HOME 国内

2024.01.31

男子やり投の元日本記録保持者・武田敏彦氏が死去 日本人初の80mスロワー 82年アジア大会金
男子やり投の元日本記録保持者・武田敏彦氏が死去 日本人初の80mスロワー 82年アジア大会金

武田敏彦氏(2007年撮影)

男子やり投の元日本記録保持者で、1982年アジア大会金メダリストの武田敏彦氏が1月29日、肺がんのため亡くなった。67歳だった。

武田氏は山形県寒河江市出身。中学時代は野球部だったが、寒河江工高では陸上部に入部。肩の強さを買われてやり投を始めた。高校2年の三重インターハイと翌年の久留米インターハイに出場すると、74年の茨城国体で3位と全国初入賞を果たす。

順大に進み、3年時の日本インカレで全国大会初優勝。直後の青森国体でも優勝を果たし、トップクラスの選手に成長すると、大学4年の78年にはバンコクアジア大会で銀メダルを獲得している。

大学卒業後は地元に戻り、体育指導員として勤務するかたわら競技に専念。その年の実業団・学生対抗で80m02を投げ、日本記録を10年ぶりに更新するとともに、日本人初の80m超えを達成した。(※男子やり投は1986年に現行規格へ変更)

モスクワ五輪イヤーとなった80年からは活動拠点を滋賀県に移し、日本の五輪ボイコットが決まった後の五輪選考会で優勝。80m00と参加標準(81m00)には届かず“幻の五輪代表”は逃したが、9月の8ヵ国対抗陸上では82m24と自身が持っていた日本記録を2m以上更新している。

日本の第一線から退いた後も滋賀県選手権などに出場。91年頃まで競技を続けていた。現役時代から高校教員として奉職し、退職してからも後進の指導に努め、近年も22年国体・U18陸上優勝の谷口大翔(彦根翔西館高)、昨年のインターハイと国体を制した渡邉宙(草津東高)ら県内の高校生たちにアドバイスを送るなどしていた。

広告の下にコンテンツが続きます
男子やり投の元日本記録保持者で、1982年アジア大会金メダリストの武田敏彦氏が1月29日、肺がんのため亡くなった。67歳だった。 武田氏は山形県寒河江市出身。中学時代は野球部だったが、寒河江工高では陸上部に入部。肩の強さを買われてやり投を始めた。高校2年の三重インターハイと翌年の久留米インターハイに出場すると、74年の茨城国体で3位と全国初入賞を果たす。 順大に進み、3年時の日本インカレで全国大会初優勝。直後の青森国体でも優勝を果たし、トップクラスの選手に成長すると、大学4年の78年にはバンコクアジア大会で銀メダルを獲得している。 大学卒業後は地元に戻り、体育指導員として勤務するかたわら競技に専念。その年の実業団・学生対抗で80m02を投げ、日本記録を10年ぶりに更新するとともに、日本人初の80m超えを達成した。(※男子やり投は1986年に現行規格へ変更) モスクワ五輪イヤーとなった80年からは活動拠点を滋賀県に移し、日本の五輪ボイコットが決まった後の五輪選考会で優勝。80m00と参加標準(81m00)には届かず“幻の五輪代表”は逃したが、9月の8ヵ国対抗陸上では82m24と自身が持っていた日本記録を2m以上更新している。 日本の第一線から退いた後も滋賀県選手権などに出場。91年頃まで競技を続けていた。現役時代から高校教員として奉職し、退職してからも後進の指導に努め、近年も22年国体・U18陸上優勝の谷口大翔(彦根翔西館高)、昨年のインターハイと国体を制した渡邉宙(草津東高)ら県内の高校生たちにアドバイスを送るなどしていた。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.05.19

インターハイ都府県大会 明日は鹿児島 週末は各地で一挙開催 愛知、大阪、福岡はハイレベルな戦いの予感

広島インターハイ(7月25日~29日/広島・ホットスタッフフィールド広島=広島広域公園陸上競技場)を目指し、各地で都府県大会が行われている。 ここまで関東8都県と岐阜が終了し、今週以降はさらに大会が集中する。この1週間の […]

NEWS 【男子110mH】木村立樹(桜浜中2) 14秒29=中2歴代5位

2025.05.19

【男子110mH】木村立樹(桜浜中2) 14秒29=中2歴代5位

5月17日に三重県伊勢市の三重交通Gスポーツの杜伊勢・陸上競技場で行われた第2回南勢記録会の中学男子110mハードルで、中学2年生の木村立樹(桜浜中)が中2歴代5位となる14秒29(+1.8)をマークした。 木村は昨年9 […]

NEWS 【選手名鑑】大坂谷 明里

2025.05.19

【選手名鑑】大坂谷 明里

大坂谷 明里 OSAKAYA AKARI SNS: 愛媛競技力本部 2002年4月10日 小野中(兵庫)→社高(兵庫)→園田学園女大 棒高跳:4.20(25年) ■代表歴 アジア選手権(25クミ) 【年次ベスト】 棒高跳 […]

NEWS ユニクロ・大島健太コーチが5月末で退任 プリンセス駅伝1位通過にも貢献

2025.05.19

ユニクロ・大島健太コーチが5月末で退任 プリンセス駅伝1位通過にも貢献

5月19日、ユニクロは大島健太コーチが5月末をもって退任、退職することを発表した。 大島氏は45歳。現役時代は高知国体5000mで優勝したほか、04年には世界クロスカントリー選手権に日本代表として出場。マラソン、駅伝でも […]

NEWS 【選手名鑑】竹内 真弥

2025.05.19

【選手名鑑】竹内 真弥

竹内 真弥 TAKEUCHI MAYA SNS: ミズノ 1998年10月9日 長瀬中(大阪)→摂津高(大阪)→日女体大 走幅跳:6.49(24年) ■代表歴 アジア選手権(25クミ) 【年次ベスト】 走幅跳 12年(中 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年6月号 (5月14日発売)

2025年6月号 (5月14日発売)

Road to TOKYO
Diamond League JAPANの挑戦
村竹ラシッド、三浦龍司が初戦で世界陸上内定

Road to EKIDEN Season 25-26
学生長距離最新戦力分析

page top