小学生の時からinゼリーを飲んでいました」と当時を振り返る。短い時間で、しかもすぐに運動を再開するとあって、「補食として負担がないものとして選んでいました」と言う。
inゼリーは「いつでもどこでも、素早く飲むことができる」ゼリー飲料で、おにぎりおよそ1個分(180kcal)のエネルギーを摂ることができるマスカット味の「inゼリー エネルギー」の他に、運動前後には「inゼリー プロテイン」、「inゼリー エネルギーBCAA」などで補給するのがお勧めだ。
また、暑い日の水分補給や塩分補給には、「inゼリー エネルギーレモン」や凍らせて楽しめる「inゼリー エネルギーフローズン」などもラインナップ。また、成長期の子ども向けの「inゼリー ジュニアエネルギー」があり、エネルギーに加えて1食分のカルシウムを補給できる。
北口は「個人的には柑橘系やパイナップル味が好き」だという。大会の時にも必ず現地に持っていくそうで、「試合は暑くなることが多いので、ビタミンに加えて塩分が入っているものを選択しています」と活用法を明かし、「味もおいしいし満足しています」。スポーツをがんばる子どもたちに向けても「遠くから練習に通う子も多いと思いますが、練習後すぐにご飯を食べられない場合にも、inゼリーがあると助かります」とアドバイスを送る。
世界陸上連覇へ「日本の皆さんと感動を分かち合いたい‼」
セイコーゴールデングランプリの当日夜には機上の人となり、欧州へ旅立った北口。ここからは欧州遠征をして、7月の日本選手権に合わせていく。
「試合を重ねてレベルアップしていくタイプなので、1試合1試合、課題を持って臨んで、良い方向になるようにしていきたいです」と語り、「完璧ではないですが、ちょっとずつ近づいてきました」と、今見据える課題をクリアできれば、アジア記録更新が見えてくる。
その先には、9月の大舞台が待つ。森永製菓は昨年3月に世界陸連(WorldAthletics)とグローバルサポーター契約を締結。2025年世界陸上東京大会への協賛も決定している。同社の製品は海外でも愛されていることもあり、北口は「サポートを受けていることで、海外の選手からも興味を持ってもらえています。コーチも含めチームのみんなも森永製菓さんの製品が大好き。私も栄養面でサポートしていただけるのは心強いです」と改めて語る。
世界女王として迎える自国開催の世界陸上は特別な空間になる。
「金メダルを取って、日本の皆さんと感動を分かち合いたい‼」
日本中の大声援と森永製菓のサポートを受けた北口が、今年9月、国立競技場の夜空にビッグアーチを架ける。
国内初戦で圧巻スローV
女子やり投の北口榛花(JAL)にとって、約1年ぶりとなる国内での競技会に出場した5月のセイコーゴールデングランプリで貫禄を示した。手拍子を求めた5投目、今シーズンの自己ベストとなる64m16を放って大会連覇。毎年、どの大会でもしのぎを削っている海外選手を圧倒した。 だが、本人は決して納得をしていない。 「まだ完璧ではない中で64mを投げられたのはホッとしましたが、まっすぐに飛んでいません。エネルギーがあるのはわかっているのに、やりに伝えられていない」と振り返り、「私が目指しているのは60mとか、そういう記録ではない」と、今季の目標の一つに掲げるアジア記録(67m98)に近づくために、まだまだ試行錯誤の段階だ。 今シーズンに向けて新たなアプローチから成長を目指した北口。冬季練習期間では、これまで行っていた山登りやスイミング、バドミントンなどに加え、柔道の受け身や器械体操、果てはオペラの発声も。やり投とはかけ離れているように思えるが、「やらないことには情報も得られません。それをトレーニング、やり投にどうつなげていくかは自分の作業です」。自分の理想とする投げに近づけるためのヒントを模索し、北口にしか確立できないトレーニングを追究している。 今年の3月は鹿児島・奄美大島で合宿。2018年度末から拠点としているチェコではなく、久しぶりの国内での調整だった。投てき練習では1人で2時間、じっくりと投げ込む。その姿に、世界女王たる所以が垣間見えた。注目を集めた「ハイチュウ」との縁
2023年のブダペスト世界陸上において、女子トラック&フィールド種目初の世界一に輝いた北口。その名は瞬く間に陸上の枠を超え、スポーツ界の〝アイコン〟となった。さらに、昨年夏にフランス・パリで行われた世界大会でも金メダルを獲得。世界最高峰とも言われるダイヤモンドリーグ(DL)のファイナルも連覇を果たすなど、世界女王として君臨している。 その北口と昨年7月にサポート契約を締結したのが森永製菓。同社と北口には〝浅からぬ縁〟がある。23年のブダペスト世界陸上で一躍注目を集めたのが、北口を指導するチェコ人のディヴィッド・セケラック・コーチ。テレビ中継で興奮したままインタビューを受けると「ハイチュウ、2タイム!」と答えていたのが話題となった。北口は「ハイチュウが好きで、試合の時はいつも食べています。この日は〝2個〟ではなくて、〝2本〟食べ切った」と明かしている。 同年の凱旋帰国時には、同社から『金メダルオメデチュウ』とプリントされたオリジナルのハイチュウが手渡された。さらに、昨年は〝やり〟を模したケースに製品を詰め込んだプレゼントも。「やりより重たい」と北口はおどけながらポージングを取っていた。 [caption id="attachment_172664" align="alignnone" width="800"]
2023年ブダペスト世界陸上で北口のコーチが緊張をほぐすために森永製菓の「ハイチュウ」を試合中に2本も食べていたことがメディアで話題になり、日本に帰国した際、「北口選手 金メダル オメデチュウ」のパッケージが施された特別製品がプレゼントされた。この縁で北口と森永製菓の関係が深まった[/caption]
幼い頃から「inゼリー」で補食
実は北口自身も「子どもの頃から馴染みがある」と明かす。北海道旭川市で育った北口は、幼少期からスイミングスクールに通い、小学校からは並行してバドミントンも習っていた。それだけではなく、塾や英会話、ピアノなど多忙な日々を過ごしている。中学までは水泳とバドミントン、そして、旭川東高に入学してからは陸上部へ。当初は水泳と〝二刀流〟を続けていた。スイミングで髪が濡れたまま陸上の練習に向かうことも日常茶飯事だった。 そんな北口の心強い味方だったのが森永製菓の「inゼリー」だ。「水泳だと1日何本も練習しますし、バドミントンでも1日で何試合もこなします。そうした時に、途中で軽く食べられる栄養補給が必要なので、小学生の時からinゼリーを飲んでいました」と当時を振り返る。短い時間で、しかもすぐに運動を再開するとあって、「補食として負担がないものとして選んでいました」と言う。 inゼリーは「いつでもどこでも、素早く飲むことができる」ゼリー飲料で、おにぎりおよそ1個分(180kcal)のエネルギーを摂ることができるマスカット味の「inゼリー エネルギー」の他に、運動前後には「inゼリー プロテイン」、「inゼリー エネルギーBCAA」などで補給するのがお勧めだ。 また、暑い日の水分補給や塩分補給には、「inゼリー エネルギーレモン」や凍らせて楽しめる「inゼリー エネルギーフローズン」などもラインナップ。また、成長期の子ども向けの「inゼリー ジュニアエネルギー」があり、エネルギーに加えて1食分のカルシウムを補給できる。 北口は「個人的には柑橘系やパイナップル味が好き」だという。大会の時にも必ず現地に持っていくそうで、「試合は暑くなることが多いので、ビタミンに加えて塩分が入っているものを選択しています」と活用法を明かし、「味もおいしいし満足しています」。スポーツをがんばる子どもたちに向けても「遠くから練習に通う子も多いと思いますが、練習後すぐにご飯を食べられない場合にも、inゼリーがあると助かります」とアドバイスを送る。 [caption id="attachment_172666" align="alignnone" width="800"]
2024年7月、北口は森永製菓とサポート契約を締結した[/caption]
世界陸上連覇へ「日本の皆さんと感動を分かち合いたい‼」
セイコーゴールデングランプリの当日夜には機上の人となり、欧州へ旅立った北口。ここからは欧州遠征をして、7月の日本選手権に合わせていく。 「試合を重ねてレベルアップしていくタイプなので、1試合1試合、課題を持って臨んで、良い方向になるようにしていきたいです」と語り、「完璧ではないですが、ちょっとずつ近づいてきました」と、今見据える課題をクリアできれば、アジア記録更新が見えてくる。 その先には、9月の大舞台が待つ。森永製菓は昨年3月に世界陸連(WorldAthletics)とグローバルサポーター契約を締結。2025年世界陸上東京大会への協賛も決定している。同社の製品は海外でも愛されていることもあり、北口は「サポートを受けていることで、海外の選手からも興味を持ってもらえています。コーチも含めチームのみんなも森永製菓さんの製品が大好き。私も栄養面でサポートしていただけるのは心強いです」と改めて語る。 世界女王として迎える自国開催の世界陸上は特別な空間になる。 「金メダルを取って、日本の皆さんと感動を分かち合いたい‼」 日本中の大声援と森永製菓のサポートを受けた北口が、今年9月、国立競技場の夜空にビッグアーチを架ける。 [caption id="attachment_172668" align="alignnone" width="800"]
森永製菓が契約アスリートに最先端のトレーニングや栄養指導をする施設「森永製菓 inトレーニングラボ」(東京・港区台場)でパフォーマンスアップを図る北口[/caption] RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.12.18
横山隆義氏が死去 由良育英高でインターハイ2度の総合V 全国高校駅伝でも準優勝に導く
-
2025.12.18
-
2025.12.18
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝女子(2025年12月14日)
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝男子(2025年12月14日)
2025.12.14
中学駅伝日本一決定戦がいよいよ開催 女子11時10分、男子12時15分スタート/全中駅伝
-
2025.12.14
-
2025.12.14
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝女子(2025年12月14日)
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝男子(2025年12月14日)
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.12.18
箱根駅伝Stories/青学大3連覇へ、過去最高レベルの戦力 「チームを勝たせる走り」を結集
前回優勝メンバーから6人が卒業 前回、10時間41分19秒の大会新記録で連覇を飾ったメンバーから6人が卒業。それも4区で歴代2位の好タイムをマークした太田蒼生(現・GMOインターネットグループ)に5、6区連続区間新で、「 […]
2025.12.18
横山隆義氏が死去 由良育英高でインターハイ2度の総合V 全国高校駅伝でも準優勝に導く
鳥取・由良育英高(現・鳥取中央育英高)の陸上部顧問として、インターハイで2度の総合優勝に導き、高校駅伝でも全国大会で2度の準優勝を果たした横山隆義氏が、12月15日、肺炎のため亡くなった。81歳だった。 横山氏は1944 […]
2025.12.18
26年7月に第1回U23アジア選手権開催が決定! アジア跳躍選手権も実施予定
アジア陸連は11月に理事会を開催し、2026年7月9日から12日の日程で、第1回U23アジア選手権を中国・オルドスで開催することを発表した。 陸上競技では、U18やU20など年齢別の競技会が実施されており、U20カテゴリ […]
Latest Issue
最新号
2026年1月号 (12月12日発売)
箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳